デュプラメソッド「理想的な海水水槽」
3.1.9. 無脊椎動物と魚のための自然にならった栄養
自然にならうというのは、海水アクアリウムという条件の中でのことを意味する。実際に生物達が珊瑚礁で摂っているエサを与えることは私たちには不可能であるが、栄養バランスのとれたドライフード(乾燥エサ)や冷凍エビ(イサザアミ)、ブラインシュリンプ、ミンチされた魚肉などが良いエサとなる。
ほとんどすべての魚は一定量の海草を栄養として摂取しているが、これは水槽の生態系サイクルを通じて私たちが知り得たことである。水槽の魚にエサを与えると食べ残しの小片が底に落ち、これらをサンゴや貝類などの無脊椎動物が食べる。サンゴにエサを与えることは難しくない。無脊椎動物とライブロックを入れた水槽に規則正しく栄養分を与えていれば水中にはたくさんのプランクトンが発生し、これらがサンゴのエサとなる。
生きた珊瑚礁全体がプランクトンのみをエサとして摂っているという面白い意見がある。これは理論的には考えられることだ。しかし珊瑚礁域のプランクトンの密度は、実はサンゴにエサとして供給できるほど高くない。多くのサンゴは透き通った水を好み、プランクトンの多い濁った水では十分な光が得られずサンゴの成長が損なわれてしまう。
最近になって、多くの報告からサンゴは硝酸塩、アミノ酸、無機化合物などを体表から吸収することがわかってきた。珊瑚礁の海域でのこれらの濃度は必ずしも高くないが、無脊椎動物の栄養としては十分な量が存在する。そして水槽内には、これらの物質が自然の海域よりもはるかに多く含まれている。
理想的な海水アクアリウムのための必要条件:できるだけ自然に即した多くの種類の栄養分を、やや少な目に与えること。ドライフードについてはビタミンやトレーサー元素、水分含有量、大きさなど、成分と品質には十分に注意を払わなければならない。
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Phyllidia varicosa(タテヒダイボウミウシ)
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