行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず

自分が気になった記事や話題について、勝手に書き込んでいます。

『音楽不況のいま、なぜ過去最高益に? エイベックス決算から得られる教訓』を読んで・・・

2013-07-02 17:53:38 | 日記
岸博幸のクリエイティブ国富論【第233回】 2013年6月28日 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授] ダイヤモンド・オンライン

この記事を読んで、日本を衰退させていった原因を再確認させられた。

このCDが売れない時代にエイベックス・グループが、創業以来の最高益を達成したことがネット上などで話題になったという。

エイベックスの2013年3月期の決算は、売上高:前期比 15%増(増分170億円の内訳:映像事業が+138億円、マネジメント/ライブ事業が+75億円、音楽事業が-43億円)の1387億円、営業利益:前期比 14%増(増分17億円の内訳:映像が+38億円、マネジメント/ライブが+10億円、音楽事業の-31億円)の140億円と、ともに創業25年の歴史の中で過去最高を更新したのだそうだ。

何が過去最高益達成を導いたのか? ネット上では「音楽事業が落ち込む中で、映像事業の利益が大幅に増加して過去最高益達成の原動力になった」と説明されていたが、岸氏によれば「間違ってはいないものの、この説明では大事な本質が伝わらない。」と言っている。

エイベックスの音楽事業と映像事業は、本質的に事業内容が異なるのだと、岸氏は言っている。

エイベックスの音楽事業は、音楽というコンテンツを制作し「CD」として売る、ビジネスレイヤー構造上では、コンテンツ・レイヤーに属するが、エイベックスの映像事業は、ケータイ向け映像配信サービス“BeeTV”やNTTドコモの動画配信サービス“d ビデオ”の運営などが主で、映像制作といったコンテンツ・レイヤーとは異なり、プラットフォーム・レイヤーに属する。

現在のエイベックスが史上最高益を記録できたのは、会社のコア事業である音楽事業(コンテンツ・レイヤー)に加えて、映像事業(プラットフォーム・レイヤー)へと、事業の構造転換を戦略的かつ大胆に行なった結果なのだそうだ。

ここで重要なのは、松浦社長と千葉副社長の両経営トップが積極的にリスクを取る決断があったからこそ、エイベックスが大胆な構造転換に成功したという点だと、岸氏は強調している。その両トップが、エイベックスの社員に話す場に岸氏が遭遇して、以下のように言っていたという。

「BeeTVを始めるとき、ネット業界の多くの人から“絶対に失敗する”と言われた。でも自分たちはユーザが絶対に必要としていると確信していたし、ネット業界の常識なんて知らない非常識だったからやったし、できたんだ」

岸氏は、両トップとも、今は上場企業の社長、副社長という立場にいるが、東大などの一流大学を卒業している訳でもなく、経歴的にはエリートではない。しかし、その2人が常識や前例に囚われることなく、ユーザが欲しているものに取り組んだからこそ、エイベックスは事業構造の転換に成功した。それに比べ、巷の有名企業や政府の官庁はどうか。どこもトップは一流大学を卒業した世間的にはエリートと言われる人ばかりだが、エリートであるが故に常識や前例、更には既得権益といったしがらみに囚われて、現在の環境が変わっているのは明らかなのに、リスクを取ってビジネスモデルや政策を大胆に転換することができず、結果として企業の業績や政策の効果も、尻つぼみ状態になってしまっているのではないだろうか、また、そう考えると、一流大学を卒業して世間的にエリートと言われ続けてきた企業の経営陣や役所の幹部が、日本経済の復活を困難にしているようにも思えると言っている。

まさに、その通りだと思う! 日本の常識は、世界の非常識と言われる所以だ。 この雁字搦めな構造に縛られた日本を解放しなければ、ギリシャのように「破綻」は避けられないだろう。

やはり「官僚独裁政権」に任せてはおけないが・・・(ーー;)

コメントを投稿