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「理想的な淡水水槽」 12.3.5. 新時代の観賞魚のエサ 5/7


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

12.3.5. 新時代の観賞魚のエサ 5/7



※新時代の観賞魚のエサ 4/7より続く



以下は「AQUARIUM heute」1987年4号に掲載されたDr. Rudolf Lörzの論文の要約である。




魚にとっての脂肪とは
「生物の生命維持に必要不可欠な栄養素グループには、たんぱく質と脂肪がある。人間の場合と同様に、魚もエネルギー源としてまず第一に脂肪を利用する。

脂肪は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類される。不飽和脂肪酸の分子においては、複数の原子の結合が見られる。特に生物にとって重要なのはリノール酸およびリノレン酸であり、これらはしばしば食品にも添加されている。

デュプラリン(Dupla Rin)に含まれる脂肪は、その大部分がエサの内部で結合しており、空気中の酸素と直接結びつくことがない。脂肪は化学的変化を起こしやすい物質である。デュプラリンが顆粒状を長年維持しているのは、脂肪の減少や変質を防ぐモノグリセドを保護するために、その形状が有利であるからである。

魚に過剰な量のエサ(栄養)を与えると、体内に脂肪が蓄積されてしまう。この望ましくない過剰な体内脂肪は体表の内側や筋肉の内部、さらに内臓中に蓄えられ、魚が栄養不足の状態になった際には、これらが分解されて利用される。また体内脂肪は、脂肪に溶解するビタミンの貯蔵庫として、そして細胞の構成要素としても利用されることがある。


でんぷんの働き
でんぷんは栄養学上は炭水化物と呼ばれる。生物の体内に蓄積される単純な糖やグリコーゲンは別として、炭水化物は植物の体内にのみ存在する。炭水化物は生物のエネルギー源となり、体を構成するための基礎となる物質を生物に提供する。

炭水化物にはグルコース(ブドウ糖)、サッカロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、ラフィノーゼ、でんぷん、セルロース、ペクチン、リグニンなどがある。特に草食性が強い魚は、炭水化物をよく利用する。結合の形態によって、炭水化物は個々の構成要素であるグルコースに容易に分解される。

こうした分解は魚の胃と腸の間にある導管において、酵素の働きによって行われる。主に動物質のエサを摂っている魚はこの酵素のシステムがあまり発達しておらず、炭水化物の分解をほとんど、あるいはまったく行うことができない。

炭水化物の分解を行うことができない魚に与えるフードには、あらかじめ熱水で溶かしたでんぷんを添加しておく必要がある。こうすることで魚はグルコースを吸収することができるようになる。またフードに含まれるいくつかのでんぷんの有効な結合により、魚は消化障害を起こすことなく、ほぼ継続的な炭水化物の分解を行うことが可能である。」


Hyphessobrycon callistus(Hyphessobrycon eques)




※新時代の観賞魚のエサ 6/7へ続く




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