人間科学総合基礎研究所

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医学統計学/データ解析

0001-01-01 16:08:55 | 生命医科学部
医学統計学

<生存時間>
がんなど致死的な疾患を対象とした臨床研究などにおいて「死亡までの時間の長さ」を"生存時間"として治療効果判定に用いる。このため、臨床研究終了時点で生存しているケースについては「打ち切られたデータ」として扱われる点に留意する。

<打ち切られたデータ>
治療効果の判定などにおいて、何らかの理由により追跡不可能になった症例は一般に打ち切られたデータと呼ばれる。例えば臨床研究の被験者の生存が諸事情により確認できない場合などである。また生存時間の判定においては、死亡までの時間の長さが問題となるために、臨床研究終了時の生存者も打ち切られたデータとして扱われる。

<生存率曲線>
生存時間の評価に用いられる階段曲線。曲線のX軸とY軸で囲まれた面積は「平均生存時間」を表している。簡便で直観的であり、打ち切られたデータにも適用可能である。5年生存率とは、調査開始から5年目の時点での生存率を言い、KAPLAN-MEIERのPRODUCT-LIMIT推定法などを用いて算出する。

<瞬間死亡率>
瞬間死亡率 λ(t,X)とは時点tまで生存していた個体が、区間(t,t+dt)に死亡する割合であり、字義通りの"瞬間"でないことに留意されたい。


<COXの比例ハザードモデル>
 独立変数(説明変数):
  治療因子を含めた生存時間に影響を与える予後因子X=(X1+X2+...Xp)
 従属変数(被説明変数):
  生存時間

COXの比例ハザードモデルは重回帰分析であり、打ち切りデータを考慮する。
打ち切りデータとは、ある時点までの生存が確認されているが、その時点以降
の生存が不確定の場合のデータなどがこう呼ばれる。