東海電電旧友会

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【ただいま熱中しています(第一回)】

2014年10月24日 | 日記

甲冑の制作に取組む遠藤勇二さん(関OB会)

平成25年8月、遠藤さんを会長に会員20名で「関市甲冑制作同好会」を発足しました。
同好会発足の動機は、関市安桜ふれあいセンターで催された郷土の歴史講座で、美濃国関藩18代藩主大嶋光義(雲八)の息子である大嶋雲四郎が遠藤さんの住む関市田原下迫間で育ち、歴史上の偉人であったことを知ったこと、講師を務められた三浦一郎氏は関市小瀬に在住し甲冑の制作を手掛けられていることから“関市田原の宝を市民の宝に”を掲げ甲冑の制作に取組むことにしたものです。
以来、週一回集まって制作の手順と進捗具合を調整し、昨年12月には兜(かぶと)が出来上がり今年2月には三浦一郎氏の師匠である熱田伸道氏(名古屋市熱田区に甲冑工房を持つ本名小川伸夫氏)を迎え、兜20基の発表会を行いました。
遠藤さんの兜は10枚の花びら状の鉄片からなり、縁を曲げ鎚で叩いて半円形のドーム型に。10枚の鉄片の縁を鋲で繋ぎ合わせ、合わせ目の縁はヤスリで凸部を押え、黒塗りの強固な「十間筋兜の鉢」です。全面の前立てには「三日月」と家紋の「三ッ亀甲」を黄金色であしらい威容を誇っています。
今年一月から、縅(おどし=組紐)、籠手(こて=肘から手の甲を覆う)、佩盾(はいたて=大腿部を覆う)、臑当(すねあて=膝下のすねを覆う)を終え、8月からは胴(どう)、袖(そで=肩から二の腕を覆う)、草摺(くさづり=胴の下部に下がる垂)に取掛り、12月にはすべてを終え『当世二枚胴具足』の完成を目指しており、来年4月の関まつりには“武者行列”で披露したいとのことです。
なお、遠藤さん率いる同好会は“すべて本物づくり”がテーマであり、厚さ0.6㎜の鉄片で7~8㎝の小札(こざね)を作り、小札を威す(おどす=小札を綴じつける)方式を用いています。また籠手の肘から二の腕にかかる当具の鎖は針金を切って直径4㎜程の輪を作り、一つ一つを楕円に曲げて繋ぎ、黒の色付けとたいへん緻密な手仕事に気が遠くなります。
各地の城下町で誕生している武将隊の甲冑は、材料の軽量化と手間を簡便化し見栄えするよう作られていますが、この同好会では材料をはじめ制作過程もすべて昔の手法により手間と暇をかけて本物を再現する全国でも極稀なケースと言われています。
見事な完成を期待しています。頑張れ遠藤さん!!