Curtis Creek Manifesto ~Vol.2

九州を中心としたFLY Fishingと外遊び全般。
永遠のCurtis Creekを求めて彷徨い続ける軌跡。

脱兎のごとく

2013-09-07 | ヤマメ



また次回ね・・・

大増水の秋ヤマメ探訪2013.9.5

2013-09-05 | ヤマメ

すでに空気には秋のにおいが漂う。禁漁まで26日。

 この2週間、台風の影響で九州は週末ごとに大雨に見舞われた。
それまで渇水が続いていた渓に潤いが戻るのは良いのだが、
降水量があまりにも多すぎた。しかし2週間もロッドを振ることなく
過ごすには、FLYジャンキーの私にはつらい。あきらかに禁断症状が
出ていた。注意散漫、意識朦朧、夢遊病、独り言...。これはやばい。

 雨が上がった二日目。いろんな言い訳を並べて、イブニングの少しの
時間に川に向かった。川はまだ水位が高くドライフライには厳しい状態。
ドカンとヘビーウェイテッドニンフを転がした。




 大増水の中、ハーズイアーニンフをくわえてくれた尺を超えた一尾。
禁断症状が少々改善した。すでに頭の中は、明後日の椎葉村釣行に思いを馳せる。




グラスホッパーインパクト

2013-08-20 | ヤマメ

33cmの銀の延棒。完璧な魚体の一尾。

 猛暑が続く今年の夏。水生昆虫のハッチは極端に少なくなっている。
釣れたヤマメのストマックを確認すると小さなニンフが数量しか入っていないことがある。
しかし源流のヤマメがペアリングに入っているように、確実に季節は秋に移ろいでいる。
そんな中、大型のヤマメは、栄養を蓄え産卵期に備えるため食欲は盛んになっている。
白泡の下に潜む大型ヤマメに、このグラスホッパーは強烈にアピールする力を持っている。

 

そして今日もグラスホッパーは、素晴らしい33cmのヤマメを引きずり出した。




 もう暫くすると、ヤマメの魚体にも婚姻色が現れてくるだろう。今日の一尾に出会えたことに感謝した。



 夏空の下、稲は青く伸びていた。もうすぐ涼しい風が吹き始める。


 

夏休み最後の尺ヤマメ2013.8.18

2013-08-18 | ヤマメ


 今日で夏休みも終わり。日曜日の午後3時、明日からの仕事を思うと
憂鬱の沼に沈みそうになった。とてもサザエさんのエンディング曲を
聴く気分にはなれなかった。急いで釣り支度を整え、渓へと急いだ。

 何か気持ちのスイッチを切り替えるために、今日は#14のグラスホッパーに
反応してくれるヤマメと出会いたかった。グリーンのグラスホッパーを
4番ロッドで思いっきり投射し、流れに乗せる。モコッとヤマメが咥える。
そんなことを妄想しながらアクセルを踏んだ。



 そんな妄想が今日は現実になった。流れの向こう側の岩スレスレにグラスホッパーを
トレースした。するとフッと黒い大きな影が浮上したと思ったら、毛鉤を追い食いし、
流れの肩の部分で水面が炸裂した。尺ヤマメがガッチリと毛鉤を咥えていた。出来すぎだ。



 その後、8寸強のヤマメも追加。もう充分だ。完全に気持ちのスイッチが
入れ替わった。今日も渓とヤマメに感謝した。

 帰りの峠道。あと4日で満月になる月が、白く輝いていた。八重さんに間に合いそうだ。




夏の尺ヤマメ探訪2013.8.15

2013-08-15 | ヤマメ

31cmの野性味溢れる一尾。すでに産卵床を掘った名残があった。

 フッキングした瞬間、足もとの沈み十字ブロックの下に潜り込まれた。
4番のグラスロッドがバットから弧を描く。5Xのティペットがブロックの角に擦れて
悲鳴を上げている。心臓に悪る過ぎるシチュエーションだ。

 「耐えろっ」と釣友の村山さんの声が渓に響き渡った。数回に渡る強烈な引き込みに、
グラスロッド特有の粘りで耐えに耐える。しかし次は水中に沈んだ倒木に絡もうとする。
このトルクフルな突っ込みをどうにかいなし、やっとの思いで川底から引きずり出した。
そこからは一気に、その大きな魚体をランディングネットで掬い上げた。

 大きな息を吐き出し、天を仰いだ。頭上には真夏の積乱雲が立ち登っていた。

 

 今日は、宮崎県北部を流れる五ヶ瀬川支流を探訪した。
本流は、鮎釣り師が流れの深みまで立ち込む姿が多く見られた。
支流では、今日同行させて頂いた村山さんと、テンポ良く釣り上がった。
二人とも8寸クラスのヤマメがロッドを曲げてくれた。真夏の炎天下の釣りとしては上出来だ。


 村山さんが釣り上げた金色に輝く美形ヤマメ。的確にポイントにフライを投射して誘い出した一尾。


 美しい渓と水の色に気持ちも華やぐ。
 

 この尺ヤマメは、7月後半に見つけた一尾。橋の上から村山さんにヤマメの
動きを教えてもらいながら、ヘビーウエイトのアウトリガーニンフで一時間
粘った成果。まさに二人で釣った一尾と言える。一生忘れることのない夏休みとなった。
今日も釣友と渓とヤマメに感謝した。





 
  
 




~涼を求めて ソロキャンプ~

2013-08-14 | 外遊び

清流のほとりにテントを張った。

 うだるような猛暑を避けるように、またこの場所を訪れた。
気温20度。爽やかな川風が吹き抜ける。猛暑とは全く無縁のお気に入りの場所だ。

 その至福の時間を堪能するため、今日はまったりソロキャンプと決め込んだ。
ゆっくりとした時間が流れる中、外界とまったく遮断された空間で、
何もしない時間を堪能する。こんな時間があるからこそ、日常の生活がまっとうに
やっていけるというものだ。すべての煩わしい問題もここにいれば、「どこ吹く風」。



MOSSの12フィートのパラウィングタープを張った。今夜は、この下でオールネットのテントで休もう。


目の前の広葉樹の枝ぶりの見事なこと。


静かに夜の帳が下りていく。


朝一、ネッティングテントのベンタナの中から川面を見ると
辺りはうっすらと朝もやに覆われていた。もう少し寝かせてもらおう。
寝坊という言葉は、この空間にはなかった。





≪今回の一人ご飯≫

和牛ロースを、ダッヂオーブンのふたを裏返し、フライパン代わりにして火を通す。
火を落としても冷めにくいところが素晴らしい。


二品目。しいたけに塩胡椒とマヨネを。


三品目。アンチョビを混ぜたペペロンチーノ。ビールにぴったり。







~涼を求めて~

2013-08-12 | ヤマメ


 涼を求め、お気に入りの渓に野遊びに出掛けた。
街の猛暑とは別世界。気温21度。車で川の中まで入り、
はだしで流れの中に。水温は12度。アブもモスキートもいない。
これは凄く大事なこと。それとメジャーな場所ではなく、
喧騒とは無縁なこと。せっかくの夏休み。すべての時間を
満喫したい。クーラーが効いた部屋で釣りビジョンを観て
過ごすのも悪くはないが、今日は本を持ってここにいよう。
爽やかな川風に吹かれながら、日ごろの疲れを芯まで溶かした。



夏ヤマメ探訪2013.8.11

2013-08-11 | ヤマメ


 夏ヤマメに会うために、今日は宮崎県の椎葉村の渓を探訪した。
真夏の九州の下界は気温35度を超えている。干上がる前に涼を求め、
街を脱出するように、今日もいつもの渓を目指した。




 今日は、夏休みに相応しい、素晴らしい発見があった。
いつもは大きな滝の手前で納竿するのだが、今日は何かに
背中を押されるように、三つの大きな滝を越えた。



 それまでは、釣り人のプレッシャーなのか、シビアな場所にいたヤマメが、
滝上では、すべてのヤマメが瀬尻に定位し、私のどんなフライにも水面を
割って飛び出した。それもアベレージは8寸ほど。いつ尺ヤマメが出ても
おかしくない雰囲気に満ち溢れていた。そして一尾一尾との出会いに心癒された。



 惜しくも尺ヤマメをランディングすることは出来なったが、釣友の
樋口さんと私に、尺ヤマメとの遭遇のチャンスはあった。9月に入ったら再びこの渓を
訪ねることにしよう。きっと丸々肥えた尺ヤマメを眺めることが出来るだろう。



 丸々12時間もの釣りを終え、やりきった満足感に満たされた。
真夏の一日にふさわしい釣行だった。どこかで遠雷がなっていた。
今日も釣友と渓とヤマメに感謝した。


良型のこの一尾を飽くことなく眺め続けた。


珍客が絶好のポイントの前に鎮座していた。フライを飲み込まれないよう
珍客に道を譲った。
















ヤマメ探訪2013.7.28(椎葉村)

2013-07-28 | ヤマメ

源流に棲む精悍な面構えをした紅ヤマメ

 宮崎県椎葉村の支流の支流への源流釣行。早朝5時半。
渓への入り口に車を止め、夜明けを待った。涼しく湿気を含んだ
心地よい風が谷間に流れている。ガタパウトチュアに座り、
釣友の樋口さんとこれから向かう源流の美形ヤマメに思いを
馳せながらの談笑。あたりは草いきれがしていた。




 昨年の丁度今頃、この渓の良型で銅褐色の美しい紅ヤマメの
虜になった。源流に住むヤマメらしい精悍な顔付き。何もかも
完璧だった。



 ところがである。今日は、数は出るものの20センチ程のベイビーばかり。
どうやら砂地の真新しい足跡を見ると、前日の土曜日に数名が入渓した
プレッシャーのようだ。長い時間、辛抱の釣りが続いた。



 流程の中程を過ぎた時、流れが大岩にぶつかるヨレの下で
良型を見つけた。一投目で樋口さんが釣り上げた。そのヤマメは
パーマークがまん丸の美しい一尾。安堵の表情が二人に浮かんだ。



 そして私にもささやかな幸運が。小さなプールの巻き返しでトップ画像の
良型の紅ヤマメがロッドを絞り込んだ。何かがことりと音をたてた。
今日も渓とヤマメと釣友に感謝した。


源流尺ヤマメ

2013-07-27 | ヤマメ
IMGP2420


源流の尺ヤマメ。感謝の気持ちを込めて優しくリリースします。
明日はまた、桃源郷を求め椎葉村の源流に。
いくつになっても釣行前夜は、心高ぶるものです。
川の神に明日の安全と幸運を祈願します。

夏ヤマメ探訪2013.7.24

2013-07-24 | ヤマメ

30.5cmの夏ヤマメ

 真夏の九州。さすがにヤマメも早朝かイブニングにしか良型は
なかなか顔を出してくれない。今日は、午後の5時に自宅から約1時間ほどの
川でロッドを振った。




 日がかげると、これまで生命感がまったくなかった水面が騒がしくなる。
こんな堰堤下のプールのど真ん中ににグラスホッパーを投射する。すかさずドバッと水面を割って
大ヤマメが飛び出してくれると最高なんだが。



 現実はなかなかそうはいかず、ど真ん中は沈黙。今日は、右岸の流れのヨレに
グラスホッパーを流し、岸ぎりぎりをトレースした。底石が入ったいかにもという
ポイントで、この尺ヤマメはゆっくりと「モフッ」とホッパーを食い押さえた。
激しいローリングでロッドを絞り込む。全ての苦労が報われた瞬間だ。
胸の鼓動が脳天を突き抜けた。




 今日は、グラスホッパーとコガネムシのフライが大活躍。



 泣き尺も追加して出来すぎのイブニング。



 また一週間、心の糧を頂きました。この渓と夏ヤマメに感謝した。

 



夏ヤマメ探訪2013.7.21

2013-07-21 | ヤマメ


 真夏の九州。涼とヤマメを求め小さな渓をさまよった。
この時期は一里一匹というほど、ヤマメに出会うことは難しい。
しかし、この渓は、真夏でもヤマメが気前良く遊んでくれる癒しの渓だ。
今日もポイントというポイントの全てから、丸々としたべっぴんヤマメが
顔を出してくれた。良型は出会いがしらに会えればおんのじ。
それ以上は贅沢な望みというものだ。



 よく肥えたヤマメ。今日は、瀬頭に良型は付いていた。
 

 渓も水も森もすべてがパーフェクト。


 森にはネムの木の花が咲き誇っていた。


 真夏日にも拘わらず、ヤマメの活性は非常に高く、一つのフライに
二匹同時に飛び出したり、一度食べ損ねたフライを二度食いするなど、猛暑の九州の川とは
思えないコンディションだった。一日中、全く飽きることなく釣り上がった。


 肌つやが麗しいこの渓の一尾。また涼を求め来月、この渓を訪れよう。


 

ヤマメ探訪2013.7.15

2013-07-15 | ヤマメ


 今日は一路、熊本県の川辺川上流域を目指した。
下界は、30度をこす真夏日が続いている。日差しが強く、水面の照り返しが
容赦ない。しかし川辺川の川風は爽やかで、水質は素晴らしく、自然とテンションもあがる。
もちろんライズはなく、流れのヨレにテレストリアルをトレースしていく。

 

 午前9時。大きめのプールで銅褐色をした良型の一尾を見つけた。
しばらく様子を伺う。どうやらプールの決まったコースをクルージング
しながら、気まぐれに流下物を啄ばんでいるようだ。そこからが長かった。
まず、クルージングするコースで射程範囲に入るまでが長い。加えて
かなりの神経質。不用意にフライラインを落とし間違えると、ロケットダッシュで
底に沈んでしまう。時間をあける。やっと姿を現した。今度は、うまくテレストリアルを
投射できても、ゆっくり近づき注意深く観察し、気に入らないのか「プイッ」とUターン。
しびれます。何だかんで3時間。最後は、#20の半沈みパラシュートをやっと啄ばんで
くれた。すべての景色が色づいた。





 そして今日は、もうひとつ嬉しいことが。
昨年の大水害で、壊滅的な被害を受けた「下梶原川」に立ち寄った。
まだ被害の爪あとが残るものの、水質、水量ともに素晴らしい。
あとは、元気なヤマメが泳いでくれていたら何も言うことはない。
いつもの橋の横から釣りあがった。すると流れのいたるところから美しい
下梶原川のヤマメが飛び出した。大きななんて関係ない。昨年の大水害の
中、生き延びたヤマメたちに畏敬の念を持った。




 しばらく梶原詣でが続きそうだ。イブニングは次回に持ち越そう。


 トンネルを抜けると大通峠は夕焼けに染まっていた。






ヤマメ探訪2013.7.13

2013-07-13 | ヤマメ


 色白で艶かしく、美しいヤマメに出会うためにとある源流を探訪した。
梅雨明けから五日目。水位も程よく落ち着き、ヤマメの活性も高い
ことだろう。今日も釣友の樋口さんとご一緒させて頂いた。

 この渓のヤマメは、無斑ヤマメのようにパーマークが薄く、ドットも
殆ど無い。肌つやが良く、渓の白磁のような存在だ。
これまでの釣行で、実績のあるプール。倒木にフライラインをのせ、
毛鉤がぶら下がるように、そっと毛鉤を投射した。このべっぴんさんは
スローモーションのようにゆっくりと浮上し、「ヌルン」と毛鉤を
咥えこんだ。ヒグラシの音が渓に響いた。



 梅雨により溜め込んだ水をゆっくりと山が濾過し、あちこちで滴っていた。










 今日も釣友と渓に感謝し、明日からの糧を頂いた。




イワナ探訪2013.7.7

2013-07-07 | ヤマメ


 関東地方は梅雨明けし、猛暑日を告げるニュースが届いた。
しかし、ここ九州は、まだ梅雨模様の天気が続いている。
本命の渓は、濁りと増水で釣行を断念せざるを得なかった。
それではと、ちょっとの雨では濁らない渓を目指した。
その渓には美しいイワナが棲んでいる。元来、九州にはイワナは生息していないのだが、
数箇所の河川に移植され、綿々と血脈を繋いでいる。
その是非はここでは問わないが、私にとってはイワナは特別の存在なのである。
年に数回は、イワナの顔を見たくなる。



 今日は、雨が降ったり止んだりと、渓の活性を上げるには申し分ないのだが、先行者あり。
この状態では、竿抜けするポイントを狙い撃ちするしかなかった。



 雨に打たれ、水面に落ちたテレストリアルを意識し、こんなパターンで釣り上がる。



 けっして大きなサイズではなかったが、ヌルンと岩のぶっつけで私の毛鉤を咥えてくれた
イワナに癒された。そしてイワナとイワナを育む渓に感謝した。