端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

馬威駆乗りK

2012-05-10 00:00:00 | BASARA
政宗様が妙にすっきりした表情で帰ってきた。
何かありましたか?と訊ねるも。
いつものように「ちょっとな」で終わってしまう。
こちらの身にもなって頂きたい。
献立が変わるんですから!!

Right eye of Dragon の場合

いいことがあったのは間違いない。
斯様に上機嫌だったのは、いつ以来だ?
文化祭以降、やけに大学へ行くのが楽しそうであるし。
携帯電話を使っている光景をよくみる。
ま、まさかっ!!
その可能性に気付いて、胸を押さえる。
携帯電話を取り出し、短縮ボタンでコール。

「……もしもし、本日お休みを頂きたく。
 ええ、家族に病気の者が出まして、その看病を」

そう、政宗様は病気だ。
恋の病という病気に違いない。
どこのどいつだ、政宗様に近付いている女狐は…。
この小十郎、必ずや正体を暴いてみせましょう。
まずは、職業から聞こうか。
スーツからジーンズに履き変えて、グローブをはめる。
待っていやがれ、毒虫め。

「……っ!! しまったああああああああ!!!」

ガレージにぽっかり空いたスペース。
そこには、愛用のスクーターが納まっているべきなのだが。
忘れていた。

「車検に出したんだった…」

帰ってくるのは、確か明後日だ。
だがしかし、悠長に待っているわけにはいかなかった。
今まさに、政宗様がどこぞの馬の骨にたぶらかされているのだ。

「電車?いや、最寄り駅を知らねぇ」

スケボー?何の冗談だ。
歩き?論外だ。
自転車なぞ持っていないし…。

「あ……」

そうだ、こいつがあったじゃないか。
躊躇いなく「ソレ」に手をかけた。
待っていていてください、政宗様。
必ずやその病、治してみせましょう。

「Ready!!!」

社会人・片倉小十郎。
一輪車に跨り。
猛スピードで、一路、政宗の通う大学へ。

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政宗が絡むとぶっ壊れるのが馬威駆乗りシリーズの小十郎。
本人は真剣なんです。

この一輪車は第一話で出てきたそれです。
政宗に及びませんが相当速いです。
すごい形相で乗ってるんだろうなぁ。

> こちらの身にもなって頂きたい。
> 献立が変わるんですから!!

お赤飯を炊くかどうか。
ここら辺が主夫です、小十郎。

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