端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

視界に入るのすら嫌です

2012-02-01 00:00:00 | 犬猿の仲の二人に5題
犬猿の仲の二人に5題
- 永遠に君と気が合うとは思えない! -


戦場を駆ける、二槍を振るう。
炎を巻き上げ、咆哮をあげる。
天覇絶槍、家紋に刻みし六紋銭。
覚悟なき者は、この場から去れ!

視界に入るのすら嫌です

「旦那!出すぎだ、下がって!」
「ぬおっ!?」

そばで聞き慣れた忍・佐助の声を捉え、我に返る。
意識を討伐から状況把握に持っていく。
敵多数に対し、味方は己一人。
完全に孤立、否、突出していた。
ここは、佐助の忠告を聞こう。
踵を返そうとしたその時。

視界に蒼。

途端に今までの高揚感がなくなり。
その代わりにムカつきが募る。
戦場に走る稲妻、一切を蒼で統一する武装。
話す言語は意味が所々分からないし。
総大将のくせに第一線にいるのも訳が分からない。

「構うな、旦那!戻るよ!」
「うむ」

佐助に背後を確保してもらい、じりじりと後退する。
武田の衆に合流して、相手を任せるとしよう。
兎角、相手をするのが面倒なのだ。
奴は随分遠い。
悟られはすまい。

「Hey, 逃げるのか赤犬」
「犬ではないし、逃げるわけでもないわ!!」

聞こえた声にとっさに反応して。
しまった、と悔いるのと。
何故ここにいる、という驚くのは同時だった。
確かに先程まで蒼は遠かったはずだ。
奴は、目の前でにやりと笑う。
その余裕が嫌いだ。

「目立つだろ?
 錯乱させるために影武者を投入してんだよ」
「敵に策を晒していいのか?」
「Ha! こんなの策にも入らねぇよ」

刀をひと振り、こちらに向けてくる。
見据える目は隻眼、どこまでも静か。
己の真逆いる冷たい印象を纏う武人。
その気質が嫌いだ。

「いい加減目障りなんだよ、真田。
 俺の覇道を止めてくれるな」
「その言葉、そっくりそのまま返す。
 視界に入ってくれるな、お互いのためだ」
「What? どういうこった、日本語で頼む」

刀を下ろしたところで、佐助が真ん中に入った。
俺を背に隠すような陣型。
絶えず気を張っているこの状況下で。
俺はこいつに伝えねばならない。

「貴殿はお館様のご上洛の邪魔なのだ。
 だが、貴殿の相手をするのは面倒極まりない。
 そっちも目障りというなら、視界に入れぬのが互いのためだ」
「……あくまで戦いたくねぇって言うんだな?」
「お館様が『放っておけ』と仰っているうちは、眼中にない」

カッと目を見開き、一直線上に突進してくる。
その攻撃を予測していたように、佐助は煙玉を放る。
これ以上ない完璧な間合い。
すかさず凧を飛ばし、俺を抱えて空へ脱出する。
下で奴が吼えているのが聞こえる。

「その!!何でもかんでも『お館様』なてめぇが気にくわねぇ!!
 てめぇだけは、絶対ェに……!!
 この奥州筆頭、伊達政宗が手ずから討ち取ってやる!」

勝手に言ってろ。
もう視界に入れたくもないし、入りたくもない。

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いつになく険悪ムードにしてみたよ。
うおおお、そこでときめいちゃうのがいつもの幸村なのにぃ!!
お題でもないと、たぶん書かないね。


>> 総大将のくせに第一線にいるのも訳が分からない。

ごめんよ、BASARAやってるといつもこうなるんだ。
率先して討伐してるよ。
誰でプレイしてもそうなる。
血に飢えた伊達政宗は拙宅の名物でござる。

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