「「……」」
皆が見つめているのが分かる。
いつもなら「昼間」は決して視線を合わさない相手までも見ている。
見つめられる理由も分からないので。
黙々と台所のモップかけを続ける。
「頭頂部」がムズムズして。
思わず「耳」を動かした。
「ん?」
さすがにこれには違和感を感じた。
222
「にゃー!!!!!!」
「猫だ、猫がいる」
ウソップが落ち着いた風にそんな感想。
当の本人は鏡を探して台所をひっくり返している。
はい、とその様子を見かねたロビンが手鏡を渡す。
クスクスと笑いながら。
いつものようにメロリ~ンとやるでもなく。
やや乱暴に受け取ると勢いよくのぞき込んだ。
頭頂部に黄色がかった三角形。
触ると少し硬めの毛。
引っ張るとものすごく痛い。
自分の頭頂部には、立派な「猫耳」が生えていた。
「にゃんだ、こりゃあああ!!!!」
「猫の耳だなー」
あっはっはっと笑うルフィをきっと睨む。
全てのことを全力で楽しむ。
船長はそういう奴だと分かってはいるが。
いいなー、楽しそうだなーと言われると。
どうしようもなく腹が立つ。
そして、ナミが明らかに守銭奴モードになっていること。
チョッパーが「医者~!!!」と叫んでいること。
フランキーが「いつ改造したんだ?」と聞いてくること。
全てが嫌になってその場にしゃがみ込む。
そう経たないうちに、ふっと視線が高くなる。
「…軽ぃ」
ゾロが自分の背中を掴んで持ち上げていることに気付くと。
足を振り回し、手をバタつかせる。
その様子はどう見ても「猫」のそれである。
「しっぽがねぇだけで、本当に猫だな」
「にゃんだとぅ!!」
「その話し方、なんとかなんねぇのか?」
「勝手ににゃるんだよ!!」
「それにしても、何でネコマンになっちまったんだ?」
「…ウソップ、もっとひねりなさいよ」
ひとしきり笑った後に、考察モード。
何かの病気であればチョッパーの専門。
歴史的に前例があればロビンの専門。
人知れず改造されたのであればフランキーの専門だ。
「なぁ、サンジ。
何かしなかったのか?」
「にゃにかって…」
「飲む水を変えたとか、タバコ変えたとか」
「ねぇな」
「ルフィじゃあるまいし変なものを食べるわけないしねぇ」
一瞬の沈黙。
サンジが固まる。
「食ったのか」
「変かどうかは分からにゃいけど。
にゃかにゃか個性的にゃのは食った」
「だから、その話し方なんとかしろっ!!!」
「好きで言ってるんじゃねぇっての!」
「だーまーりーなーさーいー!!」
ナミの拳がゾロの頭にごつんと一発。
相変わらず容赦がない。
ふーっと一息つくと、サンジに向き直る。
目が笑ってない笑顔である。
「いつ食べたの?」
「き、昨日の仕込みの時…」
「どこで手に入れたの?」
「つ、通販?」
瞬間、目を見開き怒りのオーラ。
その様は、鬼を思わせた。
ひぃ~!!と竦みあがったのはウソップとチョッパー。
「得体の知れないものを買って勝手に食べて。
あまつさえ体の変調ですって!?
大損じゃないの!!」
「コックさんにしては、珍しい失敗ね」
「…未知の食材に興味を示すのは。
料理人にとって当たり前のことだ」
ぶちっ。
「猫耳生やして、何言ってるの?」
「う…」
「まぁ、あれだ。
全員が猫耳生やしてるって状況を免れただけでもよしとしようぜ」
「買わなきゃ済むことでしょ!?」
「そうしたら、うまいもの、分からないじゃないか」
ルフィの一言。
それが全てだった。
食の追求は料理人だけでなく、人間誰しもが行う。
「訳の分からないもの」をあえて調理することで。
「うまいもの」へと昇華してきたのが人間である。
「ルフィ、今日のスープの味見するか?」
「いいのかぁー!!!?」
「礼だ、全コックを代表して」
機嫌のよくなったサンジは台所にそそくさと移動して。
鍋をぐるぐるかき混ぜる。
突っ込んだお玉を彼は自分の口元に近づける。
「ぎにゃああああああああ!!!」
「「「猫舌か!!!!!」」」
サンジは二度と通販を利用しなかったという。
*********************
消化したら猫耳はなくなりました。
猫舌はコックにとって命取り。
食品は実際に手にり確かめてから購入しましょう、っと。
こういうのを書いていると。
なぜか「コマ割」をしている自分。
描けないのになぁ。
更新日は言わずもがな。
いいじゃん、日付なんてしょせん目安です。
皆が見つめているのが分かる。
いつもなら「昼間」は決して視線を合わさない相手までも見ている。
見つめられる理由も分からないので。
黙々と台所のモップかけを続ける。
「頭頂部」がムズムズして。
思わず「耳」を動かした。
「ん?」
さすがにこれには違和感を感じた。
222
「にゃー!!!!!!」
「猫だ、猫がいる」
ウソップが落ち着いた風にそんな感想。
当の本人は鏡を探して台所をひっくり返している。
はい、とその様子を見かねたロビンが手鏡を渡す。
クスクスと笑いながら。
いつものようにメロリ~ンとやるでもなく。
やや乱暴に受け取ると勢いよくのぞき込んだ。
頭頂部に黄色がかった三角形。
触ると少し硬めの毛。
引っ張るとものすごく痛い。
自分の頭頂部には、立派な「猫耳」が生えていた。
「にゃんだ、こりゃあああ!!!!」
「猫の耳だなー」
あっはっはっと笑うルフィをきっと睨む。
全てのことを全力で楽しむ。
船長はそういう奴だと分かってはいるが。
いいなー、楽しそうだなーと言われると。
どうしようもなく腹が立つ。
そして、ナミが明らかに守銭奴モードになっていること。
チョッパーが「医者~!!!」と叫んでいること。
フランキーが「いつ改造したんだ?」と聞いてくること。
全てが嫌になってその場にしゃがみ込む。
そう経たないうちに、ふっと視線が高くなる。
「…軽ぃ」
ゾロが自分の背中を掴んで持ち上げていることに気付くと。
足を振り回し、手をバタつかせる。
その様子はどう見ても「猫」のそれである。
「しっぽがねぇだけで、本当に猫だな」
「にゃんだとぅ!!」
「その話し方、なんとかなんねぇのか?」
「勝手ににゃるんだよ!!」
「それにしても、何でネコマンになっちまったんだ?」
「…ウソップ、もっとひねりなさいよ」
ひとしきり笑った後に、考察モード。
何かの病気であればチョッパーの専門。
歴史的に前例があればロビンの専門。
人知れず改造されたのであればフランキーの専門だ。
「なぁ、サンジ。
何かしなかったのか?」
「にゃにかって…」
「飲む水を変えたとか、タバコ変えたとか」
「ねぇな」
「ルフィじゃあるまいし変なものを食べるわけないしねぇ」
一瞬の沈黙。
サンジが固まる。
「食ったのか」
「変かどうかは分からにゃいけど。
にゃかにゃか個性的にゃのは食った」
「だから、その話し方なんとかしろっ!!!」
「好きで言ってるんじゃねぇっての!」
「だーまーりーなーさーいー!!」
ナミの拳がゾロの頭にごつんと一発。
相変わらず容赦がない。
ふーっと一息つくと、サンジに向き直る。
目が笑ってない笑顔である。
「いつ食べたの?」
「き、昨日の仕込みの時…」
「どこで手に入れたの?」
「つ、通販?」
瞬間、目を見開き怒りのオーラ。
その様は、鬼を思わせた。
ひぃ~!!と竦みあがったのはウソップとチョッパー。
「得体の知れないものを買って勝手に食べて。
あまつさえ体の変調ですって!?
大損じゃないの!!」
「コックさんにしては、珍しい失敗ね」
「…未知の食材に興味を示すのは。
料理人にとって当たり前のことだ」
ぶちっ。
「猫耳生やして、何言ってるの?」
「う…」
「まぁ、あれだ。
全員が猫耳生やしてるって状況を免れただけでもよしとしようぜ」
「買わなきゃ済むことでしょ!?」
「そうしたら、うまいもの、分からないじゃないか」
ルフィの一言。
それが全てだった。
食の追求は料理人だけでなく、人間誰しもが行う。
「訳の分からないもの」をあえて調理することで。
「うまいもの」へと昇華してきたのが人間である。
「ルフィ、今日のスープの味見するか?」
「いいのかぁー!!!?」
「礼だ、全コックを代表して」
機嫌のよくなったサンジは台所にそそくさと移動して。
鍋をぐるぐるかき混ぜる。
突っ込んだお玉を彼は自分の口元に近づける。
「ぎにゃああああああああ!!!」
「「「猫舌か!!!!!」」」
サンジは二度と通販を利用しなかったという。
*********************
消化したら猫耳はなくなりました。
猫舌はコックにとって命取り。
食品は実際に手にり確かめてから購入しましょう、っと。
こういうのを書いていると。
なぜか「コマ割」をしている自分。
描けないのになぁ。
更新日は言わずもがな。
いいじゃん、日付なんてしょせん目安です。
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