端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

十字架を背負う

2006-09-04 10:01:05 | テキスト(よろず)
俺さまは神子だから、本当は信じなきゃいけないんだろうけど。
そんな無条件に崇めたり、信用したり出来ない。
あなたは神子だ、あなた「くらい」は信じていないとダメでしょう?
そのようなことを言いなさいますな、と言われるけど。
俺さまの方が言いたいよ。
どうして簡単に形のない、力のないものに縋れるのか、って。

血。
それと…雪。
この二つは永遠に俺さまを苦しめる。
俺の中に流れる「マナの血族」としての血。
平和ボケしてるこの世界じゃ「神子」はただのお飾り。
衰退するなんて考えたことのないじじいどもが俺を利用しようと群がる。
俺さまも一応貴族だし、お飾りと言え、神子って立場は特別らしいし?
無理言っても大抵のことは目を瞑ってくれるし、やってくれる。
それが虚しくなったのはいつからだっけ。

見たくもない残酷で救いのない過去をフラッシュバックさせるもの。
赤い赤い雪。
呪い、疎まれ、拒絶され。
俺の何が悪かったんだろう。
あの当時はまだ「まーてるさま」を信じていたはずよ?
知らなかったもん、大人の権力欲なんて。
そう、俺さまに非はなかったんだ。

自分ではどうしようもない生まれの問題。

俺さまが神子として生まれなければ。
親父が神子でなければ。
マナの血族を無理に続けさせようとしなければ。
全てがねじ曲がって、連なって。

まーてるさま は、信じられないけど。
ヒヒじじいどもなんか以ての外だけど。
背負ってもいいかなぁ、って思うものがある。
おふくろのことも、俺さまの血筋のことも、この世界とは別の世界を食ってるってことも。
黒いトコ全部引っくるめた。
俺さまだけの本当に自己満足な。

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