竹林亭白房

雀太「粗忽長屋」★落語

□本日落語二席。
◆桂治門「道具屋」(ABCラジオ『日曜落語なみはや亭』)。
ABC本社十階和室、令和2(2020)年5月23日収録※リモート。

◆桂雀太「粗忽長屋」(MBSテレビ『らくごのお時間』)。
MBSスタジオ、令和2(2020)年6月28日OA(第99回)※無観客CG背景。

上方の落語家による東京落語「粗忽長屋」である。でも、上方版「粗忽長屋」もそんなにめずらしくなくなっているかもしれない。
自分が2011年以後に聞いただけでも、今日までに次の五席がある。

・桂文珍(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ、2016年1月30日/第114回「上方落語をきく会」夜の部)。
・桂華紋(大阪十三シアターセブン、2017年7月13日/「日曜落語なみはや亭公開収録」)。
・笑福亭喬若(〔DAIHATSU MOVE〕道頓堀角座、2017年10月2日収録/「角座月夜はなしの会」+DAIHATSU心斎橋角座、2019年1月1日/「新春揃踏角座落語づくしの会」)。
・桂春雨(NHK大阪ホール、2018年6月7日/第386回「NHK上方落語の会」)。

2016年以後、ほぼ毎年のように誰かで上方版「粗忽長屋」を聞いているようだ。そのかわり2011~2015年はまったくないので、上方で「粗忽長屋」が演られるようになった嚆矢は文珍なのだろうかと気になったので、2006~2010年も調べてみた。すると、二席出てきた。

・笑福亭瓶吾(天満天神繁昌亭、2006年10月22日/「10月16日~22日」昼席)。
・桂七福(阿倍野青年センター、2009年1月17日/第484回田辺寄席~土曜席)。

瓶吾については、当時の「日記」を読むと、師匠鶴瓶から継承したものだと『上方落語家名鑑』に書いてあることを確認している(ただし鶴瓶の「粗忽長屋」は未聴)。七福は、もともと立川談志のネタを手がけるなどして、東京落語をよく演じる落語家である。

してみると、この二人と2016年までの桂文珍のあいだに継承関係や連絡性は考えにくいと思われる。とくに2010~2015年には上方版「粗忽長屋」をまったく聞いていないわけだから、もしかすると、上方に「粗忽長屋」を広めたのは桂文珍なのかもしれない。文珍からの直接の継承があるのかどうかはわからないが。

おもしろいことに、さきにあげた2011年以後で「粗忽長屋」をかけた、桂文珍・桂華紋は五代目桂文枝の流なので、ここには継承関係があるかもしれないが、笑福亭喬若と桂春雨は、それぞれ六代目笑福亭松鶴流と三代目桂春團治流で門が異なる。もちろん門がちがっても稽古をつけてもらうということはあるのだろうが。

そして、今日聞いた桂雀太は桂米朝の流だ(大師匠は桂枝雀でそのまた師匠が米朝)。ということで、四天王すべての門に「粗忽長屋」は行きわたったことになる。
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