「そ言えばさ、最近JBが死んだじゃない」
「JBってジェームス・ブラウンのことですか?」
「そうそう。そのJBさ。」
「最近って言っても、3週間くらい前のことじゃないですか。」
「3週間前なら十分最近だよ。でな、オレがアフリカにいたときな、職場の上司にもいたんだよ、JBちゅうのが。」
「えっ、ジェームス・ブラウンっていう名前なんですか!」
「そ、ジェームス・ブラウン。」
「へー、どうしてJBなんですかね。」
「んー判らん。でもな、うちのJBはその後にワニャマってのが付くから。」
「ワニャマ?ワニャマって確か『動物』って意味ですよね?」
「そ、動物。いったい親は名に考えて名前付けるんだろね。でな、結構ヘンテコな名前のヤツがいるんだよ。」
「例えばどんなです?」
「ポピュラーなとこでは部族の名前かな。例えばキコ族出身なら、まんまキコだろ。あとマキューサはニャキューサ族出身とか。」
「へー、安直ですね。」
「もっと凄いのは、ガリとかジュマモシ、ジャマピリとかだな。ジュマモシ、ジャマピリは生まれた曜日だろう・・・まあ、子沢山だからいちいち考えるの面倒というのも判らんでは無いが、ガリはないだろガリは。自動車って名前の子は、一生親のこと恨むんじゃないか。それから、タンガウイジィーとかスカリとかいう名前も多かった。」
「タンガウイジィーにスカリですか。しょうがと砂糖・・・親は腹でも減ってましたかね?でも、何年か前、日本でも自分の子供に『悪魔』って名前付けようとした親がいましたモンね。」
「そだな、でも、名前って一生モンだからなぁ。親も良く良く考えないとダメだよな・・・後は『オマル』とかいう名前は日本人にはバカ受けだったな。」
「あははははは、でも日本人が教えなきゃあっちの連中には普通なんでしょう?」
「ああ、でも俺たちって親切だから、ちゃんと連中に『オマル』の意味は教えてやったのさ。君もあっちに行ったら、その辺ポイントだから、ちゃんとチェックしてきてくれよ。」
「・・・カイトウさん、一体何考えて、あっちに2年以上住んでたんですか?」