朝っぱらから Unasemaje ?

泣いて笑って時々怒った2年と3月のアフリカ暮らし。
「朝っぱらから Habari yako?」改題

名前

2007年02月03日 | 彼は今





「そ言えばさ、最近JBが死んだじゃない」
「JBってジェームス・ブラウンのことですか?」
「そうそう。そのJBさ。」
「最近って言っても、3週間くらい前のことじゃないですか。」
「3週間前なら十分最近だよ。でな、オレがアフリカにいたときな、職場の上司にもいたんだよ、JBちゅうのが。」
「えっ、ジェームス・ブラウンっていう名前なんですか!」
「そ、ジェームス・ブラウン。」
「へー、どうしてJBなんですかね。」
「んー判らん。でもな、うちのJBはその後にワニャマってのが付くから。」
「ワニャマ?ワニャマって確か『動物』って意味ですよね?」
「そ、動物。いったい親は名に考えて名前付けるんだろね。でな、結構ヘンテコな名前のヤツがいるんだよ。」
「例えばどんなです?」
「ポピュラーなとこでは部族の名前かな。例えばキコ族出身なら、まんまキコだろ。あとマキューサはニャキューサ族出身とか。」
「へー、安直ですね。」
「もっと凄いのは、ガリとかジュマモシ、ジャマピリとかだな。ジュマモシ、ジャマピリは生まれた曜日だろう・・・まあ、子沢山だからいちいち考えるの面倒というのも判らんでは無いが、ガリはないだろガリは。自動車って名前の子は、一生親のこと恨むんじゃないか。それから、タンガウイジィーとかスカリとかいう名前も多かった。」
「タンガウイジィーにスカリですか。しょうがと砂糖・・・親は腹でも減ってましたかね?でも、何年か前、日本でも自分の子供に『悪魔』って名前付けようとした親がいましたモンね。」
「そだな、でも、名前って一生モンだからなぁ。親も良く良く考えないとダメだよな・・・後は『オマル』とかいう名前は日本人にはバカ受けだったな。」
「あははははは、でも日本人が教えなきゃあっちの連中には普通なんでしょう?」
「ああ、でも俺たちって親切だから、ちゃんと連中に『オマル』の意味は教えてやったのさ。君もあっちに行ったら、その辺ポイントだから、ちゃんとチェックしてきてくれよ。」
「・・・カイトウさん、一体何考えて、あっちに2年以上住んでたんですか?」



彼は今 その4

2007年01月07日 | 彼は今

「年末年始の日本はクリスマスだ、正月だと言って慌しいですけど、あっちのこの時期ってのはどんな感じなんです?」
「そだな、前にも話たけど、あっちはキリストさんが5~6割位いるから、日本と違ってキチンとしたクリスマスだぞ。」
「きちんとしたクリスマス?」
「ああ、不埒な君達と違って、ひと月前くらいから賛美歌の練習するし、オンナ口説いてどうこうしようなんてのは無いね・・・いや、若干名そういうのはいたか」
「やだな先輩。オレそんなことやったことナいっすよ。」
「ほー、そうかい。そんじゃ去年のクリスマスに合コン仕込んで、さっさと仕事フケたのは誰かね?オマケにその日はビトンの袋もって来てたじゃないか。え?」
「良く観察してますね、オレのこと・・・」
「そりゃそうさ、業務管理上、部下の日常の些細な変化にも気を配るのは上司の役目だからな。でな、あっちの続きだがな、クリスマス当日はみんなおめかしして教会に行くんだよ。男の子達はツーピースや人民服。女の子達はピンクやブルーのドレスが多いな。」
「人民服って何ですか?アフリカの話ですよね?」
「ほら、あちらさん社会主義国だろ。お手本はソ連や中国だから人民服っぽいのが正装としてあるんだよ。ちなみにオレなんか作業服※で政権党の書記長に会ったぞ。」
「へー、書記長に会ったことあるんですか。凄いですね。」
「当たり前だろ君。ボカー天ちゃんとも会話したことのある人間だよ。」
「ハイハイ、判りました、尊敬してます。」
「まあ、判っててもらえば問題ないんだよ。でもな、教会行くのが朝早いんだよ。7時くらいから始まって10時には終わるんだもんな・・・お祈りに来るよう言われてたんだが、毎回寝坊してしまって一度もいったこと無いんだよな。で、お祈りの後はヤッパ宴よ。いつもはウガリばっかり喰ってるけど、この日は凄いよ。米が出るからね。しかも、ピラウやビリヤニだから美味いんだよ。それを見つけた子供達なんか、まるでダイブするみたいな勢いで群がるからね。」
「なんか死肉を見つけたハイエナのような表現ですねぇ。」
そか?そりゃ不適切で申し訳ない。でもな,ほんとご馳走なんだぜ。オマケにムシカキやカチュンバリだろ。ちょっと金持ちんとこはククも付くしな。」
「飲み物はどうです?」
「まあ、飲み物はいつも通り、コッテリ甘いチャイやサファリビールだな。オレ、差し入れにミルクとファンタ持ってたけど、子供達には大人気だったぞ。」
「七面鳥はないんですか?オレは食ったこと無いけど、よく七面鳥喰うって言うじゃないですか?」
「そうなんだよ。近所に金持ちのインド人が住んでてな、そこでは七面鳥を庭に放し飼いしてたんだけど、クリスマス終わったら全部で6匹いたのが4匹になってるんだよ。ありゃ、クリスマスに絞められたんだな、きっと。あっ、そうそう。賛美歌のテープ有るけど聞いてみるか?」

---カチャッ---

「相変わらず、バックにマリンバ従えてアロ、アロって言ってますね。」
「ああ、バンツーだからな。血がそうさせるんだろ・・・。」




※カイトウがアフリカに居た頃は、作業服も略式の正装風とされていた。
 今もそうかは知らない・・・。




彼は今(3)

2006年06月05日 | 彼は今

「あっちの長距離バスってさ、だいたい夕方出発して明け方目的地に付くのが多いんだよ。俺の乗ったバスもな、午後4時30分に発車だったな。」
「この写真がその時のっすか?」
「いや、これはお前、俺の顔もう真っ黒だろ…6ヵ月後くらいのだよ。そのときのは、こっちだよ。なっ、可愛い娘とどうでもいいのが2人一緒に写ってんだろ。」
「そおっすか?俺にはこっちの娘の方が可愛く見えますけどねぇ。」
「まあ、基本的には好みの問題も有るし…でも、こいつは性格悪いよ~。それに較べてこっちはケンブリッチ留学中の才女だよ。」
「そんなの何とでも言えますよ。第一先輩、今でも性格悪い彼女と交友あるじゃないですか?」
「そうなんだよ、性格悪いけど気持ちのさっぱりした女なんだよなぁ。って、そんなことどうでもいいだろ、君。」
「そっすね。で、そのバス旅行ではどんなことがあったんすか?」

「まず驚くのが、臭いだな…臭いよー、ホント。バス停の何処といわず其処といわずオレンジの食いかすは散らばってるし、大人も子供も男はみんな立ち小便だ。」
「公衆便所は無いんすか?」
「いや有るさ。でも、小便用はあったかなぁ?」
「記憶にないんですか?」
「きみぃ、郷に入れば郷に従えだろ。」
「なんだ、先輩もみんなと同じじゃないですか。」
「良いんだよ、そんな事は…」
「それよりな、俺が不思議に思うのは、どして飲み水もままならないような国に、ドイツの連中が水洗便所を作ったかだよ。そのおかげで、大の方はウンコが便器から溢れるほど山盛りだよ、お前。」
「汚い話になってきましたね。でも、汲み取りとか無いんすか?」
「わけないだろ。大体汲取ったて処理場が無いやね。まあ、ウンコの話はもうひとつあるから、それはそのうち話してやるよ。」
「あんまり嬉しく無いっすね。大体、バスに乗ってからの話になって無いじゃないっすか。」
「ああ、それは今度話してやるよ。」





彼は今 その2

2006年04月07日 | 彼は今
「でな、競馬場のレストランに行くとな、キリンのステーキが喰えるんだよ。」
「本当っすか?」
「あれ、お前信じないの、俺のこと?オーストラリアじゃ、ダチョウのステーキ食わせんだろ。同じだよ。」
「凄いっすね。」
「しかもお前、首のとこなんか輪切りだから・・・金太郎飴みたいなもんだな。」
「へー」
「そうだな、厚さは色々だけど2cmくらいかな、大人のキリンは直径30cm以上有るらしいけど、シナくてダメらしい。俺が食ったのは子供のキリンで15cmくらいだった。」
「で、美味いんですか?」
「そだな、やぎの肉みたいな味だぞ。」
「俺、やぎの肉なんか食ったこと無いっすよ。」
「あら、お前食通ぶってんのに、やぎの肉も食ったこと無いの?最高に高級なものから、最低なゲテモノまで食って、初めて美食家じゃないの?」
「そんなもん、日本じゃ食えないっすよ。」
「そうか、でもその辺食ってからじゃないと、ケニア旅行の楽しみ半減だな・・・」

その後、彼はやぎの肉を食わせる店を探して食したらしいのだが・・・
キリンなんか食わせたら、国連野生動物○○とか、ワシントン××とかに引っかかるんじゃないの・・・実は、俺も食ってみたいとは思ってんだけどね。






彼は今1

2006年03月28日 | 彼は今
「ケニアはほら、イギリスの植民地だったろう。だから、競馬とかも有るんだぜ。」
「へー、そうなんすか。」
「ああ、それでな第8レースはシマウマのレースなんよ。」
「まじっすか!観てみたいなー」
「今なら、30~40万で行って帰れるんじゃないか?金溜めて行ってこいよ。」
「大穴当てたりしたら現物支給で,ゾウとかキリンとか出たら笑ちゃいますね。」
「そうだそうだ。ホントにそんなの出たら笑ちゃうな。アハハハハ・・・」



でもお前
・・・いくらアフリカでもシマウマのレースは無いだろ・・・