タマには こーゆーのも
10年前は ボディの「杢目」の話やったんで
令和の今回は ネックの「木目」のお話
板目 = Flat(Plain) sawn
の紐づけは容易(揺るぎない)んスが
"Rift sawn"
っちゅーワードを目にして以来
柾目
追柾目
と
Quarter Sawn
Rift sawn
の紐づけがゴチャついたんで
わいなりにひと整理
まずは
図1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/63/e8e310f741727544cf9d9f01d579483f.jpg)
図2
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/b7/b20a18fa6c779659fcf8d8523c0fd920.jpg)
をご覧あれ
ひとめで
柾目=Quarter Sawn
追柾目=Rift sawn
となるんですが
「Rift sawn は Quarter Sawn より$高い」
とよく書かれてるんス
?
製材の面の呼び方を知らんので
図3
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/43/86bb50a8c96b2ac2bbb22ddbedb79e4a.jpg)
を添付
そもそも柾目が好まれる理由は
1.表面から木口へ木目(年輪)が真っ直ぐ(垂直)で美しい
2.剛性がある
3.湿気や温度による伸縮の方向が想定しやすい
などがあげられます。
ギター・ネックにとって 2. 3. は重要
とくに厄介な”ゆがみ”には強そう
しかし 図2を見ると
表面に対し木目が垂直にになるよう樹心から樹辺まで カットするには
(木口)断面の十文字ラインごく一部からしか収穫できない希少な材となってしまいます
その柾目より Rift sawn は$高い??
そちらの答えがこちら
図4
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/df/54e3a00ea78f073b00e0f4c6fddc122b.jpg)
図5
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/e2/8fe5619f6297d6800591092855bd6721.jpg)
本来の Rift(樹心から放射状に入っている割れ)sawn とは
表面から木口へ 木目が垂直になるような radial(放射状)のカッティングであることが分かります
これだと Quarter sawn と比べ
より手間・技術を要し
無駄になる部分が多い
ので Rift sawn は Quarter Sawn より$高い のもうなずけます
つまりは Rift sawn(面取りの方法を指す)は 柾目(木目の用語を指す)しか生まない
が
御多分に漏れず 手間暇・コストのかかる製造方法は廃れ
図6
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/de/dbfb8047c10261a1963f8935b957119c.jpg)
丸太をただスライスする flat(Plain) sawn
と
1/4にカットした後、45°にスライスする Quarter Sawn
の木取りだけになってもた
で
最後は Wiki 情報
図7
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/9a/64e5fea9889cf072b9386ad4f35a2b24.jpg)
AWI とやらが 木目の角度によって
0-30°が flat(Plain) sawn
30-60°が Rift sawn
60-90°が Quarter Sawn
と規格しちゃった となります
世界基準か?は知りやせんが
ギターのネックについていうと
もともと高級なメイプルやマホガニーから
1ピースでこれだけ厚みと長さのある柾目を切り出すんだから
高額になるのは仕方ありませんな
剛性のほかに トーンについても
flat sawn に比べ Quarter Sawn のほうが
より高音が出るので優れているといわれます