この映画、出会いがすごく意外な感じで始まるんだけど、
私、洋画よりも邦画や韓国の映画が好きです。
多分それは、「間(ま)」が多くあるからだろうなぁと思います。
この映画が始まってもなかなか主人公が台詞を言わず、
ずっと動きのみで余計な言葉の解説も入らないんですよね。
だから、見ている側はその映像を見ながらいろいろ空想する。
そんな映画が私は好きです。
全部、いちいち解説が入ったり、
今までの経緯を台詞にして説明にあてるやり方はあんまり好きじゃなく、
見ているうちに、「あ、ここのあれはあの伏線かぁ。」と
気づけるほうが面白くて好きです。
恋人が記憶をどんどんなくしていく話。
アルツハイマー病の話です。
記憶は消えたり、たまに戻ったりを繰り返し、
でも全体的にはだんだん減っていく。
彼女が自分を自分だと理解してくれているうちに伝えたいこと。
それが伝えられないのなら自分が存在している価値がない、と主人公。
もし、自分が好きな人がアルツハイマー病になってしまったら・・・。
と、いうことはどうも想像がしがたく、
でも、そこまでのことでなくても記憶について見終わったあとに
少し考えてみました。
人は誰かを好きだと思い続けられるのは、過去の記憶があるから。
そして、その記憶がいい記憶の方が勝っているから。
もし、自分が好きな人が何かの事情で自分に対していい記憶よりも
悪い記憶が上回ってしまったら・・・。
そんなときは記憶を消して欲しいと思うかも知れない。
そしてやり直したいと思うだろう。
嫌いだと思っている相手の声というものは、心に届かないものだよね。
これも切ないなぁと思いました。
この映画、前半の二人のラブラブなころが微笑ましい分、
後半の彼女の病状が悪化してく様子は切ないです。
ラストがちょっと無理やりまとめてる感じがしないでもなかったけど。
「許す」ことと「忘れる」こととの違いも考えさせられました。
この二つの言葉が劇中に何度も出てくるんです。
伝えられるときに伝えることの大切さ、
また、伝えたいときに伝えられる幸せ。
誰かと過去のいい記憶を共有しつつ、想いを伝い合える仲って、
実はすごく幸せなことなんだね。
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