竹林亭白房

紫「転宅」★落語

□本日落語一席。
◆露の紫「転宅」(NHK大阪放送局『とっておき!朝から笑タイム』)。
NHK大阪ホール、令和5(2023)年10月9日収録(第439回「NHK上方落語の会」)。
噺の内容に地域性はないようだが、東京落語だろう。「転宅」はこれまでに何十席と聞いているが、今回以外、上方の落語家で「転宅」を演ったのは七代目笑福亭松喬しか聞いたことがない(三喬時代から演っている)。

そもそも上方では引越しのことを「転宅」と言わず「宿替え」と言いならわしてきた。ちなみに、「宿替え」という演目の上方落語があるけれど、これは別の噺(東京落語「粗忽の釘」)。
紫は七代目松喬から習ったのだろうか。そして、もしかするとだが、七代目松喬は柳家喬太郎から継承したのではないか。

東京の落語家で「転宅」を聞いた回数では柳家喬太郎が群を抜いている。そして、喬太郎と七代目松喬は昔から親交があって、長らく二人会などもやっていた仲だ。
だとすると、紫の「転宅」は喬太郎流(ひいては柳家さん喬流)ということになるのだが。いや、まったくの想像である。

おもしろい噺だから、上方の落語家ももっと演じてよいように思うが、上方に耳なじみのない「転宅」という演目がひっかかるのだろうか。
もともと「転宅」という演目も、本来の落げ「洗濯」に掛けた地口なのだが、今やほとんどこの落げを使う落語家がない。少なくとも自分は一度も聞いたことがない。

広く「転宅」で周知されたこのネタを今さら別の演目にかえられない(かえる必要がない)ということか。現状の落げにあわせた「義太夫かたり」という演目もあるようではあるが。
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