端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

退魔東海伝03

2010-07-22 08:00:00 | ワンピース
「今回は?」
「でかいの1匹、物理系」
「俺の中のやべーセンサーは2階部分に反応」
「楽勝、行くぞ」

元はショッピングセンターだった場所。
地下2階地上4階までの建物は、現在、バギー一派が占拠していたのだが。
先の妖怪にビビり倒して逃げ出し。
『俺たちのアジトを取り戻してくれ!』というのが依頼。
バギーたちは『ソレ』を『異様にでかい人間』として認識したため。
最初に依頼を持ち込んだのは対人間の退治屋。
対処できるわけもなく、次々とたらい回しにされ。
巡り廻って回ってきた案件である。
目撃証言は図体がでかくて単独、だけ。
追加で『見ただけで掌打がきた』との体験談。

「気配は?」
「9時の方向」
「9時?」
「ゾロは動かないで待機。
 っと、忘れてた」

ガサゴソと鞄をひっかき回して。
ウソップは黒くて小さい機械を取り出した。
ほらよ、とゾロに手渡す。

「イヤホンマイク、俺と外線でナミと話せる」
「ナミと?」
「勅令で設定しただけだから意図は知らない」
「…耳に付ければいいのか?」
「そっ」

ゾロは右耳にイヤホンマイクを装着する。
さらにウソップに言われた通りその場で仁王立ちを開始した。
自棄に素直だな、と思うがそれよりも自分のやべーセンサーが超反応。

「きたあああああ!!」
『また来たか、しつこい奴らめ』
「よぅ、デカ物」

サンジがくわえたタバコに火をつけた。
でかいとの評は伊達ではなく、裕に2.5Mは超えようか。
顔はどこか狼のようだが、立派な二本の角が主張している。

「ベヒーモスか」
『ほう、今度の奴は我を知っているか』
「…まぁ、一応」

ゾロは仁王立ちのまま、向こうを睨みつける。
ウソップは膝を振るわせて、悲鳴。

「べべべ、ベヒーモスって妖怪じゃねぇじゃん!
 管轄外だ、管轄外!!!」
「今に始まったこったねぇだろう」

サンジは煙をひと吐き。
つま先で地面を二回つつき、気合いを入れる。
睨む先には、尻尾を揺らすベヒーモス。

「始めるぞ」
『どれ、遊んでやろうか』

身構えたゾロではなく、真ん中のウソップが吹っ飛んだ。
ほげぇー!!という悲鳴をお供に闇に飲み込まれる。

「あ?」
「前見ろ、前!」

ベヒーモスが鋭い爪を振り下ろす。
今度はゾロが受けたった。
真一文字に刀を構え、爪を受けた。
刃が腕に当たるや、ベヒーモスの顔が歪む。

『!?』

後ろに飛びのいて、尻尾でゾロを振り払うのと。
サンジがゾロの頭上を飛ぶのはほぼ同時。
振り下ろした右足がベヒーモスの頭を捉える。

『貴様らぁ!』
「頭上からの攻撃は始めてかい?」
『消えろ、目障りだ!!』

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「よぅ、ゾロ。 生きてっかー?」
「お前が無事なら余裕だ」
「そっかー、んで、どんな感じ?」

ほぼ無傷で床に寝そべっているウソップとは対照的に。
血みどろで床に倒れ込んでいるゾロがいた。
それでも彼は余裕だ、というのはいつものことだ。

「攻撃を刀で受けたら、普通に痛がってた」
「てことは、妖魔で間違いねぇのか」
「それ以外は『無害』だからな」
「俺が吹っ飛ぶ前な、気配が分裂したんだよ」
「? 一匹だったじゃねぇか」
「でもって、一番手前にいたゾロじゃなくて俺を吹っ飛ばしたってことは。
 分身はきっぱり『幽霊系』だ」
「…敵が見えてきたな」
「俺が準備するから、ここまで追い込め。
 方向は俺が指示する」
「了解」

むくりと起きあがると、ゾロは一人走り出す。
孤軍奮闘しているであろう、仲間の元へ。

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ゾロは天然の退魔体質。
「幽霊」は彼に近づくことが出来ない。
また彼の持つ刀は「妖怪」「幽霊」「妖魔」は斬れるけど。
「命あるもの」に対しては殺傷能力ゼロ。
切り傷さえも負わせられない。

ベヒーモス。
完全に趣味です。
モデルはFFXのやつ。
最初はFFXのイフリートを出そうかと思ってた。
路線一緒やん!

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