プライベート モブロガー(結局競馬予想ブログ?)

プロの手による、プライベートな目線のブログです。競馬予想もお楽しみに!

電車男と土産男。

2004-11-04 00:09:30 | 小説など書き物
電車男。いまさらですが、話題になってますね。

俺は、6月ごろネットで読みました。

とても面白いです。

でも、いろいろと裏側を考えてしまう、大人な俺。

ちょっと寂しいです。

でも、どんな風に映像化されるか、とても興味があります。


で、全然関係ないのですが、土産男という話を書いてみます。

ちょっとした小話です。はい。



「土産男」


第一幕 新幹線にて


2泊3日の京都出張からの帰り道。

ここは新幹線のぞみ号の中。

俺は、なんだかとても不安な気持ちになっていた。

「この言い知れない不安感は、いったいなんなんだ?」

仕事も順調だった。何も不安になることなんかないはずだ。

でも、何か忘れている。何かを…。

「ヤバイ!おみやげ買い忘れた!」


_| ̄|○


会社へのお土産を、すっかり買い忘れてしまったのだ。

お土産買い忘れたなんて、部長はなんて言うだろう?

お局様や、後輩の女の子たちに、いったいどんなイヤミを言われるか…。

俺は、ひとりでオロオロしていた。

「うーん、うーん。」と、必死で策を考える。

「そうだ!京都土産なんて、デパートで何か見繕って買っちゃえばいいじゃん!」

定番の生八橋とか、どこでも売ってるし!

イヤッホー!



第二幕 デパートにて


というわけで、次の朝。

会社に、立ち寄りで少し遅れるという電話を入れた俺。

通勤途中のターミナル駅で降りて、デパートの地下食品売り場を目指す。

ビンゴ!各地名産品を取り揃えた店があるじゃん!

さすがは○○デパート!

「いらっしゃいませ。何をお探しですか?」と現れたのは、オバちゃん店員。

「あのー、すいません。京都の品を探してるんですけど…。」

「はいはい。生八橋に、そばぼうろ。ここらへんがオススメですね。」

「じゃぁ、それください。あと、粟おこしも。」

「これ大阪のですけど、いいんですか?」

なんだか、オバちゃんニヤニヤしてるぞ。なんで?

「ええ、いいですけど。何か?」

「いえいえ。あっ、あとデパートの紙袋しかないんですけど、大丈夫ですか?」

「げっ、いやいや。大丈夫です。そんなんじゃありませんから。はい。」

こりゃ、かなり挙動不審だな、俺。

でも、オバちゃんがニヤニヤしている訳がなんとなくピンときた。

もしかして、不倫のアリバイ作りと思われたんじゃぁ!?

きっとそうだ。

京都に出張に行ったとか言っといて、実は都内で不倫相手とシケこんだと思われたに違いない。

きっとそんな人もいっぱいいるんだろうなぁ…。

って、感心してる場合じゃないぞ。

やばい!そろそろ会社に行かなきゃ!



第三幕 会社にて


というわけで、急いで会社に到着。

お土産をデパートで買ったとバレないか、ちょっと心配だけど…。

「いやあ、ご苦労さん。どうだった出張は?」と部長。

「はい。あのですねぇ…」と話し始めた俺だが、部長ときたら…

「話は後で聞くとして、とりあえずお土産は?」

全く、コイツときたら…。

「はい。今回は渋めにキメてみました。栗入り生八橋に、そばぼうろ。あと、大阪の粟おこしです。」

「ふーん、なかなかいいじゃん、渋めで。」と現れたのはお局様。

「あれ?でも、なんでデパートの紙袋なわけ?」

「げっ!いやぁ、元の紙袋が破れちゃって、それでそのう、家にあったやつを…」

全く、変なところに鋭いんだから。

「ふーん。まぁいいや。じゃぁ、さっそくいただこうかしら。」

「で、出張の件だけど…」と、部長。

「えーとですねぇ…」と、俺。

背中でガサゴソ、ボリボリしてる音を聞きながら、ちょっとホッとした。

「そんなに心配することもなかったじゃん。やれやれ。」

報告が終わって、後ろを振り返ると…。

げっ。いつのまにか、女の子たちがお土産にタカってるよ。

どこから涌いてきたんだよ。全く、もう…。

そのとき!お局様が耳元にささやいてきた。

「あんた、紙袋にレシート入ってたわよ。あはは。」

「げげっ!こ、このことは内密に…」

「ふふっ。今晩付き合いなさいよ。わかったわね。」

トホホ…。

辛い夜になりそうなヨカーン。


_| ̄|○



教訓

お土産買い忘れるべからず。

レシートを紙袋に入れるべからず。

おそまつ!

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秋のG1スタート記念!8年前に書いた競馬小説を公表いたします!

2004-10-03 02:06:32 | 小説など書き物
舞台は、1996年の11月10日、エリザベス女王杯当日。
ホントにくだらないのですが、競馬ファン(特にサイン派)にはたまらないはず。

ちなみに
1着 ダンスパートナー
2着 フェアダンス
3着 シーズグレイス

単240 複130 210 1150 枠810(3番人気) 馬960(2番人気)

タイトルは「どうなった?競馬~はじめてのデート」です。

こんにちは。

わたし、22歳のOLです。

彼氏いない歴22年だった、わたし。

こんなわたしに、初めて彼氏が出来ました。

女の幸せって、こんな感じなのかなー。ウフッ!

彼と初めてのデートの時の話です!
忘れもしない、11月10日のこと・・・。

その日は、午前11時に新宿駅南口で待ち合わせました。

わたしは、ちょうど11時に駅に着いた。
彼の姿を探すと・・・。いたいた!
タバコを吸いながら、待ってたんです。でも、でも・・・!

耳から黒いヒモが出てる!いったい何?

よく見ると、どうもイヤホンみたい。いったい何を聞いているのかしら?

彼ったら「ちょっと買いたい物があるんだけど、いいかな?」だってー。

きっと、タイムズ・スクエアーねっ!
わたし、もちろん「いいよー!」て言いました。

彼ったら、横断歩道を渡って、新南口のところからなぜか階段を下りていったんです。
「あーっ!きっとビクトリアで、スキーかボード関係ね!」って思ったんです。
でも、でもー!ビクトリアを通り過ぎて、さらにまっすぐ進んで行ったんです。
「いったい、どこに行くのかしら?」
ふと気づくと、まわりには怪しいおやじがいっぱい!なんか変!

「ほら、ここだよ!」って彼。

「W・I・N・S ?」いったい何をする所なの?

なんだか、すごい人ゴミ!
入った所には売店があって、新聞や赤いマジックを売ってるんです。
彼ったら、慣れた感じで階段を上っていった。一体何を買うつもりなんだろう?
わたし、急いで彼の後に付いて行ったんです。

2階につくと、さらにすごい人ゴミ!彼は「やっぱり3階だな!」って言うと、さらに上の階へ。

3階に着くと、なんだか自動販売機の前にみんな並んでるの。
「もう!いったい何なの?」って聞いたら、彼ったら

「馬券だよ!」だって!もしかして競馬!?

わたしパパから「ギャンブルだけはやっちゃいかん!」って育てられたから、なんだか悪いことをしてるみたいで、ちょっとドキドキした。

結局1時間も並んだの。

ちょっと頭にきたけど、彼の馬券を手にしたときの嬉しそうな顔を見たら
「ま、いっかー」って思えたの。

「もう、こんな時間!」時計を見るとお昼をまわっていたんです。
「ねえ、お昼どうするー?」って聞いたら、彼ったら

「何か軽いもんでいいかな?」

だってー。
きっと、イタリアン!パスタねっ!
わたし、もちろん「いいよー!」て言いました。

「ほら、ここだよ!」って彼。

連れて行かれたのは「京タコ」

えっ?イタリアンじゃないの?いったい何のお店かしら?
よく見ると、なんか丸い物を焼いてる!もしかして、タコ焼き?

「タコ焼きでいいかなー?」って彼。

わたし、ちょっとショックだったんです。
でも、タコ焼きってあんまり食べたことないし、まっ、いっかーって思ったの。(けっこーおいしかったしね)

ホントに軽い食事が終わって、新宿の街を歩きました。
彼の耳からは、イヤホンも消えてて、ちょっとホッとした。

「映画でも見ようか?」って彼。

わたし、もちろん「いいよー!」て言いました。

映画館の中で、彼ったら、わたしの手を握ってきた!
なんか、とってもドキドキして・・・。もう、ラブラブってカンジ!

映画館を出て、手をつないで歩いた。なんか、すごい幸せってカンジ!

「都庁でも行こうか?」って彼。

きっと、展望台ねっ!
わたし、もちろん「いいよー!」て言いました。

都庁まで歩いたの。展望台への入り口は、やっぱりすごい人ゴミ!
彼ったら、「仕方ないから、今日はやめようか?」だってー。
なんか、彼、映画館を出てからソワソワしてるんです。気のせいかしら?

しょうがないから、中庭っていうか、花壇のところに行きました。
時計を見ると、もう3時30分になってたの。
花壇のレンガのところに二人で座りました。
初めてのデートだけど、今日はキスくらいならいいかなーって思ったの。ウフッ!
やっぱり彼、ソワソワしてる。この後、どうしよう?ドキドキドキ!

「ガサガサガサッ!」

彼の方を見ると、なんか新聞を広げてる!
それも、なんか見たことない変な新聞なんです!

「勝馬・・・?」また競馬!?

「今日はエリザベス女王杯なんだよ」って彼。

ちょっと頭にきたけど、彼の嬉しそうな顔を見たら
「ま、いっかー」って思えたの。

彼ったら、鞄の中から何かを取り出した。いったい、何?

「ほら、見てごらん!テレビだよ!」

携帯テレビの中には、ぐるぐる回っているお馬さんの姿が映っていたんです。

「今日の狙いはフェラダンス、じゃなかった、フェアダンス!サインからいうと、この馬なんだよ!」

「フェ、フェラダンス!?サインって何?」

わたし、なんだか悪いことをしているみたいで、ちょっとドキドキした。

そのうち、ファンファーレ(後から彼に教えてもらった言葉なんだけど)が鳴って、いよいよレースが始まるみたい!
彼ったら、携帯テレビにかじりついて、わたしのことなんか忘れてるみたい!もうっ!

「あっ!」彼が、いきなり叫んだ!

「よし、アマゾン外枠発走!」

彼ったら、聞いてもないのに「ここはダンスはダンスでもフェラダンスなんだよー!」だってー。

レースが始まったみたい、彼ったら一転無口になってテレビをじっと見てる。初めて見た真剣な顔。
ちょっとかっこいいかも!

「あーっ!」彼がまた叫んだ!

「アマゾン、よれたよね、よれたよね!降着だよ、あれじゃあ!」って言うんです。

「ねえ、何が勝ったの?」って聞くと、

「今審議中なんだよ。ダンスダンスで女王様の舞踏会ってとこかな。みんなアマゾンだって言うけどフェラなんだよ。」だってー。
なんだかよくわからない!

「よしっ!」彼がまた叫んだ!

なんだか、彼当たったみたい!とても嬉しそう!その顔を見たら、わたしも嬉しくなった!

「アマゾンはもちろん押さえたけど、ここはフェラでいいんだよ!みんなはアマゾンだって言うけど、当たったんだから。」

彼ったら、「またちょっと、行きたいところがあるんだけどいいかなー?」だってー。

今度は、どこに行くのかしら?わたし、ドキドキしながら「いいよー!」って言ったんです。
彼ったら、わたしの手を握ってきた。キャーッ!ドキドキッ!

「南口に用があるんだけど・・・。」

また南口?まさか、またあそこに行くんじゃないよね。まさか・・・。

連れて行かれたのは、やっぱりWINS!もうっ!

彼ったら、1階の自動販売機の所に並んだ。わたし、ちょっと頭にきたんです!
競馬とわたしのどちらが大事なのかしら?そして、ちょっと不安になった・・・。

彼の番が来て、馬券を機械に入れた。そうしたら、たくさんの一万円札が・・・!すごい!

「よし、今日は大勝利だな!」って彼。

「いろいろつきあわせて悪かったね。これからタイムズ・スクエアーに行こう!」だってー。

念願のタイムズ・スクエアーに行きました。
彼ったら、4゜Cでネックレスを買って、プレゼントしてくれた。

競馬ってすごい!私も勉強してみようかしら?

その日は、レストランで夕食をとりながら、彼に競馬の基本を教えてもらったの。
でも、わからない言葉がいっぱい。あがり馬って何?おばあさんの馬のこと?
調教?あわせ馬?なんだかいやらしい・・・。
わたし、なんだか悪いことをしてるみたいで、ドキドキした。

そして、その日はなーんにもないまま、新宿駅でバイバイしました。
ちょっと期待してたんだけどね・・・。ま、いっかーってカンジ。

彼ったら、別れ際にこう言いました。

「来週は、マイルチャンピオンシップだよ!」だってー。

わたし、生まれて初めて競馬をやってみようって決心したんです!

でも、よくわからないから、とりあえず、彼に言われたように「ギャロップ」っていう本を買ってみよう!
でも、パパに見つかると大変!気をつけなくちゃっ!

1996年・初冬(了)

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