竹林亭白房

五代目小さん「道具屋」★落語

□本日落語三席。
◆桂米助「沢村栄治物語」(NHK-Eテレ『日本の話芸』)。
東京渋谷NHK放送センター内スタジオ、令和3(2021)年6月25日収録。

◆五代目春風亭柳昇「雑俳」(NHKラジオ第一『真打ち競演』※「思い出の名師匠」)。
昭和54(1979)年1月19日(第235回「NHK東京落語会」)。

◆五代目柳家小さん「道具屋」(NHKラジオ第一『真打ち競演』※「思い出の名師匠」)。
上野本牧亭、昭和54(1979)年1月3日。
当時、正月になると、上野本牧亭からの寄席中継というのを毎年生でOAしていたとのこと。これは、番組進行のなかでもそう紹介されたし、今回ゲストとして出演した柳亭市馬が、田舎の大分にいた時分、毎年楽しみにして見ていたという回想も披露されていた。柳亭市馬は、自分と一歳ちがいでほぼ同年代。若いときから、よほど落語が好きだったのだなあとわかるエピソードである。
また、市馬は、この寄席中継番組をオフラインのマイクで録っていたらしく、その途中で父親のしゃべる声などもいっしょに録音されてそれを今も保存してあるとのこと。

五代目小さんの演る「道具屋」の与太郎は、たんたんとしゃべるごくふつうの若者といった風情だった。極端に痴呆めいているキャラクターとしては演じられていない。しいて言えば、自分のことを「あたい」と言うところぐらいが、ちょっとおかしな人物だったといったところ。

道具屋が並べていた品物のなかに本がある。表紙しかなく中身がないというのは、この落語のなかで演じられる一つのプロットだが(演らない人もいる)、さて、他の演者は、これが何々の本だということを具体化していただろうか。
五代目小さんのに出てくる客は、「おい、ちょっとそこのトーシセンを見せてくれ」と言った。おっ、「トーシセン」?……『唐詩選』のことじゃないか。ほほう、昭和のこのころには、『唐詩選』という書名が、ふつうの客なんかに通じるほどだったのだろうか。今はたぶんむりだろう。当時は学校の教科書にも載っていたのだろうか、文芸意識の高い時代だったのかと。
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