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第22期竜王戦挑戦者決定三番勝負 第3局(解説)

2009-09-11 23:00:00 | Weblog
棋譜はこちら(竜王戦中継サイト)こちら

【角換わりの突き捨て】

角換わり腰掛け銀の突き捨ての順番って難しいですよね。
いい語呂合わせがあるんですよ。

よ に い な さん
4→2→1→7→3

「よに伊奈さん」って覚えるんですよ。
伊奈さんって渡辺竜王の奥さんの旧姓ですけど、とくに意味はないです。

「ここで△同銀は▲4五桂△4四歩▲7一角△7二飛▲5三角成△同金▲同桂成で先手よし」(村山五段)

【51手目の局面】

▲7四歩
(1)▲1二歩は△同香▲1一角に△4二飛(!)があるようだ。
 (A)▲4五銀(▲2四飛は△4六角)△同銀直(△同銀右はばらして▲3三銀がある)▲同桂△同飛で後手よし
 (B)▲1五香△同香▲4五銀も△同銀直▲4三歩△同飛▲4四歩に△1三飛(参考1図)がある。

また、村山五段の第一感は(2)▲3三歩成だったそうだ。
△同銀は▲7四歩~▲7一角、△同桂は▲3四歩があるので△同金に棋譜解説にあるとおり▲7四歩△同金▲4五銀との進行が予想される。
以下△同銀▲同桂△同銀▲6三角に△8六歩▲同歩△8八歩▲4五角成(参考2図)。この局面をどう見るか。


【59手目の局面(問題の角打ち)】

本譜△4六角と打ったが、村山五段、戸辺五段の解説ではこの角打ちがどうだったか。
終局後の解説では、ここで△3七銀と打つ変化の検討にかなりの時間を費やした。
△3七銀▲1八飛△3六角▲6三角△4五銀▲7四角成△2六桂▲2三歩△同金▲7三馬△1八桂成。ここで、飛車を取らずにじっと▲8七銀(参考3図)で△9二飛▲6八金。

途中変化も多くこう進むかは分からないが、有力な変化の1つのようだ。

本譜△4六角
(1)▲4八飛は△3七角成▲6三角△4八馬▲同金△4七歩▲4九金△5八銀で先手受けにくい。
(2)▲2九飛も△4五銀▲6三角に△5六銀(!)がある。以下▲7四角成△5三銀成▲同金△同角成。
したがって、本譜は(3)▲1八飛とこちらに逃げた。

【夕食休憩の局面】

図は夕食休憩の局面。本譜は(1)△5八桂成と取ったが、これが最後の敗着か。以下▲同飛△4七銀▲5九飛と進み大差になった。
棋譜解説にもあるとおり、(2)△5五角も先手がはっきり勝ち。
解説会で有力されたのは(3)△4三銀。60手目△3七銀とともにかなり時間をかけて検討された。
△4三銀▲3二桂成△同玉に(A)▲4四歩は△3四銀▲5二馬△7八桂成▲同玉△6六桂▲8七玉△8五歩▲7四馬△8六歩▲7七玉△5八桂成(参考4図)。

▲8三馬と飛車を取るのは△7六金以下詰みなので、▲7五馬や▲5八飛くらいだが△7六金や△8五金があり後手優勢。

したがって、棋譜解説にある通り(B)▲5一馬△4二歩▲4七金との進行が予想される。以下△5五歩は▲5六歩があるので、△7八桂成▲同玉△6六桂▲8七玉(参考5図)。

正しくさえば、先手が勝ちそうだが、本譜のような一方的な展開は避けることができそうだ。

とはいえ、夕食休憩の局面は先手勝ちの局面のようなので、振り返って、やはり△6五桂と跳ねた手がどうだったか。渡した桂馬が4四に急所に配置された上に、8三の飛車がまったく受けに役に立たなかった。
とはいえ、他に▲7一角に適当な応手も難しいか。

一局を振り返ってみると、59手目以降の攻めの組み方次第では、深浦新手(△6三金)も十分やれるのではというのが、村山五段の見解。
△8六歩▲同歩に本譜は△8八歩だったが、△7六歩を絡める手があるなど、変化は多い。今後の研究次第では、市民権を得る可能性は十分ありそうだ。

第22期竜王戦挑戦者決定三番勝負 第3局

2009-09-11 21:32:00 | Weblog
開始日時:2009/09/11 10:00
終了日時:2009/09/11 21:32
棋戦:第22期竜王戦挑決三番勝負 第3局
戦型:角換わり腰掛け銀
持ち時間:各5時間
消費時間:▲4時間41分△4時間26分
場所:東京・将棋会館
先手:森内俊之 九段
後手:深浦康市 王位

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲9六歩 △9四歩 ▲4六歩 △6四歩
▲4七銀 △6三銀 ▲6八玉 △5四銀 ▲5六銀 △4四歩
▲5八金 △5二金 ▲3六歩 △4一玉 ▲7九玉 △7四歩
▲6六歩 △3一玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲3七桂 △7三桂
▲2五歩 △3三銀 ▲4五歩 △同 歩 ▲2四歩 △同 歩
▲1五歩 △同 歩 ▲7五歩 △同 歩 ▲3五歩 △6三金
▲3四歩 △4四銀 ▲7四歩 △同 金 ▲4五銀 △同銀右
▲同 桂 △8六歩 ▲同 歩 △8八歩 ▲同 銀 △4六角
▲1八飛 △4五銀 ▲7一角 △6五桂 ▲同 歩 △8三飛
▲6二角成 △6六桂 ▲4四桂 △5八桂成 ▲同 飛 △4七銀
▲5九飛 △4三歩 ▲3二桂成 △同 玉 ▲5一馬 △4二桂
▲2六桂 △3一金 ▲2二歩 △2三玉 ▲2一歩成 △2五歩
▲3一と △2四玉 ▲4二馬 △3五玉 ▲3九桂 △3七角成
▲4七桂 △3六玉 ▲3五金 △4七玉 ▲5八銀 △4六玉
▲4七金
まで97手で先手の勝ち


戸辺五段

村山五段

渡辺竜王と親しい二人による竜王戦の解説会

大盤解説会こぼれ話
・渡辺竜王はにやにやしていると思いますよ。深浦さんは天敵ですからね。
・(渡辺竜王の最近の様子はどうですか?の問いに)JT杯欠場でかなり残念がってましたね。最近会う勇気ないのでわかりませんが。
・中川理事が関東の若手に「関西の若手に押されすぎ」と激を飛ばしてましたね
・「(1組優勝者が勝てないのは)賞金みてにやにやするからですかね」(戸辺)
「深浦さんが(1組)優勝したあと、深浦さんのおごりでお寿司につれてってもらったんですよ」(村山)
「あとで深浦さんがなげいてましたよ」(戸辺)
「5~6人で行ったら6万くらいいってて会計みてびっくりしました。たぶん半分くらいは神吉先生だと思いますけど」(村山)
・竜王戦で一番見たいのは△森内挑戦者のノーマル四間飛車。それなら渡辺明は99%穴熊ですからね。あれだけ深浦王位に完勝した将棋ですからね。もう一度見てみたいですね

第80期棋聖戦就位式

2009-09-07 21:48:25 | Weblog

(第80期棋聖位・羽生棋聖)


(産経新聞・住田社長の挨拶)
「新聞業界が苦しい時期にいっぱいタイトルを持っている羽生棋聖は羨ましい」
「来年・81期は盤寿。盛り上がるように頑張りたい」


(日本将棋連盟・米長会長)
「将棋が盛んなのは60歳以上と5~7歳。5~7歳の子供が新聞を読むような運動を勧めていきたい」


(祝辞を述べる柳瀬尚紀氏)
「『棋聖』という言葉は名人以上に歴史がある言葉」「(羽生棋聖は)希世な才能を持った棋聖」
最後に「『奇声』での挨拶でしたが」としめた。


(囲碁将棋チャンネルのインタビューに答える佐藤康光永世棋聖。谷川九段、三浦八段らも会場を訪れていた)

(次の一手(棋聖戦第5局)を解説する羽生棋聖)