アスベストの全面禁止、被害者救済に関する申し入れ

　アスベストが主な原因とされる中皮腫による死亡者が95年以降、6000人をこえるとされており、その対策が急がれています。いま、アスベストを使用した建築物が多く残され、その解体時期2020年頃から40年頃にピークを迎えるとされています。こうしたなかで、このままでは中皮腫による死亡は、今後40年間に10万人にものぼるといわれています。文字通り、残存アスベスト対策と健康被害者の救済は一刻を争う課題となっています。
　公品もとで、日本共産党都議会議員団は、8月2日石原都知事に対して次のように申し入れました。
（１）都として政府に要望し実現を図ること
１、アスベストの08年全面禁止を前倒し実施すること。２、自営業者など補償精度のない被災者に対する補償制度の創設。アスベスト関連疾患の労災認定基準と適用の緩和の実施。３、公共、民間を問わず、アスベストがどこに存在しているかを早急に把握し公表すること。アスベスト使用の表示。学校、公共施設などのアスベスト除去への補助の実施。４、被害者休載、アスベスト追跡調査などアスベスト業界、企業に社会的責任を果たさせること。
（２）東京都として緊急に講ずべき事
１、全庁的体制の確立とともに、「アスベスト対策要綱」をアスベストの「使用抑制」から「全面禁止」に改めること。２、都民の通報に応え、専門家の派遣など、アスベスト110番を開設すること。３、アスベスト被爆、飛散対策などに指導、監視を強めること。また、中小業者への支援を行なうこと。４、東京におけるアスベスト製品の使用や在庫、除去後の廃棄物などの緊急実態調査を実施し、公表すること。
５、都民への相談窓口の設置、情報提供を急ぐこと。６、都立学校や都立施設などのアスベスト調査を改めて実施すること。小中学校、保育所などの調査と除去対策のための補助制度を都として実施すること。