えんじゃけん

「日本の童謡展」~白秋、八十-そしてまど・みちお、金子みすゞ

今日は横浜へと行きました。
一番の目的は、県立近代文学館でやっている、
「日本の童謡展」の解説を聞きにいくことでした。
いやはや、意外。
こんなところで松たか子関係のものに出会うとは・・・(^^;)。
それは、あとに話すとして、今日の天気は雨だと天気予報で
前々から言われていたのですが、幸い、曇りでたまに太陽が
顔を出すといったかんじで、寒くもなく、
むしろ少し暑いくらいの天気でよかったです。

午前中は山下ふ頭の倉庫を利用して行われている「横浜トリエンナーレ」
にもついでに行きました。


「横浜トリエンナーレ」入り口


山下公園内にいきなり作品があったりします。



現代美術の祭典ということで、世界各国のアートが展示されるんですけど、
映像ものが多かったかな。あと、光と影を利用した作品が多かった気がします。
それで、面白いなぁと思うのはまだ、完成してない作品ブースもあるんです。
展覧会を見ている中、トンテンカン、トンテンカンとブースを作っていたり。
日本ではあんまし考えつかない感じですよね。
時間の関係上少ししか見れてないので、残念ですが、「横浜トリエンナーレ」
初期のころよりも、規模が小さくなってきているのかなぁと思いました。
でも、作品の大きさとしては大きいものがいっぱいあったように思います。
自分が作品の中に入って体感するってものが多くあったように思います。
今、美術界でも体感ものが流行っているんでしょうね。

「横浜トリエンナーレ」を見て、そのまま山下公園から繋がって
いる橋状の道を渡って、港の見える丘公園へと向かいました。


行く途中の噴水で水浴びする雀発見
かわいいです。


近代文学館はこの港の見える丘公園内にあるのです。
すごく綺麗な公園でした。
神奈川って公園に力を入れているのかなぁと思わされます。
以前に行った、「岡本太郎美術館」のある公園もすごく綺麗だったんですよね。
もともとある地形を壊すことなくうまく利用して公園にしている感じ。
この港の見える丘公園も平らでなく、上下がそのまま利用されている感じで
緑が多く、バラ園なども作ってとても綺麗でした。



港の見える丘公園内の様子


さて、文学館の「童謡展」のサブタイトルですけど、「白秋、八十、-そして、
まど・みちおと金子みすゞ」となっています。
白秋の師弟がまど・みちお、八十の師弟が金子みすゞなんですよね。
今回は、その師弟関係の展示物を一緒に見られるというのも特徴の展覧会でした。

展覧会を見ていて、金子みすゞさんのコーナーに入りました。
まぼろしの三冊の詩篇の綴られたノートの実物が展示されていたり、
彼女の書いた手紙や、もらった手紙、
彼女の一生を綴ったパネルや、学校時代の様子の説明、
友人や親戚からのみすゞの思い出、
彼女が着ていた着物(一点しか残ってないそうです)が展示されていたり。
みすゞに限らないのですが、本当に充実した内容でした。
で、先ほども書いたように、みすゞの着物は一着しか残ってないって
いうのに、その隣にもう一着着物が展示されていたんですよね。
なんでかなぁと思って見ると松さんのパネルがありました。(@0@)
松さんが以前「明るいほうへ、明るいほうへ」という金子みすゞの
ドラマを金子みすゞ役でテレビでやったんですけど、その時に
彼女が着ていた着物が展示されていたんです。
これは、みすゞさんと同世代の松さんのお婆さんから借りた着物だ
ということも説明にありました。
いや、なんか、友達にこれ目当てで文学館に来たと思われるんじゃぁないかと
焦って「なんか、奥に行くと松たか子のパネルや着た衣装があって、
びっくりした!」と何度も言った私。
余計に怪しいじゃん。(^^;)
師弟関係の八十さんは、九州で講演会があったので、その講演会に行く途中で
みすゞと会おうとしたんですよね。駅で、それもたった5分。
師弟関係でありながら、二人が会ったのはその5分だけだったそうです。
あとは文通をして、繋がっていたようです。
あと、みすゞさんの弟さんのことも詳しく説明がありました。
みすゞさんにとってのよき理解者だったんだなぁということがすごく
伝わってきました。
そして、金子さんの一人娘のふさえさん。
彼女は55歳になるまで、母は自分を見捨てたと思ってたんですよね。
そんな彼女が、こうやってみすゞの作品が世の中に出ることによって、
母の愛を感じることができたんですよね。
彼女も、今回の展覧会には協力をしていて、展覧会の始まる前日に、
文学館を訪れたんだそうです。
「明るいほうへ 明るいほうへ」をもう一回見てみようと思いました。


神奈川県立近代文学館


日本で初めて曲が付けられた童謡は「カナリヤ」です。
唄を忘れたカナリヤは~♪って唄です。
これ、大正の唄なんですよ。すごく古いですよね。
当時、この唄はかなりヒットして、それで童謡で初めてレコード化
(SP化)されたんだそうです。
もともとはね、童謡って曲はなかったんだそうですよ。
時代の流れで、読者からの希望で曲がついたんだそうです。
会場では終始、この唄が流れていました。
で、余談ですけど、日本で初めて作られた蓄音機は「ニッポノホン」
というそうです。
なんかなぁ(^^;)、おやじギャグっぽいと思ったのは私だけか?

あとね、童謡がどのようにして文学のジャンルとして生まれて
きたか?という理由もありました。
昔、学校で教えていた文部省認定の唱歌はあまりにも教訓的、
不自然極まる大人の心で詠まれた歌が多かったらしく、
それに反感を持って、子どもの心を想って子どものために
生まれた唄が、童謡なんだそうです。
全くそんなこと知らなかった私です。(^^;)

公園も本当に素敵だし、展示の内容もいいと思いますので、
機会があれば是非、近代文学館に足をお運びください。
10月29日には「童謡詩人 金子みすゞの生涯」という本について、
講師に執筆者の矢崎節夫さんを迎えて、文学館で講演会があるそうです。
矢崎節夫さんは金子みすゞ記念館(仙崎)の館長でもあり、
金子みすゞブームの火付け役の人でもあるんですよね。
金子さんファンには必聴です。(^^)
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