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玉髄(ぎょくずい)、と、瑪瑙(メノウ)の違い?

2021年03月08日 07時43分29秒 | 玉髄(ぎょくずい)、と、瑪瑙(メノウ)
玉髄、と、瑪瑙(メノウ)の違い?


玉髄(ぎょくずい)と瑪瑙(めのう)
まず、命名がかなりこんがらがっています。

英語では chalcedony (カルセドニー)と agate (アゲート)
という言葉があり、これがそれぞれ日本語で玉髄、メノウに相当しています。
英語では、非常に細かい結晶質の石英を準鉱物名として chalcedony と呼ぶ人が多く、agate は宝石名のような扱いになっています。
が、
たまに、flint, chart, agate をまとめて chalcedony にしている人がいるので誤解の元になります。
そのような点では、agate の方がより成因を規定している点からわかりやすいかも。





この種の細かい結晶の石英は、chalcedony, quartzine, moganite, microcrystalline opal などがあり、分類上大変紛らわしいものとなっています。

成因からではなく、構造組織から命名する手法が提案されていますが、
これはそれぞれ詳細な検討をしないと分類ができないという点から、
あまりオススメできません。


メノウの構造上の大きな特徴としては、 (110) (いちいちれい)方向に伸びた極めて微細な針状の結晶の集合です。
繊維方向に対してねじれているとされています
 (P. J. Heaney et al., Am. Min., 79, 452 (1994)) 。

また、左右のキラリティをもった繊維が微細なブラジル式双晶で
絡み合っているという報告もあります
 (G. Miehe et al., Phys. Chem. Min., 10, 197 (1984))。

そのため、極めて緻密で、強靱な塊になります。
メノウの物理的な特徴の多くは、この、「極めて微細な石英の繊維が、絡まり合って同一方向に並んでいる」ところによるものが大きく、
同じ成分の単結晶である水晶や、非晶質である石英ガラスが割れやすいのとは対照的です。

メノウの大きな塊をハンマーで割るのは容易ではありません。
メノウが細工物や乳鉢に向くのは、この物理的特性によります。
なお、
たまにメノウを「非晶質」と記述している書があるが、これは間違いで、目には見えなくても、結晶でできています。
これは正しくは
「潜晶質 cryptocrystalline(クリプトクリスタリン)(形)」と表現します。


「一番大事なものは、目には見えない」ということです。


これらの命名に関しては、以下の論文が参考になります。
Nomenclature of micro- and non-crystalline silica minerals, based on structure and microstructure, Neues Jahrbuch fuer Mineralogie, Abhandlungen, 163, 19 (1991).
構造に対するレビュー。
Structural characteristics of opaline and microcrystalline silica minerals. Graetsch Heribert, Reviews in Mineralogy, 29, 209 (1994)