goo

「理想的な海水水槽」 3.3.1.1. 海で水流を作っているものは何か


デュプラメソッド「理想的な海水水槽」

3.3.1.1. 海で水流を作っているものは何か


干潮と満潮の間に、陸に向かう水と陸から離れていく水が1時間静止する時間帯がある。この潮流の静止時間中に、魚たちは今までいた水域から次の時間帯の活動水域へと移動する。強い潮流を避けてリーフ内に逃げ込んだ魚たちは、干潮の間の5~6時間を、すべてのものが動かなくなる静止した水の中でやり過ごさなければならない。熱帯の太陽の下、タイドプールの水温は40℃にまで上昇する。無脊椎動物の中には耐えられず死ぬものもいるが、魚は冷静にこれに耐える。まるで、一定の時間が過ぎれば再び新鮮で透き通った、冷たい、そして酸素を多く含んだ水に助けられることを知っているかのように。

熱帯地方の海域の潮流は、水深100m付近まで確認されている。プランクトンの死骸や枯れた海草などの有機物は、海底に沈殿し堆積していく。途方もない水圧に押さえつけられて暮らす海底の生物には、強靭な体力が要求される。
魚たちは海の強い水流の中で泳ぐためにあらゆるテクニックを駆使し、エサを摂るために反射神経を研ぎ澄ます。弱い生物は強い肉食生物の餌食となり淘汰されていく。

たとえどれだけ優れた技術を用いて自然の海の水の動きを海水アクアリウムに持ち込んだとしても、それは安っぽい模造品に過ぎない。現在は強力なポンプで強い水流を水槽の中に作ることができる。しかし、強い水流を好まない魚や無脊椎動物もいるということも考慮する必要がある。これらの生物は自然の中では深い海や水流が直接当たらない場所に生息している。海水水槽で水流を作る時には、こういった生物の要求にも応えられる環境を作ってやらなければならない。




ブログ内検索キーワード
水流 干潮 満潮 水域 潮流 リーフ 熱帯 太陽 タイドプール 
水温 無脊椎動物 酸素 海域 プランクトン 海草 有機物 
沈殿 堆積 水圧 エサ ポンプ 環境 







←前のページ  次のページ→


「理想的な海水水槽」目次へ


Dupla&HOBBY Exclusive トップへ

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「理想的な海... 「理想的な海... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。