端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

笑いあう距離

2013-06-07 00:00:00 | 友情が愛情だった5題
友情が愛情だった5題
- ずっと隣にいたのに、気付いたのは今更 -

2.笑いあう距離

「プールの清掃、これいかに!」
「黙ってやれ」

首に巻いたタオルで汗を拭う。
先輩方の間で取り決められたトレーニングの一環で。
水泳部から請け負ったこのプール清掃であるが。
実は、アイドルのライブチケットとの交換条件とか何とか。

「水を抜いたらただの箱じゃん。
 体育館のモップかけのがまだ涼しくていいわ」
「日陰と水気ならば、水の方が涼しいと思うがな」

部活用のTシャツは汗でびっしょりで。
ゴムホースから流れ出る水は生ぬるい。
夏の風物詩。
吹奏楽の練習音、野球部の掛け声。
モップを使って床を擦る音。
ああ、何もかもが近くて遠い。

「っ!?」

頭から水を被った。
後ろを振り返るとゴムホースをこちらに向けた馬鹿が一人。
あ、と若干気まずそうな表情を浮かべているから。
きっと意図しない、事故に近い結果だったのだろう。

「わ、悪ぃ、真ちゃん」
「……」
「で、でもこれで涼しくなって作業効率アップ?」
「そうだな…」

床を濡らすために水が出しっぱなしになっているホースを拾い上げる。
口を押しつぶし、勢いをつけた水を相手の顔面に向け噴射。
ぶはっ!!と想定通りの音を立て。

「容赦ねぇな!」
「しつけには、痛みも必要なのだよ」

犬じゃねぇよ!と言いながら。
笑う声は心地よく。
俺も、少々、声に出して笑う。
髪をぐしゃぐしゃとかき混ぜられて。
お返しとばかりに、脇をくすぐって。
楽しかった。
本当に楽しかった。

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屋外にあるプールにはいろんなものが浮いてて気持ち悪かった思い出しかない。
秀徳はどうなのかな。

水も滴るいい男…かどうかは知らないけど。
Tシャツ、首筋、頭にタオルは最高だと思うの。
ただ、その恰好をしてほしいかというと。
緑間くんには、甚平を着てほしいのだよ(真顔)
ギャルソン服でも構いませんけどね!!

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