端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

H.A.P.P.Y.

2014-11-21 00:00:00 | 黒子のバスケ
自分の誕生日は中途半端な時期だと思う。
ハロウィンで一回盛り上がり。
その次はクリスマス、そのあとは正月。
イベントごとが立て込む年末で唯一何もないのが11月だ。
勤労感謝の日があるけど、俺の中であまり重要とは思ってはいない。
つくづく谷間の月である。
あるのは、期末考査へのプレッシャーだけだ。
楽しいイベント寄っておいで。

「高尾、マシュマロパーティーをするぞ」

緑間さん?
何を言いだしちゃったの?

Happy Anniversary Pop Party Year

「そのマシュマロはぁ…まあ、あれだろ」
「ラッキーアイテムなのだよ」

想定通りの回答に一安心。
この安定感は値千金の価値がある。
ふう、とため息ひとつ。
マシュマロの入ったビニール袋を見つめて。
緑間の思いつきを最後まで聞こうと思う。

「んで?マシュマロパーティ?」
「ホワイトデーの余りがハロウィンに回ってきてな。
 大量に手元にあるところへ今日のラッキーアイテムだ。
 これは、お前の誕生日をマシュマロパーティーで祝えという啓示なのだよ」
「え、俺の誕生日覚えてたの?」
「当然だ」

そうか、俺の誕生日覚えてくれたのか。
にやつく顔を抑えつつ、緑間の持っているマシュマロをまじまじと見る。
白に黄色にピンクに、茶色。
マーブルに、ん?青?

「合成着色料が怖い色味があるよ、真ちゃん」
「大丈夫だ、天然自然食品なのだよ」
「いや、絶対それ騙されてるって」

だってこれ真っ青だぜ?
天然でこの色は出ないでしょう。

「お前は蒼いバラを否定するのか」
「それとは違うよね?」

論点がズレてきた。
話を戻そう、うん、緑間は俺を祝うつもりで来てくれたのだ。
喧嘩を売ってどうする。

「まあ、いいや。
 マシュマロ食って祝ってくれんだろ?」
「うむ」
「どうやって食うの?」
「……おしるこに溶かして」

そこでなんで『おしるこ』なんだよ。
祝ってくれようとしてるのは伝わるんだけど。
ちょっとイマイチだな、真ちゃん。
マシュマロを一個手に取って、緑間に突きだす。

「くまちゃんが溶けちゃうけど、いいの?」
「お前、クマ、好きだったか?」
「動物の形してるとなんか可哀想じゃない?」
「ただのマシュマロだろう」
「まあね?」

すいっと唇を撫でるようにマシュマロを移動させる。
意識的に上目使い、誘うように耳元に囁く。

「俺的には、真ちゃんが溶けるとこが見た―…」
「たーかーおー!」

俺の肩を思いっきり突き飛ばして。
緑間は怒っている風な声を出す。
あーぁ、だめだよ、真ちゃん。

「……顔真っ赤だよ?」

☆☆☆

「緑間、口開けて」
「こ、ことわるっ!!」

涙目で言われても、劣情を煽るだけってなんで分からないんだろうね。
こうなるともう、真ちゃんが可愛くて可愛くて。
学校からキスをしたくてたまらなくなって。
自室に連れ込んで扉を閉めるのももどかしく。
逃げ道塞いで、唇も塞いで、頭を掻き抱いて。
最初は押し付けるようなキスをしていたけれど。
噛みつくようなキスに変わって…。
いや、本当に『噛んだ』

「くちがいたいのだよ!きれた!」
「口開けねえからだろー、そしたら噛むしかないじゃん」
「なぜ、そうなる!」

体が熱い。
上着を脱いで腕を捲る。
獲物を狙う目、試合中、たまにそう言われるけど。
今まさにそれになっていると思う。
緑間の舌が欲しい、それ以上も欲しい。
けれど、それを望むには俺は少し度胸が足りない。
最後には大事なエース様を裏切ることが出来ないでいた。

「言ったじゃん、真ちゃんが溶けるとこが見たいんだよ」
「おれは…っ!おんなではないっ!!」
「知ってる、でも、俺が好きなのは真ちゃん」
「ば…っ!」
「ねえ、俺の誕生日、祝ってくれるんだろ?
 俺が欲しいもの、くれるんだろ?」
「ま、マシュマロ…をやったろ―…」

あー、また、結局、負けちゃって。
ほんと、真ちゃん、可愛いの。

「真ちゃんのマシュマロリップのほうが好きだなあ、俺」

ようやく薄く開いた口に舌を差し込んで、緑間の舌を探す。
うまく舌を逃がしているらしくなかなか見つからない。
だけど、それは皮肉にもキスを深める要因にしかならず。
結果、緑間は息も絶え絶え、息継ぎの音がぜいぜいと苦しそうだ。
だから、舌を大人しく差し出せっての!

「…みぃどぉりぃまぁ」
「ふ…、ふぅっ」
「舌、ちょうだいよ」
「そうしたら、おまえ、舌をかむだろう!」
「噛むでしょ、舌」
「なぜ、そうなる!」
「真ちゃん、そればっか」

舌がもらえないなら仕方ない。
首筋にキスをひとつ落とすと、流れに沿って鎖骨をがぶり。
ひっ!と声をあげる緑間に気をよくして。
緑間のシャツをたくし上げて、腰に手を滑らせる。
唇は緑間の下あごに沿わせてなおも情欲を煽っていく。

「た、たかお…」
「んー?」
「そこ、う、触る、ぁ…っ!」
「腰触ってるだけじゃん、期待してんの?」

ちゅっ、とわざと音を立ててキスをする。
恥ずかしさと決定打がもらえないもどかしさでぐるぐるしているのが分かる。
ほら、覚悟決めろよ、ちゅーしてやっから。

「き、キスだけだ…」
「えー」
「それ以上を望むならキスもなしだ!」

ここまできて、それはないだろうと思いつつ。
この天邪鬼は言えば言うほど意固地になるから黙るに限る。
要は『キス』でその気にさせればいいのだ。

「じゃあ、舌出せよ?」
「そればっかりだな」
「お互い様でしょ?ほら、べー」

観念したかのように、緑間はようやく舌を小さく出した。
出てくればこっちのもの。
自分の舌を絡みつかせて、緑間の舌を吸う。
口の端から飲みきれなくなった涎が流れても。
もはや、緑間にそれを拭う余裕はなく。
かく言う俺も全く余裕がない。
緑間とのキスは気持ちがいいのだ。
もっともっとと欲しくなって、流れるように体が欲しくなる。
当然の反応だ、誰が責められよう。
足に力が入らなくなって、ずるずると下がっていく緑間を追って。
自然と床に押し倒すような格好になる。
ここまでくると、拒絶するような様子はない。
マウントポジションからの眺めは絶景で。
とろんとした表情をした緑間を組み敷いた状態で。
手を出さない、なんて選択肢はない。

「ねえ、真ちゃん…」
「かってだな…おまえは…」

☆☆☆

「ふ…っ、ぐぅ、がっ…!!」
「真ちゃーん、色気なさすぎ」

腰の輸送をしながら、思わずこぼす。
本来、何かを受け入れるようには出来ていないところに突っ込んでいるのだから。
負荷は絶対かかっているし、何より痛いだろう。
でもなあ…、と納得いかないのが今の気持ちなのだ。

(初めてってわけじゃないんだけどなあ)

何度抱いても緑間は最初がきつい。
だけど『初めて』を奪うような感覚が複数回味わえると思えば悪くない。
それでもやっぱり、この喘ぎ声はどうだろう。
浅い呼吸はしているから、感じてはいるんだろうけど。
体勢の問題か、と思って四つん這いの状態からひっくり返す。
顔も見えないし、キスも出来ないから正面がいいと言ったのに。
嫌だと突っぱねたのは緑間だ。
照れ?照れなの、真ちゃん?
それでも、ごめん、今日は好きにやらせてもらうわ。

「は…っ、たか…っ」
「ねえ、俺、人形を抱きたいわけじゃないんだ」
「う、ぁ…っ」
「真ちゃんの顔見れねえんじゃ、意味ねえよ」

浅い息を吐く緑間とは対照的に、妙に俺は落ち着いていた。
ただ、これからのことを考えると舌なめずりをせざるを得ない。
この男は、たまに『俺』に溺れるのだ。
たまらないと言って、態度で示してくるのだ。
それを『今回』に持ってこれたら俺の勝ちだ。

「ちょっと、激しく揺すっけど、我慢してくれな?」
「ま、ま…んっ!」

文句をキスで押し込んで、耳を両手で塞ぐ。
わざと水音をさせて、頭の中に淫らな音を響かせる。
腰もゆっくりと律動を再開させて、緑間は大混乱だ。
きっと快感の処理が追いついていないんだろう。
可愛いなあと思いつつ、さらに律動を激しくしていく。

「はぁ…は…、は…っ、はぁ…」

荒い息の中、見つめるのは緑間の目尻に溜まっている涙。
舐めたいとは思うが、腰が止まらない。
緑間の全てが愛しくて全部欲しいと思うのに。
悲しいかな、身体のサイズの問題で腰を使っている間は難しい。

「…―ふはっ」
「え、ぁ、んんっ!?」

緑間の両腕が伸びてきたかと思ったら、首に巻きついて来て。
引き寄せられてキスされた。
あ、あぁ…。

「…したかったんだろう?」
「…そんな物欲しげにしてた?」
「してた。『こっち』が疎かになっていたしな」

そう言うと俺の腰に足を絡めてきた。
公式のお誘いである。
これに応えられなきゃ男が廃る。

「…覚悟しとけよ?」
「早くイってしまえ」

深いキス一つ。
徐々に抽挿を激しくしていくと必死にしがみ付く緑間の爪が俺の背を引っ掻いた。
もっと善がれ、もっと求めろ。
一層緑間を激しく揺さぶって、快楽を引きずり出す。
ナカがきゅうきゅうと締め付けてくる。
やばい、気持ちいい。

「は…っ、みど…っ」
「ぁあ、ああっ…!」

お互い欲を放って、互いの腹が濡れる。
俺は緑間に覆い被さるようにして脱力する。

「重い…」
「ごめん、もうちょっとだけ」

緑間は汗で額に張り付いた俺の前髪を払ってキスをくれて。
そのまましばらく腹上にいさせてくれた。
甘やかしモードなんて珍しいこともあるもんだ、と。
あっという間に意識を手放していった。

☆☆☆

「あのまま寝るやつがあるか、馬鹿者!!」
「ごめん、あんまり気持ちよかったから。
 それに運動直後って眠くなるだろ?」
「ふざけろ、お前の体重が全て乗っかった俺の負担はどうなる?
 抜きもしないでだ……!!!」
「それは本当に悪かった」

ツッコんだまま、腹に居座ったまま、後処理しないまま。
緑間を完全放置して俺は寝落ちした。
怒るのはごもっとも。

「機嫌直してよぅ、真ちゃん」
「ふん」

本当に怒ってるわけでもないのか?
というか、今日、何となく甘やかしてくれてたような…。
なんでだっけ?

「……『俺』は気に入ったか、高尾?」
「あ、そうだった」

今日は俺の誕生日で、プレゼントは俺、そういうことね!?
すっかり頭から飛ばしてたわ。

「気に入った!一生大切にするね!」
「当然なのだよ」

ぎゅうと抱きしめて、キスしようとしたら。

「これでも口に当てて、思い出してろ」

マシュマロが一生、真顔で食えなくなりました。

**********************

誕生日おめでとうございます、高尾和成くん!
全力でR18に挑戦してみたよ。
眠気に負けたから、正味二日で書いた。
やっぱりこういうのは読むだけの方がいいです。

J-Worldのタカフェスに行ってきて。
緑高のマシュマロ買ってきたのがきっかけの話です。
頑張って膨らませました。
ゴムの日と同じ、トークオンリーにするつもりだったのに。
がっつりエロいの書いてた。
どういうことなの。

緑間くんの誕生日に何もしないで。
彼氏さんのイベントには参加して、小話書いて。
あれ、おいら、この人が本命なのかな(※混乱中)

何はともあれ、いっぱい緑間くんといちゃついてね!!
さあ、支部周りするかあ!

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