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初矢一筋に習いあり

日置流浦上系射法の極私的な覚書

新しい一燈斎

2019年05月04日 | 道具
ー燈斎だけで五張使ってきた。

最近のー燈斎は前竹が関板の下に延びている。松永重宣さんが始めたという首折れ防止を桑幡さんも取り入れたようだ。

心なしか姫反り辺りの分も薄くなったような気がする。

ー燈斎といえば強さの割りに見ための分が厚いものが多かった。特に鳥打から姫反りにかけてあまり分が落ちず、それだけ姫反りの力が強く、弦音も出るし、引くほどに額木が近くなってくる。

新しいうちは入木も強く、額木から弦が出るほど曲がっていることもある。ただそれはあまり修正しない方がよい。矢数をかければ次第に入木は少なくなってくる。張り込むときだけ弦輪を左に寄せてかけ、入木が進まないようにしておく。若いうちにぐいぐい押して修正していると、数年後には出木になってしまう。

弓具屋さんで枯らしたー燈斎で形のいいものを見たことがない。若いー燈斎は入木に曲がりくねり、額木は離れ、手下が弱い。これを張り込んで直そうとすると形を崩す。徐々に矢数をかけながら引くことで形が整ってくる。

急に矢数をかけたり、張り込み過ぎれば裏反りが抜け過ぎる。たまには弦を外して休める。15センチくらいの裏反りに保ちたい。

気温が上がると裏反りが抜けてしまうものは夏には使わない。手に持った質量が重く感じるものほど夏に耐えるような気がする。裏反りが抜けきってしまっても、一夏休めて冬になれば力が戻る。でももう冬しか使えない。

手下の弱いー燈斎は握り下を押して弦を張る。手下が強いものは下成りを押して張る。握りや籐頭を押すと将来胴が抜けるといわれる。胴がそんなに強くないー燈斎はその傾向が強い。しかし抜けそうで抜けなくもある。浦上先生の言われる抜けそうで抜けない所を使うというのにもってこいかもしれない。そういう弓は引成りがまんまるになって美しい。

若い張り顔は下成り弱く、額木の端に弦がくるほど入木で、やや額木が離れ気味の方がよい。矢数をかければちょうどよくなってくる。

数百も矢数をかければ、形が安定してくる。それまでは忙しい。弦を張る時が一番形が変わる。将来を見越した張り顔になるように工夫する。

2016/6/1


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