フジサキヒロカズ@音楽づくり

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【高い理想。硬い内臓。】

2021-05-28 21:54:00 | 日記

そのひとは、

やわらかいひとではないようだ。


硬直しているように見えてしまうその信念。

偏っているように見えてしまうその行動。

そのひとは、硬直し、偏って生きることを望んでいるのだろうか。


そのひとに、硬く偏って生きたいのですかと問えば、いや、実はそうではないのだと泣きながら答えるかも知れない。


かたいひとは、じつはやわらかいひとになりたい。


「人は変われる」は真。

「人はそう容易くは変われない」も真。

このふたつの真実は、かたいひとが出会う苦しみと喜び。


かたいひとは、やわらかいひとになりたい。

しかし、やわらかいひととて、変われる/変われない、このふたつの真実があるのは同じこと。


太陽が落ちたあと、外の明かりだけを頼りに歌った即興の新曲「かたいひと」。

弾き歌いをしながら、部屋の闇と外の闇が繋がって、境目が消えたその中に、私の存在が溶けていくような優しさを感じていた。

暗闇は好きだ。暗闇礼讃。


解像度の低さ、粗さ。

暗闇の中で撮ったこの映像の解像度は著しく低い。ぼやけているそれは、人の曖昧さを連想させる。


曖昧さは、人の信念と行動の、硬さと柔らかさのあいだにあって、苦しみと喜びの両方の輪郭をぼやかすことができる。

曖昧さは、眉間に寄った厳しい皺を和らげることができる。

曖昧さは、硬い内臓のこわばりを解きほぐすことができる。


だからこの曖昧さは、曖昧なままで存在しても良いのかも知れないと思う。


一年前に書いた「即興音日記#127 かたいひと」を聴き返しながら。


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アルバム『音楽と非音楽のあいだ=日常』を3月に配信リリース&CDリリースしました。

私が書いた11曲を収録、37分。全曲無料で聴いていただけます。ご自身の音楽環境によってプラットフォームを自由に選んでいただけますが、YouTube Music が聴き勝手が良いようです。

もしよろしければ、お耳をお貸しください。


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