電車男。いまさらですが、話題になってますね。
俺は、6月ごろネットで読みました。
とても面白いです。
でも、いろいろと裏側を考えてしまう、大人な俺。
ちょっと寂しいです。
でも、どんな風に映像化されるか、とても興味があります。
で、全然関係ないのですが、土産男という話を書いてみます。
ちょっとした小話です。はい。
「土産男」
第一幕 新幹線にて
2泊3日の京都出張からの帰り道。
ここは新幹線のぞみ号の中。
俺は、なんだかとても不安な気持ちになっていた。
「この言い知れない不安感は、いったいなんなんだ?」
仕事も順調だった。何も不安になることなんかないはずだ。
でも、何か忘れている。何かを…。
「ヤバイ!おみやげ買い忘れた!」
_| ̄|○
会社へのお土産を、すっかり買い忘れてしまったのだ。
お土産買い忘れたなんて、部長はなんて言うだろう?
お局様や、後輩の女の子たちに、いったいどんなイヤミを言われるか…。
俺は、ひとりでオロオロしていた。
「うーん、うーん。」と、必死で策を考える。
「そうだ!京都土産なんて、デパートで何か見繕って買っちゃえばいいじゃん!」
定番の生八橋とか、どこでも売ってるし!
イヤッホー!
第二幕 デパートにて
というわけで、次の朝。
会社に、立ち寄りで少し遅れるという電話を入れた俺。
通勤途中のターミナル駅で降りて、デパートの地下食品売り場を目指す。
ビンゴ!各地名産品を取り揃えた店があるじゃん!
さすがは○○デパート!
「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」と現れたのは、オバちゃん店員。
「あのー、すいません。京都の品を探してるんですけど…。」
「はいはい。生八橋に、そばぼうろ。ここらへんがオススメですね。」
「じゃぁ、それください。あと、粟おこしも。」
「これ大阪のですけど、いいんですか?」
なんだか、オバちゃんニヤニヤしてるぞ。なんで?
「ええ、いいですけど。何か?」
「いえいえ。あっ、あとデパートの紙袋しかないんですけど、大丈夫ですか?」
「げっ、いやいや。大丈夫です。そんなんじゃありませんから。はい。」
こりゃ、かなり挙動不審だな、俺。
でも、オバちゃんがニヤニヤしている訳がなんとなくピンときた。
もしかして、不倫のアリバイ作りと思われたんじゃぁ!?
きっとそうだ。
京都に出張に行ったとか言っといて、実は都内で不倫相手とシケこんだと思われたに違いない。
きっとそんな人もいっぱいいるんだろうなぁ…。
って、感心してる場合じゃないぞ。
やばい!そろそろ会社に行かなきゃ!
第三幕 会社にて
というわけで、急いで会社に到着。
お土産をデパートで買ったとバレないか、ちょっと心配だけど…。
「いやあ、ご苦労さん。どうだった出張は?」と部長。
「はい。あのですねぇ…」と話し始めた俺だが、部長ときたら…
「話は後で聞くとして、とりあえずお土産は?」
全く、コイツときたら…。
「はい。今回は渋めにキメてみました。栗入り生八橋に、そばぼうろ。あと、大阪の粟おこしです。」
「ふーん、なかなかいいじゃん、渋めで。」と現れたのはお局様。
「あれ?でも、なんでデパートの紙袋なわけ?」
「げっ!いやぁ、元の紙袋が破れちゃって、それでそのう、家にあったやつを…」
全く、変なところに鋭いんだから。
「ふーん。まぁいいや。じゃぁ、さっそくいただこうかしら。」
「で、出張の件だけど…」と、部長。
「えーとですねぇ…」と、俺。
背中でガサゴソ、ボリボリしてる音を聞きながら、ちょっとホッとした。
「そんなに心配することもなかったじゃん。やれやれ。」
報告が終わって、後ろを振り返ると…。
げっ。いつのまにか、女の子たちがお土産にタカってるよ。
どこから涌いてきたんだよ。全く、もう…。
そのとき!お局様が耳元にささやいてきた。
「あんた、紙袋にレシート入ってたわよ。あはは。」
「げげっ!こ、このことは内密に…」
「ふふっ。今晩付き合いなさいよ。わかったわね。」
トホホ…。
辛い夜になりそうなヨカーン。
_| ̄|○
教訓
お土産買い忘れるべからず。
レシートを紙袋に入れるべからず。
おそまつ!
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俺は、6月ごろネットで読みました。
とても面白いです。
でも、いろいろと裏側を考えてしまう、大人な俺。
ちょっと寂しいです。
でも、どんな風に映像化されるか、とても興味があります。
で、全然関係ないのですが、土産男という話を書いてみます。
ちょっとした小話です。はい。
「土産男」
第一幕 新幹線にて
2泊3日の京都出張からの帰り道。
ここは新幹線のぞみ号の中。
俺は、なんだかとても不安な気持ちになっていた。
「この言い知れない不安感は、いったいなんなんだ?」
仕事も順調だった。何も不安になることなんかないはずだ。
でも、何か忘れている。何かを…。
「ヤバイ!おみやげ買い忘れた!」
_| ̄|○
会社へのお土産を、すっかり買い忘れてしまったのだ。
お土産買い忘れたなんて、部長はなんて言うだろう?
お局様や、後輩の女の子たちに、いったいどんなイヤミを言われるか…。
俺は、ひとりでオロオロしていた。
「うーん、うーん。」と、必死で策を考える。
「そうだ!京都土産なんて、デパートで何か見繕って買っちゃえばいいじゃん!」
定番の生八橋とか、どこでも売ってるし!
イヤッホー!
第二幕 デパートにて
というわけで、次の朝。
会社に、立ち寄りで少し遅れるという電話を入れた俺。
通勤途中のターミナル駅で降りて、デパートの地下食品売り場を目指す。
ビンゴ!各地名産品を取り揃えた店があるじゃん!
さすがは○○デパート!
「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」と現れたのは、オバちゃん店員。
「あのー、すいません。京都の品を探してるんですけど…。」
「はいはい。生八橋に、そばぼうろ。ここらへんがオススメですね。」
「じゃぁ、それください。あと、粟おこしも。」
「これ大阪のですけど、いいんですか?」
なんだか、オバちゃんニヤニヤしてるぞ。なんで?
「ええ、いいですけど。何か?」
「いえいえ。あっ、あとデパートの紙袋しかないんですけど、大丈夫ですか?」
「げっ、いやいや。大丈夫です。そんなんじゃありませんから。はい。」
こりゃ、かなり挙動不審だな、俺。
でも、オバちゃんがニヤニヤしている訳がなんとなくピンときた。
もしかして、不倫のアリバイ作りと思われたんじゃぁ!?
きっとそうだ。
京都に出張に行ったとか言っといて、実は都内で不倫相手とシケこんだと思われたに違いない。
きっとそんな人もいっぱいいるんだろうなぁ…。
って、感心してる場合じゃないぞ。
やばい!そろそろ会社に行かなきゃ!
第三幕 会社にて
というわけで、急いで会社に到着。
お土産をデパートで買ったとバレないか、ちょっと心配だけど…。
「いやあ、ご苦労さん。どうだった出張は?」と部長。
「はい。あのですねぇ…」と話し始めた俺だが、部長ときたら…
「話は後で聞くとして、とりあえずお土産は?」
全く、コイツときたら…。
「はい。今回は渋めにキメてみました。栗入り生八橋に、そばぼうろ。あと、大阪の粟おこしです。」
「ふーん、なかなかいいじゃん、渋めで。」と現れたのはお局様。
「あれ?でも、なんでデパートの紙袋なわけ?」
「げっ!いやぁ、元の紙袋が破れちゃって、それでそのう、家にあったやつを…」
全く、変なところに鋭いんだから。
「ふーん。まぁいいや。じゃぁ、さっそくいただこうかしら。」
「で、出張の件だけど…」と、部長。
「えーとですねぇ…」と、俺。
背中でガサゴソ、ボリボリしてる音を聞きながら、ちょっとホッとした。
「そんなに心配することもなかったじゃん。やれやれ。」
報告が終わって、後ろを振り返ると…。
げっ。いつのまにか、女の子たちがお土産にタカってるよ。
どこから涌いてきたんだよ。全く、もう…。
そのとき!お局様が耳元にささやいてきた。
「あんた、紙袋にレシート入ってたわよ。あはは。」
「げげっ!こ、このことは内密に…」
「ふふっ。今晩付き合いなさいよ。わかったわね。」
トホホ…。
辛い夜になりそうなヨカーン。
_| ̄|○
教訓
お土産買い忘れるべからず。
レシートを紙袋に入れるべからず。
おそまつ!
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