Color Works 鎌倉

心と体の癒しのためのコラム

硝子のわかもの

2007-06-10 05:22:22 | つぶやき

おれは新らしくてパリパリの

銀杏なみきをくぐつてゆく

その一本の水平なえだに

りつぱな硝子のわかものが

もうたいてい三角にかはって

それらをすきとおしてぶらさがってゐる



けれどもこれはもちろん

そんなにふしぎなことでもない

おれはやっぱり口笛をふいて

大またにあるいてゆくだけだ

宮沢賢治
『春と修羅(第一集)』
「真空媒溶」より


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マリーゴールド

2007-06-01 05:23:12 | 色のイロイロ

マリーゴールド、「マリアの黄金の花」。

聖母マリアさまが愛し、胸元につけていたとされ、
絵画でも共に描かれることが多い花。

また、ドイツにはこの花にまつわる伝説があります。

太陽神にあこがれた一人の少女。
太陽が昇るのを待ち焦がれる日々を過ごすうち、
みずからの情熱の炎に蝕まれ、命を落としてしまいます。
その一途な愛の証として、彼女が太陽神を待ち、立っていた場所に
一輪のマリーゴールドの花がさいていたと伝えられています。


黄色は、太陽に最も近い、つまり最も明度の高い光。
それゆえに、ひたむきに一心に、
将来へ希望を抱いて飛翔しようという心と
共鳴する色。

昔の人々は、色の本質を、心の奥深くで、本能的に
感じ取る能力に恵まれていたのだという事、
そしてそれが、地を這うようでありながらも、真っ直ぐに
宙に向けて伸びゆこう、輝こうとしているこの花の姿と重なるとき、
色の持つエネルギーがより深く心に届けられること。

改めて、実感することができます。

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タチアオイ

2007-05-31 10:43:20 | 色のイロイロ

南国を思わせる、艶やかな紅の花。
爽やかな海風が心を通り抜けます。

真夏の照りつける日ざしが似合いそうに思えますが、
5〜6月には満開になるという、初夏の花。

すっと背よりもずっと高く伸びゆく花、
赤の光が空から降り注ぎます。


柔らかな花びらに乗せて
「今」を生き抜く原動力になってくれる「赤」が
心に届きますように!


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スイートピー

2007-05-04 08:01:50 | 心と色彩~カラーセラピー

「赤い」スイートピー、
初めて目にしたような気がします。

メロディーにつけられた言葉たちの意味なんて
全く分からないほど幼い頃から
口ずさんでいたけれど・・・。

スイートピーといえば、
パステルカラーが定番。

それなのに、なぜあの歌は、
「赤」だったのだろう・・・。

赤の波長のエネルギーは、身体のあらゆる器官を
興奮状態にする作用があります。
交感神経を活性化させ、心拍数を上げたり、
体温を上昇させたり、アドレナリンを分泌したり。

赤が持つそんな効果と、
誰かのそばに寄り添っているときの胸の高鳴りを
シンクロさせたものなのかも・・・
などとふと思いながら見つめていました(笑)。


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山吹・八重

2007-04-19 06:15:23 | 心と色彩~カラーセラピー
小さな花が放つ、力強い光。

黄色にほんの少し、橙を含ませた「やまぶき」色。

希望や知性を与えてくれる黄色。
人間関係をスムーズにしてくれる橙。


心に明るさややる気をもたらし、
不安や孤独を取り除いてくれること。

木陰から差し込んだわずかな陽を受けて
輝く花が、示してくれていました。

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山吹

2007-04-01 07:29:18 | 色のイロイロ

しなやかな枝が風に揺れる様子から
名づけられたという「山吹」。

幼い頃、身近にあった絵の具には、
必ず「やまぶきいろ」が並んでいた記憶があります。

「れもんいろ」に少し橙をふくませたような、
暖かさのある黄色。

学名 Kerria japonica(Kerriaは「ヤマブキ属」)、
イギリスでは「Japanese rose」とも呼ばれているとか。

日本の春の「黄色」を
象徴する花なのですね。

山吹の 立ちよそひたる山清水
汲みに行かめど 道の知らなく
高市皇子


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都忘れ

2007-03-31 08:04:54 | 心と色彩~カラーセラピー

承久の乱において佐渡に流された順徳天皇が
都への思いを忘れようとする思いを、
重ねたとされる花。


心が深く傷ついてしまっていたり
現実からふっと身を離したいと感じているとき、
惹かれることが多い色が、紫。

そんな時、この色は最も波動の細かいスペクトルとして、
心と体の痛みを癒す力を持ちます。


また、その微細な波動ゆえ、
精神性との結びつきが強く、「芸術性」や「信心深さ」という
キーワードも持つ紫。

紫という色が気になる場合、
心のどこかで、芸術作品に触れたり、尊いと思えるものに接することを
求めていることの現われなのかもしれません。


特定の色に惹かれる理由は、人によって、また時によって、
千差万別、心や体のさまざまなメッセージを内在しています。

それが、今、自分自身の内側と対話するためのきっかけに
なってくれるはずです。


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緑~いのちの源

2007-03-16 05:42:39 | 心と色彩~カラーセラピー

灯台草という植物です。
この季節、道路端や畑の隅などにぐんぐん仲間を増やしています。


植物の緑の正体は、葉緑素の成分であるクロロフィル。

光合成によって生き物にとっての栄養分を作り出す
「緑」は、わたしたちにとって命の源です。

植物の緑の正体であるクロロフィルと、
ヒトの血の赤の正体であるヘモグロビン、
この2つにはとても似ている点があります。

化学的な組成が、酷似しているということなのです。

どちらも複雑な化学組成を持ちながら、
その違いは、組成の中心にあるものが
ヘモグロビンは鉄(Fe)であるのに対し、
クロロフィルはマグネシウム(Mg)であって、
その違いそのものが、クロロフィルを緑に、
ヘモグロビンを赤に見せている所以なのです。

そして、実際にクロロフィルは、
直接食物として私たちの口からとりれることによっても
様々な効果があるとしてサプリメントなどとしても
活用されていますが、
その効能の一つにヘモグロビンを主成分とする
血を造る作用があり、貧血の改善に
効果が期待できると言われています。

光合成によって自然界の命を生かすための
栄養源を作り出すクロロフィルと、
ヒトの体の細部にわたって循環し、
命を維持するための必要物を体の細部にわたって
届けて巡るヘモグロビン。

二つの成り立ちが、非常に似ているということ。
そして、一方が他方を創りだす源にもなること。
ヒトの心理の中では、2つがお互いに補い合う関係として
存在しているということ。


これらは、きっと、神秘や偶然ではなく、
悠久の時の中での必然的なことの結果なのでしょう。

でも、その2つの「つながり」は、
私達にとってとても尊いことのように
思えてならなりません。


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2007-03-07 07:41:12 | 色のイロイロ

自らの心が示す方へ歩いて行ってみよう。
きっと、道は拓かれているから。


赤のメッセージ 「開拓」 「行動力」


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クロッカス

2007-02-23 08:01:58 | 心と色彩~カラーセラピー

クロッカスが咲く姿を目にするようになりました。


高貴なものの象徴である紫。

日本だけでなくヨーロッパでも、
中世以前は特に、紫の染料が貴重だったこともあり、
権力を持つものだけが用いることのできる色と
されてきました。

その紫に、黄金色に輝く黄色がアクセントとなり、
華やかな雰囲気をかもし出して。


掌のように受け止めてくれるような花びら。
紫は心の傷を癒し、痛みを和らげてくれる色。


そして、すっと日の光のほうを向く黄色が、
その人にとっての陽の方向を、示してくれるようです。


ゆったり、ふんわり、ひと休み。
そしてまた、前を向こう。

小さい花の、優しく強いメッセージを感じます。


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