竹林亭白房

紫「手向け茶屋」★落語

□本日落語一席。
◆露の紫「手向け茶屋」(寄席チャンネル『夢 寄席』)。
東京成城ホール、平成31(2019)年3月13日(露の紫独演会「三都噺旅〜東・お江戸奮闘篇〜」)。
これ、なんだろう?と思って聞いていると、東京落語「お見立て」だとわかった。もしかして、「お見立て」ももとは上方種なのかと思って調べてみると、どうやらこれは四代目桂文我が「お見立て」を上方落語に再構成したものらしいと知った。
ネット上で安直に見つけただけの情報なので、確かなことはまた調べる必要があるかもしれないが、文我自身の紹介する文章によると、「……かなり改変を試みました。私としては、四代目春風亭柳好師、六代目春風亭柳橋師がお演りになった演出や、雰囲気が大好きで、その様子が少しでもいただければと思っております」とのこと。

できれば、文我の演じたものも聞いてみたいが、今回紫が演ったものによると、女郎が客を拒む理由として、病気から死へと段階をふむのでなく、いっきに死んだということで噺を進めていた。これは文我がそうしたのだろうか。

また、墓参りをするという件(くだり)では、大阪天王寺の一心寺ということにしていた。これは、今回落語会のあった成城ホールの東京の客たちにはわかりにくいだろう。
もしこれを大阪の客が聞いたら、一心寺って、あの天王寺の無縁仏の?と思うだろう。一心寺は、無縁仏の骨とか、墓じまいをした骨とかをすべて一つにして骨仏にするということで有名な寺だ。
だから、一心寺に墓参りにと聞いてもちょっとピンとこない向きも多いのではないだろうか。いちおう一心寺境内には墓地があるようだが、誰かが亡くなって新しく墓をそこに建てるという使われかたはしていないかもしれない。
だから、そこは一心寺でなく、同じ天王寺エリアの寺町とかにすればよかったのではないだろうか。そこだったら、一般の人が多く埋葬されている墓がふんだんにある。それこそ選びほうだいだ。

また、東京落語「お見立て」は、客が店で遊女を選ぶときの言葉で、それは落げにもかかわるのだが、「手向け茶屋」では、「お見立て」の言葉を使わず「お選び」と言っていた。「お見立て」というのは、東京の廓だけで使われたものかもしれない。
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