端と底を行き来するRPG

そのとき、きっと誰かの中心blog。
アーカイブにある作品は人事を尽くした盛者必衰の入れ替え制。

退魔東海伝vol.4-01

2011-01-07 01:00:00 | ワンピース
その邂逅は。
環境を一変させた。

退魔東海伝

行きつけの料理屋。
サンジが絶賛し、ゾロが文句の一つも言わず。
ウソップが涙を流し、あのナミが出費を惜しまない。
大勝ち、つまり成功報酬が多いときにしか来ない。
そして、来店したときにはこれしか頼まない。
「料理長おまかせ大フルコース」。
とてつもなく値が張ることで有名で。
しかし値段に見合っただけの味である。
ウキウキと入店し、ナミはこう叫ぶ。

「いつものね!!」

いつもなら「毎度ざまぁありません!」と聞こえるのだが。
いくら待っても聞こえてこない。
それどころか、店は営業中にも関わらず静まり返っている。
どうしたことか、と店内を見回すと店員が走り込んできた。

「すまねぇ、お嬢。
 今日はフルコース出せねぇんだ…」
「出せないっ!?
 通常メニューじゃ使わない食材使ってるのに!?」
「いやぁ、あの客、うまそうに食うもんでつい…」

あるだけの食材を使ってしまったというのだ。
見ると、すごい勢いで食事をする男が一人。
まるで流し込むように食べている。
妙なほどに「横に広がっている」気がする。
その男のそばにつかつかと近付いたのはサンジ。
ずいっと男に詰め寄る。

「くそ うめぇだろ」
「……? ああ」
「うまいもんは噛みしめて食え、流し込みやがって」
「ん? ああ、そうだな」

水を一気に飲み干すと、ぷはあっと息を吐く。
黒い髪、左目に傷、そして、取り出した麦わら帽子。

「いやあ、うまかった!」
「不味いとか言ったらはっ倒すわよ」

ご機嫌斜めの今のナミなら言葉通り、相手を平手打ちで前のめりに倒すだろう。
食べ物の恨みはかくも恐ろしいものだ。

「ところでさー、道教えてくんないかな」
「道?」

ウソップが反応する。
お節介なのはいつものことだ。

「うん、ニューゲートのおっさんのとこに行きてぇんだ」

***********************

お待たせしております、端っこ屋です。
某兎さんに「次は船長の話がいいな!」と無邪気に言われたとき。
既にこの流れが構想にあった私は愕然としましたよっと。
…ゲストにするかレギュラーにするかって言ったらゲストだと言い切ります。
退魔は船長抜きっていうのが元ネタなんだもの。

料理長はもちろんゼフのことです。
そういや、ゼフはグランドラインのどこまで行ったのかな?
一年航海したんだよね?
過去話、出てこないかなぁ…。

コメントを投稿