電子工作どっとログ

趣味の電子工作に関する記録を残していきます

久しぶりに更新

2011-10-01 00:00:20 | 雑記
 久しぶりに更新します。前回の投稿が6月頭なので、約4ヶ月ぶりですね。ちょっと忙しい日が続いてて、blogの方に手が回ってませんでした。最近になってちょっと時間が作れるようになったので、色々と溜まっていたものを吐き出そうと思います。といっても、そんなに無いですが。

 まずはARMマイコンについてです。秋月で扱っているSTM32VLDiscoveryという評価ボードを使う機会がありました。これはSTMicroelectronicsさんが出している評価ボードで、ARMマイコンがたったの1,100円で買えて、しかも開発環境も整っているということで、非常に期待して使い始めました。開発環境として提供されている物がいくつかあったのですが、環境構築の手順書が手元にあったのと、コードのサイズ制限等の無いという利点を考慮してAtollicのTrueStudioを選択しました。で、まあ環境構築をしてテストプログラムを実行するまでは非常にスムーズだったのですが、使っている内に色々と不満が出てきました。まずはTrueStudioのコンパイル時や使用中に出てくる宣伝のポップアップが非常に鬱陶しいです。ポンっとポップアップが出てくるだけならまだしも、何故かポップアップ起動時にPCの負荷が急増し、貧弱なPCでフリーズする事もありました。無料版を出してくれているところは非常にありがたいのですが、この宣伝ポップアップはストレスを感じるだけで、お金を出して有償版にアップデートするような気分にはならないですね。そして、TrueStudioでC++開発が出来ないというのが非常に痛いです。ARMマイコンの大きな特徴の一つにC++での開発が可能なことが上げられると思うのですが、TrueStudioを選択した時点でその特徴が丸々潰れるわけです。これは非常に残念です。
 ということで、同じく無料で整えられる開発環境として、マイコン徹底入門さんを挙げておきます。『STM32マイコン徹底入門』が非常に分かりやすく解説されているので、合わせて読めばSTMのARMマイコンの知識がかなり付くと思います。こちらでC++開発ができるかどうかは確認できていませんが・・・。
 続いて、STM32VLDisovery本体についても所感を書いておきます。まず1,100円という値段は非常に良いですね。また秋月で買えるというのも便利で良いです。とはいえ、乗っているチップが安価なものなので、”ARMマイコン”を期待して使うと色々とガッカリします。また、やけに壊れやすい気がします。使い方の問題かもしれませんが、普通に使っているつもりでも、ふと気が付くとチップやレギュレータが異常発熱していたりします。ARMの評価ボードとしては他にSTBeeなんかが有名ですが、性能が欲しい場合はそちらの方が良いかもしれません。

 話は変わって、ギヤに関して書きます。自分はしばしば小型ロボットを作るのですが、そのときに困るのがアクチュエータのトルク不足です。小型のモータは回転数は高いのですが、トルクは期待できません。ギヤを組んで回転数を落とせばトルクに変換できるのですが、小型ロボットを作る場合は多段のギアを組むのが大変です。特に小さなモジュールの樹脂ギヤはほとんど手に入らず、IndoorAirplane用のがいくつか出回っている程度では無いでしょうか。それも1つの値段が張るため、予備を含めるとちょっと・・・。そんな時に、こちらの方が非常に有益な情報を教えてくれました。
RCサーボのスペアギヤ: アニキの極秘開発記
サーボに小型のギヤが多く使われているのは以前から知っていたのですが、モジュールの詳細が分からず、また種類もたくさんあるので手が出せずにいました。そんな時に、上のblog内で紹介されていたPDS-2363/2343/PS-2173用の樹脂ギヤが3枚入りでしかもモジュール0.3の48歯(くらい)だということで、ちょうど探していたサイズだったので、大喜びで大阪日本橋に買いに行きました。ラジコンショップを回ったところ、最後の1つを見つけることが出来ました。で、家に帰ってから歯数を数えると、なんと46歯・・・。残念ながら46歯では使おうと思っているホイールとサイズがコンマ数ミリ合わず、そのままでは使えません。
 とはいえ、この値段でモジュール0.3の樹脂ギヤが3枚も手に入るというのはかなり魅力的です。有益な情報を公開してくださったアニキさんに感謝です。あと、できれば48歯のギヤが見つかれば教えてください。

 まあこんな所でしょうか。もっと色々と書くことがあった気がしますが、書いてるうちに忘れてしまいました。また何かあれば書きたいと思います。それでは。

ぐぬぬ

2011-06-04 21:07:09 | 実験
 磁力抵抗「ゼロ」の発電機 草津の男性が発明 : 京都新聞
 「平松さんは『自転車の発電機の抵抗を軽くしようと思いついたのがきっかけ。素人の発想を聞いてもらえてありがたい』と、・・・」ということですが、自転車の発電機の抵抗を軽くしたいというのは自分も考えていた事であり、現在主流の押し付け型のダイナモではなく記事内で紹介されているような円盤上に磁石を並べた物を考えていました。そこで試しに強めの磁石と適当に巻いたコイルで得られる発電量を調べたところ、それがあまりに小さくて、ちょうど抵抗の少ないハブダイナモの存在を知って満足してしまったというのもあって、諦めてしまっていました。
 今回の発明は技術としては非常に簡単なもので、誰が考え出していてもおかしくは無かったと思うのですが、現状に妥協しなかった平松さんの姿勢が今回の発明につながったのだと思います。そんな平松さんを見て反省するばかりです・・・。

縁の下の力持ち

2011-04-18 02:42:42 | 照明
 ごく簡単な物ですが、LEDを使った照明台を作ったので紹介します。

 上のをばらしたところ。

 中心に見えるのが高輝度LEDで、四方にあるのがタクトスイッチです。で、肝心の使い方は以下の通りです。

 普段は飾る物を箱のふちに乗せておいて、ずらして箱の中に入れると・・・

このように飾る物の重みでスイッチが押されてLEDが点灯します。
 裏はこんな感じです。

 電源には電気二重層コンデンサを使用しました。容量は1.5Fで、LEDを点灯させる時間はごく短いので十分だと判断しました。今までに何度か点灯させて眺めていますが、最初の充電以降は一度も充電していません。本当はこの前段に太陽電池を使った充電部をつけて、日中に充電して夜に光らせて楽しむ予定だったのですが、意外に長持ちしているので充電部は外付けにしました。まあどちらにしろ部屋の中に日光が十分に届かないので、日中でも十分な発電量は得られなかったのですが・・・。
 見ての通り、主役は上の飾りです。ガラスの内部にレーザーで3次元の模様をつけた物で、サークルの先輩が引越しの時に不用品としてくれました。手に取って見ている内に、LEDで照らしたら綺麗だろうなと思い、この照明台を作る事にしました。回路自体は非常に簡単なのですが、基板の切り出しや外箱の作成、LEDの種類や数など、意外と苦労する部分が多かったです。

1次元PSDダマシモドキ

2011-03-04 15:14:41 | 実験
 日本橋のデジットで販売されているジャンク基板が1次元PSDっぽかったので、購入していじってみました。
【デジット 特価情報】液晶基板。LCDが基板の... on Twitpic
 上のリンク先の写真にあるように、光センサ部に強い光を当てると、当てた位置に対応してLCD上の三角形内が黒で埋まります。上のリンクではスマートフォンのライトを使用しているようですが、赤外線LEDを使用してやると感度がグンと上がりましたので、恐らく赤外線用の素子なのだと思います。この素子から出てる5本のピンのうち3本はGNDで、残り2本からは光を当てる位置に応じた出力が出ているようです。
 この素子が1次元PSDとして使えるようなら、それでライントレーサを作ってみようかなと思っているので、黒い画用紙の上に白いビニールテープを貼って、その白線とセンサの位置変化で出力がどのように変化するかを実験してみました。センサ部には広角の赤外線LEDを並べました。次の写真は使用したセンサ部の写真です。相変わらず写真撮影が下手で白飛びしてますが、小さい白い四角い部品が赤外線LEDです。



2本の出力からは電流を引き出して、オペアンプで電圧に変換しました。その結果が下のグラフです。



横軸はセンサの中心と白線からのずれを表し、横軸”7”が中心に相当します。赤と青が2本のピンからの出力で、黄は赤と青の差分になっています。約2.5mm間隔でサンプリングしたのですが、中心から左右10mmの範囲では意外と綺麗な線形性が見られるようです。十分に使えそうですね。
 センサの写真を見れば分かるのですが、センサの中心部は非連続的な構造になっています。実際、狭角の赤外線LEDを当てて出力を確認した際は、中心部で出力が不連続になっていました。今回の実験では幅のある白線に反射した赤外線を検出しているので、中心部が上手く平滑化されたようです。また、出力値の時間変動が割と大きかったので、何度かサンプリングして平均を取るなどすべきだと思います。
 オペアンプによる電流-電圧変換の際に、センサの出力ピンとGNDピンをそれぞれフォトダイオードのアノードとカソードと仮定して、逆バイアスをかける方式とカソードを接地させる方式の両方を試したのですが、オペアンプからはどちらも負電圧が出力されました。自分のやり方が間違っていただけかもしれませんが、ひょっとしたらフォトダイオードでは無いのかもしれません。まあ、使えるから良いんですが。

Lipoと保護回路

2011-02-15 06:19:16 | ロボット
前回の記事からかなり間が空いてしまいました。
とりあえず、明けましておめでとうございます。本年もよろしくおねがいします。

さて、ライントレーサに搭載する電池について、ある程度決定しました。
Lipoに保護回路を付けるか否かで散々悩みましたが、値段の差や挑戦を含めて、安価なLipoと自作の保護回路を組み合わせる事にしました。

※Lipoは扱いを間違えると大変危険な代物です。以下で紹介する回路はあくまでも個人使用の案です。実際にLipoを使用する際は十分な安全対策を取る事をおすすめします。

使用するLipoはZIPPY 350mAh 1cellです。R/C Web Shop Kbで1つ520円と格安です。
このLipoは20Cまで流せるので、6A程度の過電流保護を考えます。
まず初めに考えたのは、次のような基本的な定電流回路でした。

Rsenseの両端の電圧が約0.6V以上になるとトランジスタQ1がON状態になり、FETQ2がOFF状態になります。電流が流れなくなるとトランジスタQ1がOFF状態になり、FETQ2がON状態になります。これを繰り返すことで定電流動作が作られます。
この回路だと仮にFETQ2以降で短絡が発生した場合、最大電流がFETQ2に流れ続ける事になり、最悪の場合FETQ2が破壊される可能性もあります。
事ある毎にFETの交換が必要となるとたまらないので、一工夫していったん過電流が流れると出力を完全にOFFにする回路を考えてみました。

Rsenseの両端の電圧が約0.6V以上になるとトランジスタQ1がON状態になり、トランジスタQ3、Q4で構成されるサイリスタがONになるため、それ以降は電源が切れるまでトランジスタQ5がON状態を、FETQ2がOFF状態を取り続ける事になります。
ブレッドボード上で仮組みして実験したところ、試行錯誤の末に思った通りに機能したので、これで一安心だと思いました。しかし、より実際の回路に近づけるためにFETQ2の後ろにコンデンサを追加したところ、大きな突入電流が発生し、それに反応して保護回路が働くようになってしまいました。冗長性が足りなかったんですね。
これを解決するために色々と手を加えたのですが、確実性の保てる解決策が思いつかず、結局この回路構成は諦めることになりました。無念。
仕方無いのでポリスイッチでも挟んで誤魔化そうかとも思ったのですが、ふとサイリスタが使えるのであればマイコンを通して過電流の判断をすれば冗長性を持たせられるのではないかと思いつきました。もともとマイコンを介さない保護回路を考えたのは、過電流を検出して電源を落とすのであればマイコンが機能しない状態でも保護が働かなければならないからです。サイリスタを使用すればそれが実現できるのであるから、冗長性の無いアナログ回路を組む必要は無い事になります。即時性という点ではアナログ回路に劣りますが、今回は使用するLipoの容量的にそこまで厳格に監視しなくても大丈夫かなと判断しました。
という事で、とりあえず暫定的に次の回路に決定しました。

10mΩ程度の測定用抵抗を挟んで、その電圧をオペアンプで増幅しておおまかな電流を測定するつもりです。で、過電流が流れていると判断すればSHDN信号を出し、サイリスタをON状態にしてFETをOFFする形になります。とりあえずLow-sideでの電流測定にしていますが、電源電圧がさほど大きく無いのでHigh-sideでも良いかもしれません。
まだまだ設計段階なので実際に機能するか実験してみないと分かりませんが、とりあえず形にはなったので安心しました。
Lipoが火を噴く事があればまた報告します。そんな機会が無ければ良いですが。