マウスコンピューターは7月16日、プロセッサに第10世代Core i7、GeForce GTX 1650のメモリをGDDR5からGDDR6へ、新筐体などを採用した新しい「G-Tune P5」を発表した。編集部から実機が送られて来たので試用レポートをお届けしたい。
旧モデルからパワーアップした新G-Tune P5
旧モデルとなる2019年版のG-Tune P5は、Core i7-9750H、GeForce GTX 1650(GDDR5)、少し厚みがあり重い筐体、タッチパッドが2ボタン式……といった感じだった。正面から見た感じは新モデルに似ているが、横から見ると結構分厚く、放熱用スリットの形状もかなり異なる。
対して今回ご紹介する新型2020年版G-Tune P5は、第10世代Core i7-10750H、同じGeForce GTX 1650でもメモリがGDDR6へ。同社によると性能的にCPUで約7.8%(CINEBENCH R20/シングルコア比)、dGPUで約6.2%(3DMark Fire Strike Graphics Score比)向上しているとのこと。さらに薄型/軽量化の新筐体、1枚プレート式のタッチパッドなど、プロセッサ以外にもいろいろ改良されている。おもな仕様は以下のとおり。
マウス「G-Tune P5」の仕様 |
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---|---|
プロセッサ |
Core i7-10750H(6コア12スレッド/2.6GHz~5.0GHz/キャッシュ 12MB/TDP 45W) |
メモリ |
8GB/PC4-21300 DDR4 SODIMM(2スロット空き1/最大32GB×2) |
ストレージ |
NVMe SSD 256GB |
OS |
Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ |
15.6型IPS式フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢、HDMI/Mini DisplayPort |
グラフィックス |
GeForce GTX 1650(4GB/GDDR6) |
ネットワーク |
Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5.0 |
インターフェイス |
USB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、カードリーダー、100万画素Webカメラ、音声入出力 |
キーボード |
日本語バックライトキーボード(1ゾーン設定対応 RGB LED/104キー/キーピッチ約19.0mm/キーストローク約1.8mm) |
バッテリ駆動時間 |
約10時間 |
サイズ/重量 |
359.5×238×22.8mm(幅×奥行き×高さ)/約2.02kg |
Web販売価格 |
119,800円(税別)から。Office Personal 2019搭載モデルは価格139,800円(同)から |
プロセッサは第10世代Comet LakeのCore i7-10750H。6コア12スレッドでクロックは2.6GHzから最大5.0GHz。キャッシュは12MB、TDPは45W。旧モデルと比較して一番の違いはこことなる。
メモリはPC4-21300 DDR4 SO-DIMMの8GB×1。従ってシングルチャネル作動だ。メモリスロット自体は2つあり、最大32GB×2の計64GBまで対応している。ストレージはNVMe SSD 256GB。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。
グラフィックスはGeForce GTX 1650(4GB/GDDR6)。SKU自体は旧モデルと同じだが、先に書いたとおり、GDDR5からGDDR6へ変更され、その分、性能が向上している。外部出力用にHDMIとMini DisplayPortを装備。ディスプレイは、非光沢でIPS式の15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)。
ネットワークはGigabit Ethernet、Wi-Fi 6対応、Bluetooth 5.0。Wi-Fi 6対応はポイントが高い。その他のインターフェイスは、USB 3.1 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0 Type-A×1、カードリーダ、100万画素Webカメラ、音声入出力。またRGBキーボードバックライトも搭載している。
サイズは359.5×238×22.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.02kg。旧モデルが約2.3kgだったので結構軽くなった。バッテリ駆動時間は約10時間。Web販売価格で119,800円(税別)からとなる。
なおカスタマイズでは、Windows 10 Pro、メモリ16GB/32GB/64GB、SSD 256GB(高速)/512GB(普通/高速)/1TB(普通/高速)、追加用のSSDまたはHDDなどを選択可能だ。
筐体はオールブラック。カテゴリ的にはゲーミングPCであるが、クリエイターなど他の用途で使っても違和感のないデザインだ。厚み22.8mm、重量約2.02kgと言うこともあり、見た目より持った感じは軽く、内容の割には軽量級となるだろうか。
前面はパネル中央上にWebカメラ。上左右は狭額縁だ。本体側面右側にステータスLED。左側面にロックポート、USB 3.0 Type-A×1、USB 2.0 Type-A×1、音声入出力。右側面にGigabit Ethernet、USB 3.0 Type-A×1、USB 3.1 Type-C、カードリーダ。そして後ろ側面にMini DisplayPort、HDMI、電源入力を配置。裏は手前左右にスリットにスピーカーがある。付属のACアダプタは、サイズ約130×65×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量416g、出力19.5V/6.15A。
キーボードはプログラマブルなRGBバックライトを備えたアイソレーションタイプでテンキーつきの104キーだ。主要なキーピッチは約19mm。手前やテンキーなど一部狭くなっているが、とくに目くじら立てるほどでもないだろう。打鍵感はストロークが約1.8mmと割と深めで、跳ね返りも結構ある。タッチパッドは1枚プレート型だ。旧モデルでは2ボタン式だったこともあり、ボタンがない分、面積が広くなっている。
15.6型のディスプレイは非光沢で眼に優しく、コントラスト、視野角は良好。明るさは少し暗めで色域は狭めだ(と言ってもsRGBのレベルはある)。
i1 Display Proを使い特性を測ったところ最大輝度は260cd/平方m。やはりそれほど明るくない。標準の120cd/平方mは、最大から-5が136cd/平方m、-6が110cd/平方mとなった。従って前者で計測している。黒色輝度は0.145cd/平方m。つまり、(目視可能かは別として)若干黒が浮く。リニアリティは、ほぼ直線なのだが揃っているR・Gに比べてBだけズレているのがわかる。
振動やノイズは試用した範囲ではとくに気にならなかった。発熱は負荷をかけるとキーボード上のスペースが熱を持つものの、キーボードやパームレストまでは降りて来ないため大丈夫だ。
サウンドはスピーカー用のスリットが斜め下向きになっているため、耳には直接音と間接音の両方が届く。幅もあるためステレオ感は十分なのだが、音質以前にパワーが足らない。ゲーミング用と言うこともあり、もっとガンガン鳴ってほしいところか。
Core i7とGeForce GTX 1650でノートPCとしてはハイパフォーマンス
初期起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。ユーザーサポートグループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙のみの変更とシンプル。
操作感は、一般的なPCとしてみた場合、Core i7/8GB/NVMe SSD/GeForce GTX 1650と言うコンビネーションなので十分快適だ。
ストレージはNVMe SSD 256GBのSK HYNIX「HFS256GD9TNG-L2A0A」(PCIe Gen3/256GB/M.2 2280 S2)。同社の仕様によると256GBモデルでSequential Read:3,100MB/s、Sequential Write:1,300MB/s。CrystalDiskMarkのスコアはほぼそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約237.24GBが割り当てられ空き203GB。
Gigabit EthernetはRealtek製、Wi-FiとBluetoothはIntel製。GeForce GTX 1650はCUDAコア896、メモリ4,096MB/GDDR6。前半にも書いたが旧G-Tune P5ではGDDR5だった。
おもなプリインストールのソフトウェアは、「Control Center 3.0」、「Fan Speed Setting」、「Flexikey」、「Fn Hotkeys and OSD」、「LED Keyboard Setting」、「McAfee Personal Securty」、「Windows 10ユーザーガイド」(PDF)、「飯山の自然」、「世界級リゾートへようこそ。山の信州」、「乃木マウスギャラリー」、「ハードウェアマニュアル」(PDF)など。
Control Center 3.0は名前のとおり本機のコントロール系がまとまっている。Power Modes、Flexikey、LED Keyboard Setting、Fan Speed Settingと4つあるが、Power Modes以外は外部プログラムとなる。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R20、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Officeを実施してみた。
CPU/dGPUに関連する各スコアは、構成がほぼ同じのデルのXPS 17(Core i7-10750H、GeForce GTX 1650 Ti)と非常によく似ている。シングルチャネルの影響も少なそうだ。Core i7-10750H+GeForce GTX 1650だとおおよそこの辺りと言う目安になるのだろうか。
PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは6時間38分(キーボードバックライトオフ。明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。仕様上は最大10時間なので数時間短いものの、比較的負荷がかかるテストなので仕方ないところ。
【表】ベンチマーク結果 |
|
---|---|
PCMark 10 v2.1.2177 |
|
PCMark 10 Score |
4,544 |
Essentials |
9,238 |
App Start-up Score |
13,893 |
Video Conferencing Score |
7,206 |
Web Browsing Score |
7,877 |
Productivity |
7,034 |
Spreadsheets Score |
8,927 |
Writing Score |
5,543 |
Digital Content Creation |
3,919 |
Photo Editing Score |
6,694 |
Rendering and Visualization Score |
2,667 |
Video Editting Score |
3,373 |
PCMark 8 v2.8.704 |
|
Home Accelarated 3.0 |
3,726 |
Creative Accelarated 3.0 |
3,744 |
Work Accelarated 2.0 |
5,129 |
Storage |
5,052 |
3DMark v2.12.6964 |
|
Time Spy |
3,518 |
Fire Strike Ultra |
1,900 |
Fire Strike Extreme |
4,036 |
Fire Strike |
8,417 |
Sky Diver |
24,368 |
Cloud Gate |
30,599 |
Ice Storm Extreme |
83,546 |
Ice Storm |
76,448 |
CINEBENCH R20 |
|
CPU |
2,543 pts(7位) |
CPU(Single Core) |
487 pts(1位) |
CrystalDiskMark 6.0.0 |
|
Q32T1 シーケンシャルリード |
3111.613 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト |
989.559 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード |
543.593 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト |
734.073 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード |
497.540 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト |
432.019 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード |
28.848 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト |
152.688 MB/s |
以上のようにマウス「G-Tune P5」は、第10世代のCore i7、メモリ8GB、ストレージNVMe SSD 256GB、GeForce GTX 1650(4GB/GDDR6)を搭載した15.6型ゲーミングノートPCだ。旧モデルと比較して、プロセッサだけでなく、薄型軽量化など、大技小技とさまざまな改良が施されている。カスタマイズでメモリやストレージを増強でき、用途や予算に応じた構成が選べるのも魅力的だ。
GeForce GTX 1650なのでゲーミング用としては超高性能ではないものの、それなりに速く、仕様上とくに気になる部分もない。比較的安価にこのクラスが欲しいユーザーにおすすめしたい1台と言えよう。
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