竹林亭白房

「正札付」★日記


昨日、『サンデー毎日』が発売され、「ラブYOU川柳」の大賞句を紹介したが、「サンデー俳句王」はボツだった。ただ、今回の選者やくみつる氏の選評を読んでいると、おや?自分の句がとりあげられているではないか。読んでみると、そうか、なるほどなあと……。

「正札付」は六代目三遊亭圓生の出囃子である。今回の兼題「札」を見て、いろいろな句を考えたのだが、なぜかその思案の過程で圓生の「正札付」という語がふとうかんできたのだった。で、昭和ノスタルジー的気分で詠んだ。
「初高座」は正月初席での高座という意味で。だいたい「初」を単語につけて、「初仕事」「初旅」「初芝居」「初電車」などとすると、みな新年の季語になる。だから、俳句として「初高座」と詠めば、落語家にとっての初めての高座の意味には取られまいと思ったのだが。

それにしても、「正札付」が出囃子とわかるというのは、落語マニアだけなのか。いや、だけなのだろうな。ここはちょっと思い至らなかった。わかってもらえると思ったのは独りよがりか。反省しよう。
マニアとしては、五代目古今亭志ん生なら「一丁入り」、八代目林家正蔵は「あやめ浴衣」、五代目柳家小さんは「序の舞」、立川談志は「木賊刈り」、古今亭志ん朝は「老松」、上方でも、桂米朝は「三下りかっこ」、六代目笑福亭松鶴は「船行き」、もういいか、……書き出すときりがないほど、音とともに名人上手の出囃子ならいくらでも言える。若手・中堅どころでも少しは言える。

それでも、入選じゃないが、わざわざ選評に名前入りで言及してもらったのはちょっとありがたい気分でもあった。
さて、やく氏には、「正札付」が出囃子だとわかったら、ある種の風情をもって読みなおしてもらえるのだろうか。それとも、嗚呼、やっぱり駄句だと思うのか、どっちなのだろうということがちょっと気になった。

□本日落語一席。
◆桂雀々「鷺とり」(WOWOWライブ『日本最大の落語フェス『博多天神落語まつり』2020其の壱)。
FFGホール、令和2(2020)年11月3日(第14回「博多天神落語まつり」※円楽好み病んだ奴等の会)。
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