日本グルーヴチューン振興会

2009年の5枚:シングル編

いよいよ2009年のCD総括も佳境に入ってきました(笑)
今年は、ちょっと番外編も書こうかなと思ってはいるのですが。

まず1曲目は、Chicago Poodle「ODYSSEY」
Odyssey できるだけ、偏見無くCDを買う様に心がけているつもりですが、どうしても手が出ないゾーンというのがあったりします。
レーベルという括りで言えば、GIZAというビーイング系レーベル。
90年代前半を席巻した、ビーイングブームというモノにある種、嫌悪感を持っていた気がします。
ただ、そんな中で出会ったこの“シカゴプードル”というバンド。なかなか良いです。
個人的に、ピアノメインのアッパーポップが好きだというのが要因だと思いますが、このシングルは素晴らしい出来だと感じました。
イントロからアウトロまで、一切隙が無い。全体を通してドライヴするピアノとスリリングなストリングス、キャッチーで懐かしさを覚える美メロ、耳に馴染む声質のヴォーカル・・・・とまあ、ツボにくるファクター満載(笑)
惜しむらくは、このシングル以降の彼らの曲に、ワクワクが感じられないコト。
フロックで無いって、信じたいんだけどな~

2曲目は、RHYMESTAR「ONCE AGAIN」
Onceagain コレは、レヴュー出来ずにいた盤です。
元々、ヒップホップとかラップとか苦手な方です。
特に、バックトラックに一切のキャッチーさが無い曲が。
そんな中、好きだな~って思える数少ないグループの一つがこのRHYMESTAR。
クレイジーケンバンドと一緒にやった「肉体関係」とか好きだったな~
この曲に関しては、もうサビを聴いた瞬間に「カッコいいっ!!!」って思っちゃったんですよ。
ジャケットもクールだけど、サウンドはソレ以上で。
バックトラックの細かいフレーズ一つ一つが琴線に触れる。勿論、宇多丸とMummy-Dのラップも楽曲のカッコよさの大きな要因であります。
昨今流行の“叙情系ラップ”?(爆)には到底到達できない次元で存在感を放つ、そんな風に思ったのでした。

3曲目、TOKYO №1 SOUL SET+HALCALI「今夜はブギー・バック」
Boogieback これまた、未レヴューの曲です(苦笑)
言わずと知れた、小沢健二とスチャダラパーによるコラボチューンのカヴァー。
名曲として、数多くのカヴァーが存在し、ライヴなどでもセッション披露されるコトの多い楽曲ですが、このカヴァーヴァージョンは個人的に大好きです。
テンポアップし、ギターロックのテイストを強めたバックトラック。HALCALIのヴォーカルを生かす為に潔くラップ部を切り捨てる判断。車のCMソングらしい疾走感溢れる曲構成。
どこをとっても、ソウルセットの意識が行き届いている様に感じました。
そして、ユルいラップチューンを歌ってたHALCALIが、こんな感じで歌えるんだ・・・って思えたのも収穫(笑)

前述のRHYMESTARと、この曲は実は娘の意見が大きく反映しています。
私が買ってきたCDを全て聴き、尚且つレンタルでも年間数百枚を聴く彼女の意見を、私も参考にさせてもらう様になりました

というコトで、4枚目は星羅「数字と恋」
Suujitokoi 世間的なイメージとしては、シンガーソングライターというよりは“なっちゃん”のCMの方が強いかもしれませんが、彼女のシンガーソングライターとしてのポテンシャルは相当に高いと思ってます。
まず、ヴォーカルが魅力的。
この、嫌味の無いザラつき加減は天性の才能だなぁ・・って思うのです。
まだ若いが故の青臭さ、そして若くとも女性なんだって感じる仄かな色気、この2つをバランス良く併せ持つ。
その結果、聴こえてくる歌に何とも言えない独特の世界がある。
実に雰囲気のある佇まいが生まれる。
そして、コンポーザーとしても将来が楽しみ。
自作の曲が2曲収められているけど、その2曲がどちらも素晴らしい。自分の声質に合ったフックを作るのに長けたタイプだと感じました。
早く、アルバム作って欲しいと思います。

最後は、多和田えみ「時の空」
Tokinosora 実は、個人的にはこのシングルがベスト1だと思ってます。
多和田えみというヴォーカリストの魅力が溢れた作品に仕上がってて、何度聴いても飽きない。
彼女のヴォーカルの素晴らしさは何度も書いてきましたが、今回のキモは楽曲を作曲したSaigenji。
ブラジリアンテイストをベースに、ジャズやファンクの要素も加えつつ、独自のポップスワールドを構築する異才。
今回の曲に関しては、ホントに素晴らしいメロディが全編にあるのです。
フックが効いてるのに俗っぽくならず、実に心地良く身体に染みとおる。
タイトルチューンのアレンジは森俊之ですが、沼澤尚&鈴木正人という趣味のいいリズムセクションをバックに、彼自身が弾くフェンダーローズとストリングスが柔らかく雰囲気を作る仕事に感服。
ちなみに、カップリングの「MUSING」のアレンジはSaigenji自身ですが、こちらもホーンとスキャットとギターの絡みが絶妙な逸品。サビメロもキャッチーです。
結局このシングル、メロディとアレンジと歌唱が、めちゃめちゃハイレヴェルなゾーンで融合した名盤だと断言します。

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