えみこころ便

http://blog.goo.ne.jp/emicocolo

ノラおこしの息吹in上高尾

2010-11-08 15:17:21 | 地域活性化
この週末、三重県伊賀市の南部に位置する上高尾地区に行ってきました。

先日のブログでも、告知しましたイベント「上高尾 農+ART+人」が行われ、前日から

現地入りしていたので、その様子を報告したいと思います。


今回は、昨年の11月から、上高尾の農家さん、淀川流域のアーティストさんやその家族、

友人、農業を学ぶ大学生や研究者が交流を始めており、その一周年を記念して、今までの

関わりから、もうすこし踏み込んで「出会う」ための企画でした!

これから「ノラおこしプロジェクト」に関わっていく私も、一歩踏み出す機会。

そこで、前日から伺い、関係者の方たちとイベントのお手伝いをすることになりました。


前日、土曜の午後に、㈱農楽の伊藤さんの車で、京都大学大学院農学研究科・小田ゼミの

学生さんたちと近鉄・名張駅から、会場の上高尾生活改善センターへ移動。


到着すると、イベントに向けての設営、地方特産品に出店するコンニャクづくり、お客さま

にふるまうお餅やおにぎりづくりの作業にとりかかることになりました。

地元の方たちと都市に住む私たちとの共同作業。調理チームは、声を掛け合いながらの

連携プレーで、あっという間に、こころの交流が!!




コンニャクづくりは、三年物のコンニャクイモを使用します。

イモを茹で、ぶつ切りにし、ミキサーに入れてペースト状にし、さらに手で練り上げる

作業で、とても手間がかかります。おいしく作る秘訣は、最後に入れるソーダの量とその

タイミングだそうで、自然と気合も入ります。



ちなみに、写真の右上に写っている、ニット帽の方は、大阪・玉造に住むアーティスト

の日々譚・山口さん。暮らしの衣服として、かっぽう着を制作、上高尾の方と一緒に、

自前のマイかっぽう着を身につけ、地元の方に溶け込んでいらっしゃいました。



そして、コンニャクが完成。

その傍らで作っていた晩ごはんのイモ汁。



さらに、地元でとれた天日干しのお米で作った4升分のおにぎりも完成。




一方、設営チームは、主に男性陣が担当。火をおこす作業や作品の展示の準備、そして

昨晩海で釣ってきたお魚の調理を。



まだ、午後4時前ですが、ちょっと早くはありませんか?もう、顔や耳は真っ赤。




そして、ついに準備は整い、前夜祭?が行われました。

みんなで食べる、みんなで作った手料理の本当においしいこと!!


食事をいただいているうちに、あっという間に日は落ちて、辺りは真っ暗に。

そんななか、焚き火を囲んで、全員で自己紹介を。

外は寒かったですが、こころのなかはポッカポカ。



さらに、宿泊先の「ひまわりの森の家」では、農業簿記を勉強されている学生さんたち

と熱い話で盛り上がりました。

「上高尾のお米を、JA以外の独自の流通で、付加価値を付けたい!」

地元の方との交流を通して、データ化されている資料では推測できない部分を感じとる

ことができたそうで、その思いを共有することができ、本当に嬉しかったです。


上高尾は、なだらかな山々に囲まれた谷間の集落です。

ブログでもご紹介しましたが、市内最高峰の尼ヶ岳の麓には、木津川の源流があります。

そして、木津川は淀川に、淀川は大阪湾につながっています。

淀川流域の上下流の交流を通して、関わる人々がとびきりの笑顔でいれたらと思います。

当日の様子、地元で活動されている方たちについては、明日のブログで。

加工工房「Bio Kitchen」in丹波篠山

2010-11-04 09:59:56 | 地域活性化
昨日と一昨日(2・3日)の2日間、猪名川と丹波篠山に行ってきました。

ここでは、丹波ふるさとネットの代表である中山さんが、地域の活性化と雇用の促進

を目指して、大阪の拠点から移り、現地にどっぷり入って、活動されています。


「Bio Village」を作り、丹波篠山の自然や歴史、伝統といった足元の「宝」を掘り

起こし、加工し、付加価値をつけ、そして都会のニーズをつかみ売り込むという、

「農業の第6次産業」を実践する事業を行おうとしています。


その第一ステップとして、農業主導型の第2次産業の加工工房「Bio Kitchen」を

作ることになり、これから工事に向けて、人手がほしいということで、急きょ伺うこと

になったというわけです。


これまでには、市役所や地域の方たちとの交渉で、紆余曲折があったそうですが、

「捨てる神あれば拾う神あり」。なんとmixiのとあるコミュニティで、篠山で造園業を

営む山田家の奥さまと知り合い、それがきっかけで、耕作放棄地だった土地を提供

して下さることなったと聞き、驚きました!!何つながりかというと・・・



写真は山田家のペットなんですが、なんと「やぎ」だったのです。

mixiやTwitterも活用の仕方によっては、ステキなつながりが生まれるのですね!!


そして、この中山さんと山田さんの奥様が、とってもパワフルで、その行動力には脱帽。

それを優しく見守り、作業で困ったときやいざというときに登場する山田さんのご主人。

理想のコンビネーションですね。


きのうは、朝から工事に向けての準備作業。

一緒に駆けつけてきてくれた、「えみこころ」のサイト作成にも協力してもらっている

吉田さんと、加工工房の予定地にあるものの運搬作業。

まずは、ビニルハウスの中にあったミソハギやキキョウなどの野草を一輪車を使って

の移動。野草は除草シートに根を張るほど、巨大化しており、少し力仕事ではありま

したが、お天気がとてもよく、空気もおいしくて、気持ちよく作業ができました。


大きいものだと、その横にあった1tのコンテナ。

さすがに人力での移動は難しいので、ここはプロの登場!

なんとユンボとコンテナをひもでつなぎ、下に木の枝をかませての作業。

細い道を寸分の狂いもなく、コンテナを移動させる運転技術はさすが!!

そして、あっという間に作業完了。


なんと段取りの早いこと、作業が終わったころには、電気屋さんが登場。

さらに、水道工事のための配置図も業者さんが来るからと昼から作成することに。

アバウトながらも、みんなで力を合わせ、ポールを立てて、測量し、ラフスケッチを

おこす作業を。そして、山田さんの家で、「Bio Kitchen」のプランを錬ることに!


安く譲ってもらうことになったユニットハウスを活かした、使い勝手のいいレイアウト

を女性陣で考えていきました。スケッチを通して、中山さんの描いている設計図を徐々

に掘り起こしていく作業は、御用聞きにも通じるものがあります。


敷地が広いこともあり、オープンガーデンや貸し農園事業、次から次へと夢はふくら

みます。対話や提案を重ねていく作業を通して、私たちの結束力も深まっていく感じ。

ものを作り上げていく面白さを、建築から離れた今ふたたび味わうことが。

そして、これも驚くほどスピーディーに完成し、ちょうど来られた業者さんに渡して、

水道工事の見積をお願いするというムダのない作業は、スカッと気持ちのいいもの!


プランを考えている最中にも、考えていたのは、もちろん終わった後のご褒美。

そして、私たちが向かった先はこちら。



篠山のお隣、大阪・能勢にあるログハウスカフェ「気遊」。

まるでアメリカン!?10年前にできた老舗の店とあって、貫禄があります。

中山さんがチェックしていたのは、内装や家具。イメージはさらにふくらみます。

それに対し、私はというとメニューに夢中(笑)ここの飲み物の種類の多いこと…

みんなで飲んだチャイの甘さに、祝日のささやかな幸せを感じられた一日なのでした。


次回は、丹波ふるさとネットの中山さんの事業の思いに、さらに深く迫ります。


ノラおこしプロジェクトin上高尾

2010-10-25 06:49:22 | 地域活性化
先日、三重県・伊賀の上高尾に行ってきました。

この集落に行くきっかけとなったのは、「日本農業新聞」でした。

私が商店街で出張販売を始めたとき、女性記者の方が、都市と農山村の橋渡し

になるってステキですねと、何かと縁の深い土居商店街に取材に来て下さり、

「大阪の森本さん」として、活動の様子を紹介していただいたのです。


その紙面を見て、大阪・梅田までわざわざ会いに来て下さったのが、“農ある暮らし”

を地域の目線から提案する、むらづくりプランナーの伊藤さん。

ちなみに、伊藤さん自身も、2年前に滋賀県の甲賀に移住し、趣味は庭いじりだそうで、

野菜づくりにも精を出しているんだとか!


伊藤さんは、「淀川流域ノラおこしプロジェクト」の拠点として、現在、上高尾で活動

されています。これまでの「個別の地域がかんばる」では、キーパーソンがいない水源

集落・限界集落を維持していくことはできないと、「地域」にとどまらず、「流域」で交流

し、連携できればと考えています。


上流域の「地方」と下流域の「都市」との交流。

10年後の上高尾のために、どんなことに取り組むべきかという視点で、地域交流と特産

品に対する思いを熱く語っている様子に感激し、いつか行ってみたいと熱望、4ヶ月後に

ようやく実現したというわけです。



当日はとても天気がよく、空気も澄み切っていて、思わず見とれてしまうほどの里山の

原風景。地方をたくさんまわったなかでも、特に自然の豊かさが残っている地域でした。


まず、お伺いしたのは、写真に映っている、谷浦邸。

ここでは、主に間伐材の整理、炭焼きの季節になり、先週から窯焚きも行われています。

谷浦さんは、プロジェクトの事務局長を担当されているため、地元の人たちのミーティング

の場所として、また、上高尾のブログの更新もここで行うなど、情報発信基地にもなってます。

blog:http://blogs.yahoo.co.jp/kamitakao


次に案内していただいたのは、湧水が出ているというくぬぎ山。

谷浦邸からなんと軽トラの荷台に乗せてもらい、向かいました。

でこぼこ道に揺られながら、向かい風が頬に当たる感触、山道に入って感じるヒンヤリ感。

そして、木々の隙間から見え隠れする木漏れ日の美しさはなんともいえませんねぇ。



再び谷浦邸に戻り、地元の農家さんも交えて、お話を聞くことになりました。

上高尾は稲作が中心で、野菜はあまり作られていないんだとか。

お米の品質に関しては、かなり自信がある様子でしたが、やはり都市で販路を作っていく

ことに関しては、周辺住民と歩調を合わせていきたいといった様子。

ここでも、都市の商店街と同じように、ビジョンを伝えていき、時間をかけて、関係者の

意見を一致させていく必要がありそうです。


が、きっと上高尾には明るい未来が待っていると思います。

何よりも印象に残ったのは、皆さんの顔の表情。

活き活きとされているのが、にじみ出ていたからです。


さて、11月7日(土)に上高尾生活改善センターで、「上高尾 農+ART+人」のイベントが

行われます。イベントのチラシはこちら。http://am6.jp/aLtJrz

ちなみに、当日は私も参加させていただく予定です。ちょうど行楽には絶好のシーズン。

ぜひ、この機会に多くの方に足を運んでいただき、「流域」の上下流に住む私たちが、それぞれ

の立場でつながることができればと思います。


『現在の農村では、農業あるいは地域活動において、「補助を受ける」ことが前提という体質に

あるが、生産物販売の一部をファンドとして準備し、ひと(交流・移住)・地域資源・資金など

を循環させ、自立できるような体制を目指していきたい』とビジョンを語っていた伊藤さん。

その想いに少しでも協力できれば、幸いです。