竹林亭白房

五代目志ん生「義眼」★落語

□本日落語二席。
◆柳亭小痴楽「松山鏡」(WOWOWライブ『日本最大の落語フェス『博多天神落語まつり』2022其の弐)。
JR九州ホール、令和4(2022)年11月4日(第16回「博多天神落語まつり」※芸協まつり)。

◆五代目古今亭志ん生「義眼」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
義眼の男が吉原へ遊びに行き、しばし義眼を外して水を入れた器のなかに入れておいた。したところ、廓内で酔った別の男が、間違えて義眼の男が座を立って不在にしていた部屋へ入ってしまい、酔ったいきおいで義眼の入った水を飲んでしまった。義眼を飲みこんでしまった男は、以後、通じが悪くなって医者に見てもらう。医者は、男の尻を覗くと、「向うからも誰か見ている」と落げる。

「あたま山」にも通じる、あり得ないばかばかしい噺である。こんなものも一席になるところが、他の伝統芸能にない落語のおもしろさだ。
これは、別名「入れ眼」とも言うが、やはり身体的に障害を負った人の噺ということで、公に語りにくいという事情があるのだろうか。

それでも、わりと最近の2020年に桂紅雀が「NHK上方落語の会」で掛けたのを聞いた。2011年以後ではこれ一席である。ただ、このときは、コロナ禍の影響で無観客公演だった。紅雀は、有観客でもこれを演っただろうか。いずれにしても、テレビではOAされてしまうのだが。これは紅雀の師匠桂枝雀もやっている。自分もCDで持っている。

また、それ以前だと、2008年に立川志らくがNHK総合の『笑いがいちばん』で演ったのを聞いた。
あまり多くこれが掛けられないのは、身体的問題というより、義眼を飲みこんでしまい、それを確かめるために尻の穴を覗くという、ちょっとグロテスクな内容であることに問題があるのかもしれない。こんな噺を客に聞かせるには、それ相応の技量がいるような気もする。
そして、そういうのを得意にするのが、この五代目古今亭志ん生なのではないだろうか。あの独特のフラがグロテスクさを、良い感じでオブラートに包んでいると言える。
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