我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針が、平成18年6月16日に自由民主党政務調査会観光特別委員会・カジノ・エンターテイメント検討小委員会から提出されています。内容を記載しますね。
基本方針では、当初は2~3カ所に導入し、将来的には10カ所に拡大し、老若男女を問わず家族でも楽しむことができるテーマパーク、劇場、シネマコンプレックス、ショッピング・グルメモール、スポーツ施設、国際会議場、ホテルなどにカジノを含んだ複合施設として建設を進める予定です。
来年の通常国会までに議員立法により、「カジノ・ゲーミング法案(仮称)」の提出、2011年度にも国内初のカジノ施設の実現を目指しています。
これから何回かに分けて掲載していきます。
1.はじめに
*カジノ・エンターテイメントとは
●カジノ・エンターテイメントは、老若男女を問わず家族でも楽しむことができるテーマパーク、劇場、シネマコンプレックス、ショッピング・グルメモール、スポーツ施設、国際会議場、ホテルなどにカジノを含んだ複合施設であり、米国ラスベガスをモデルとし現在世界各地で導入が進められているものである。
●カジノは、我が国では刑法により明治期から現在まで一貫して非合法な「賭博」として禁止されているが、近年米国をはじめ先進諸国では、罪悪とされるのはカジノにより「不正を行ったりのめりこむこと」であり、カジノ自体は適正な管理の下で施行される限りは「楽しみや気晴らし」というエンターテイメントのひとつとして捉えられていることから、カジノに「勝ちに来る」よりも「楽しい雰囲気の中で時間を過ごす」ことを目的に訪れる訪問客が増えている。
また、カジノを非合法化するとむしろ多大な収益が裏社会に注ぎ込まれる恐れがあるという考え方から、カジノを国家の厳格な規制監視及び管理下に置くことを前提に合法化し、施行に伴う経済的社会的メリットを肯定的に捉え社会に還元する考え方がとられている。
●グローバル化と価値観の多様化が進む中で先進諸国は、既存の観光資源のみならず来訪する国際観光旅客の多様なニーズに応える新たな観光資源の開発、都市・地域の活性化などを通じ訪問先としての国の魅力を高めることを政策課題として重視しており、観光における国際競争は激しさを増している。
この世界的潮流の中で多数の観光客、ビジネス客を惹きつけているカジノ・エンターテイメント施設は国際観光におけるグローバル・スタンダードになりつつあり、現在カジノを合法化している国は、我が国を除くG8各国をはじめすでに120カ国を超えている。
特にアジアにおいては、近年シンガポールがそのために長年の政策を転換しカジノ合法化を図り、中国においても上海でカジノ・エンターテイメント施設設置を検討するなど国の明確な意思の下に国際観光旅客の取り込みが行われている。
また、従来からカジノが合法化されていたマカオにおいても近代的なエンターテイメント施設が併設され今や米国ラスベガスに匹敵する規模の家族でも楽しめる観光都市に変化しつつある。
*地域振興と国際観光振興に資するカジノ・エンターテイメント
●我が国では海外旅行者数と訪日外国人観光客数に約3倍の開きがあることから平成14年より「世界に開かれた観光大国」を目指し、政府を挙げて外国人旅行者訪日促進戦略を進めており、2010年までに1000万人の訪日外国人誘致を実現するために様々な政策を検討し実施している。
●我が国が有する歴史、伝統、文化に代表される大変魅力的な観光資源と、それを支える四季折々移ろう自然環境の豊かさ美しさは、世界的にも高い評価を受けており、外国人観光客が我が国を訪れる際の大きな目的となっている。
今後の我が国の観光振興策も、現在有する豊かな観光資源を活用することを軸にすべきであるが、同時に近年増加しているグローバルに周遊するビジネス客を含めた国際観光旅客と生活スタイルが大きく変わった国民の価値観とニーズの多様化にも対応する新たな観光資源の開発が求められる。
●世界各地、特にアジア地域に,おいては所得の増加と余暇の拡大に伴い国境、地域を越える国際観光旅客が急増しており、各国はより多くの訪問客を獲得するために魅力づくりを競い合っている状況である。その中で、既存の観光資源を活用しつつも国際観光旅客の多様化に応える新たな資源として家族で楽しめるカジノ・エンターテイメント施設が注目されている。
●我が国はこれまでカジノ・エンターテイメントに関し政策課題として検討することがなかったが、米国をはじめ先進諸国では、国家がカジノを厳格な規制・管理の下に置くことでカジノ・エンターテイメントが生み出す経済的社会的メリットがデメリットを総合的に上回ることが証明されており、その収益は教育、福祉、街づくりなどの新たな財源として用いられ、また、多くの雇用も生み出している。
●カジノ・エンターテイメントは、それを構成するガジノの収益と他の施設の一体運営により高品質のショー・エンターテイメントをはじめ飲食、宿泊を安価で来訪客に提供することができる。カジノ・エンターテイメントにおける安価なサービスの提供は訪問客にとって大きな魅力であり、このことからカジノはエンターテイメント産業全体の振興に極めて有用な中核施設である。
●カジノ・エンターテイメントは国際観光振興策としての観光資源であるだけでなく、経済波及効果、収益を用いた新たな財源、周辺地域の税収増・雇用増などをもたらすことから内国人向けの施設としても有効であり、また新たなエンターテイメント産業の創出にも大きく寄与することから、我が国においでも海外の成功事例を参考に一層検討を進め、数年以内の導入実現を図るべきである。
●我が国にカジノ・エンターテイメントを導入する際には、これまで非合法とされていたカジノを国家の厳格な規制監視及び管理下に置くことで合法化する仕組みをつくることが不可欠であり、そのために新たな法律の制定が必要とされる。
●カジノ・エンターテイメント検討小委員会では、先進諸国の事例を比較検討するとともに、関係府省庁とのヒアリングを通して我が国により適した法制度の検討を行った結果、今後の法案作成作業の基本となる考え方として「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」をまとめた。
●本年、日本経団連においてもエンターテイメント産業振興の観点からカジノ合法化が提案されたところであり、今後、党における法案作成作業と平行して経済界をはじめ地方自治体、民間団体等と幅広く連携しカジノ・エンターテイメント導入のための国民世論づくりに努めることとする。
基本方針では、当初は2~3カ所に導入し、将来的には10カ所に拡大し、老若男女を問わず家族でも楽しむことができるテーマパーク、劇場、シネマコンプレックス、ショッピング・グルメモール、スポーツ施設、国際会議場、ホテルなどにカジノを含んだ複合施設として建設を進める予定です。
来年の通常国会までに議員立法により、「カジノ・ゲーミング法案(仮称)」の提出、2011年度にも国内初のカジノ施設の実現を目指しています。
これから何回かに分けて掲載していきます。
1.はじめに
*カジノ・エンターテイメントとは
●カジノ・エンターテイメントは、老若男女を問わず家族でも楽しむことができるテーマパーク、劇場、シネマコンプレックス、ショッピング・グルメモール、スポーツ施設、国際会議場、ホテルなどにカジノを含んだ複合施設であり、米国ラスベガスをモデルとし現在世界各地で導入が進められているものである。
●カジノは、我が国では刑法により明治期から現在まで一貫して非合法な「賭博」として禁止されているが、近年米国をはじめ先進諸国では、罪悪とされるのはカジノにより「不正を行ったりのめりこむこと」であり、カジノ自体は適正な管理の下で施行される限りは「楽しみや気晴らし」というエンターテイメントのひとつとして捉えられていることから、カジノに「勝ちに来る」よりも「楽しい雰囲気の中で時間を過ごす」ことを目的に訪れる訪問客が増えている。
また、カジノを非合法化するとむしろ多大な収益が裏社会に注ぎ込まれる恐れがあるという考え方から、カジノを国家の厳格な規制監視及び管理下に置くことを前提に合法化し、施行に伴う経済的社会的メリットを肯定的に捉え社会に還元する考え方がとられている。
●グローバル化と価値観の多様化が進む中で先進諸国は、既存の観光資源のみならず来訪する国際観光旅客の多様なニーズに応える新たな観光資源の開発、都市・地域の活性化などを通じ訪問先としての国の魅力を高めることを政策課題として重視しており、観光における国際競争は激しさを増している。
この世界的潮流の中で多数の観光客、ビジネス客を惹きつけているカジノ・エンターテイメント施設は国際観光におけるグローバル・スタンダードになりつつあり、現在カジノを合法化している国は、我が国を除くG8各国をはじめすでに120カ国を超えている。
特にアジアにおいては、近年シンガポールがそのために長年の政策を転換しカジノ合法化を図り、中国においても上海でカジノ・エンターテイメント施設設置を検討するなど国の明確な意思の下に国際観光旅客の取り込みが行われている。
また、従来からカジノが合法化されていたマカオにおいても近代的なエンターテイメント施設が併設され今や米国ラスベガスに匹敵する規模の家族でも楽しめる観光都市に変化しつつある。
*地域振興と国際観光振興に資するカジノ・エンターテイメント
●我が国では海外旅行者数と訪日外国人観光客数に約3倍の開きがあることから平成14年より「世界に開かれた観光大国」を目指し、政府を挙げて外国人旅行者訪日促進戦略を進めており、2010年までに1000万人の訪日外国人誘致を実現するために様々な政策を検討し実施している。
●我が国が有する歴史、伝統、文化に代表される大変魅力的な観光資源と、それを支える四季折々移ろう自然環境の豊かさ美しさは、世界的にも高い評価を受けており、外国人観光客が我が国を訪れる際の大きな目的となっている。
今後の我が国の観光振興策も、現在有する豊かな観光資源を活用することを軸にすべきであるが、同時に近年増加しているグローバルに周遊するビジネス客を含めた国際観光旅客と生活スタイルが大きく変わった国民の価値観とニーズの多様化にも対応する新たな観光資源の開発が求められる。
●世界各地、特にアジア地域に,おいては所得の増加と余暇の拡大に伴い国境、地域を越える国際観光旅客が急増しており、各国はより多くの訪問客を獲得するために魅力づくりを競い合っている状況である。その中で、既存の観光資源を活用しつつも国際観光旅客の多様化に応える新たな資源として家族で楽しめるカジノ・エンターテイメント施設が注目されている。
●我が国はこれまでカジノ・エンターテイメントに関し政策課題として検討することがなかったが、米国をはじめ先進諸国では、国家がカジノを厳格な規制・管理の下に置くことでカジノ・エンターテイメントが生み出す経済的社会的メリットがデメリットを総合的に上回ることが証明されており、その収益は教育、福祉、街づくりなどの新たな財源として用いられ、また、多くの雇用も生み出している。
●カジノ・エンターテイメントは、それを構成するガジノの収益と他の施設の一体運営により高品質のショー・エンターテイメントをはじめ飲食、宿泊を安価で来訪客に提供することができる。カジノ・エンターテイメントにおける安価なサービスの提供は訪問客にとって大きな魅力であり、このことからカジノはエンターテイメント産業全体の振興に極めて有用な中核施設である。
●カジノ・エンターテイメントは国際観光振興策としての観光資源であるだけでなく、経済波及効果、収益を用いた新たな財源、周辺地域の税収増・雇用増などをもたらすことから内国人向けの施設としても有効であり、また新たなエンターテイメント産業の創出にも大きく寄与することから、我が国においでも海外の成功事例を参考に一層検討を進め、数年以内の導入実現を図るべきである。
●我が国にカジノ・エンターテイメントを導入する際には、これまで非合法とされていたカジノを国家の厳格な規制監視及び管理下に置くことで合法化する仕組みをつくることが不可欠であり、そのために新たな法律の制定が必要とされる。
●カジノ・エンターテイメント検討小委員会では、先進諸国の事例を比較検討するとともに、関係府省庁とのヒアリングを通して我が国により適した法制度の検討を行った結果、今後の法案作成作業の基本となる考え方として「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」をまとめた。
●本年、日本経団連においてもエンターテイメント産業振興の観点からカジノ合法化が提案されたところであり、今後、党における法案作成作業と平行して経済界をはじめ地方自治体、民間団体等と幅広く連携しカジノ・エンターテイメント導入のための国民世論づくりに努めることとする。