被告人Xは、普通自動車で高速道路を制限速度を60K以上超えるスピードで走行していて、自動速度監視装置(RVS)によって写真撮影され検挙された。そこでXは、その写真には、同乗していた女性も写っていたこともあり、この取締方法は憲法13条の肖像権、プライバシーの侵害だけだなく、憲法14条、21条、31条、35条、37条の違反にあたるとして争って上告をした事件がある。
最高裁は次のように判示して上告を棄却した(最判昭和61年2月14日刑集40巻1号48頁)。
「速度違反車両の自動撮影を行う本件自動装置監視装置による運転者の容ぼうの写真撮影は、現に犯罪が行われている場合になされ、犯罪の性質、態様からいって緊急に証拠保全をする必要があり、その方法も一般的に許容される限度を超えない相当なものであるから、憲法13条に違反せず、また、右写真撮影の際、運転者の近くにいるため除外できない状況にある同乗者の容ぼうを撮影することになっても、憲法13条、21条に違反しないことは、当該裁判所昭和44年12月24日大法廷判決(刑集23巻12号1625頁)の趣旨に照らして明らかである」
「憲法14条、31条、35条、37条違反という点は、本件装置による速度違反車両の取締りは、所論のごとく、不当な差別をもたらし、違反者の防禦権を侵害しあるいは囮捜査に類似する不合理な捜査方法とは認められないから、所論はいずれも前提を欠き、適法な上告理由には当たらない。」
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