Cozy Coffee Cat

世の中すてたもんじゃないって

仕分けのいいわけ

2009-11-26 20:29:28 | Weblog
予算仕分け、色々言われているけど、オープンになったこと自体はいいことだと思う。
内容は、特にスパコン、JAXAとか科学技術関連予算をざっくりやられている点は、いただだけないね。
この辺は結果や成果がなかなか短期では見えにくいし、場合によっては本体での成果は全く出ないけど、ってことが多々あるから。

アメリカが空母を作り続ける意味、日本が潜水艦を定期的に作っている意味、ってのを考えたことがあるのかな。
兵器イコール戦争イコール悪、だから絶対ダメ、っていう幼稚園児への刷り込みレベルの話じゃないよ。
アメリカが空母を作り続けるのも日本が潜水艦を作り続けるのも、兵器としての空母や潜水艦の建造技術がなくなることを恐れているからなんだ。

おそらく、多くの日本人は幻想を抱いているのだと思う。
例えば、大昔に戦艦大和を作った国だから、今でもすぐにそんなものは作れると思っているんじゃないかな。
でも、断言するけど、すぐには作れないよ。そもそも、46cm砲なんてものをサクサク作れるノウハウなんて残ってないんだから。
当然試行錯誤して作ることはできるだろうけど、すぐには無理。当然、兵器だから近代化されたものを作る必要もあるから、想定外の困難も発生するだろうし。
砲門一つとってもそうなのに、あれだけの巨艦、それも戦闘艦を作るのにはなかなか難しいものがあるのは容易に想像できると思うんだが。
戦争が何時起こるか判らないことを考えると、戦力の維持というのは結構大事なことで、戦争になったから兵器を作りましょう、ハイできました、って訳にはいかないからね。

同じことを科学技術に当てはめて考えてほしい訳だ。
スパコンなんて、っていうけど、これを作れるってことの意味、そのスパコンが世界一の性能を競うことの意味ってのを考えて欲しい。
継続して研究していかないと、断絶があると、すぐには元には戻らないことになるし、元に戻すために費やす費用や時間(時間はお金じゃ買えないってことも忘れないでね)を考えたら、成果がないとかで削るようなたぐいの予算ではないはず。
兵器とちがって最高のものを買ってくればいいじゃないか、っていうかも知れないけど、それはどうかな。
兵器が底辺技術も含め、国力そのものであるのと同じように、スパコンもその底辺に連なる技術は幅広いものだと思うからね。
安易に買ってくればいい、ってものでもないことも想像に難くないはず。

それより、削ることに意味がある予算って一杯あると思っていて、そちらをまずは削ったらどうかな。
例えば、議員に与えられている特権めいた予算は削るとかね。
硬直化している予算のドラスティックな編成の見直しをやる、ってのが元々の話であり国民の期待だし、そうすれば予算は効率的に運用され無駄がなくなる、っていう話じゃなかったのかな。
道路も、作る予算を見直して維持していく予算に振り分けるとか、そういう時代なんじゃないのかね。

今回仕分けっていうのをオープンにしたことの意義は大きいと思うけど、削りやすいところから削っていく、っていうのは違うと思うし、なにより、予算のリストラこそが命題であって、安易な首切りが目的ではない、ってことを忘れないで欲しいよ。