久し振りに荷風散人の『つゆのあとさき』繙讀に挑む。花柳小説の神髄。今で言えば、二十代のホステスと中年間近の常連客との日常。 この作品は二十代から読んでいるが、自分が客の男の年齢になって初めて理解できる気持ちの描写が随所にある。