近年イギリス英語の劣化は著しく、私の英語が本家(含むBBC)より'Classy'に(^_^;)。それって恥ずかしくない?

東大出の凡人。でも、その英語はクイーンズイングリッシュ。それも超一級。私より発音のいい日本人がいたら、教えて!

DACAをググっていて閃いたこと

2017年11月18日 | Weblog

CNN放送を見ていると偶に“DACA”という言葉を耳にすることがあります。ダッカと日本語で言えば私達にはバングラデシュの首都ですが、アメリカでは全く違う意味に使われる場合が多く、Deferred Action for Childhood Arrivalsの略。幼少期に米国に到着した不法移民への執行延期措置のことです。

子供の頃に不法移民の親とともに違法にアメリカに渡り、アメリカで育った人々は本来なら強制送還なのですが、アメリカで育ち、教育を受け、母国に送還されても母国語が話せず路頭に迷うことになる彼らの特殊事情に鑑みて、2012年に導入されました。

アメリカ育ちの彼らのほとんどは貧しい母国に戻されることを望みません。当たり前と言えば当たり前の話で、リベラルなアメリカ人は非常に同情的。彼らを「ドリーマー(=夢見る人)」と呼び、法律的には不法滞在なのですが、在米を認めてやって、彼らにアメリカン・ドリームを叶えさせてあげようという趣旨でオバマ大統領が大統領令で導入しました。現在80万人いるのだとか。

ウイキペディアの説明を読んでいて、ふと思いました。ドリーマーって、その置かれた立場がトランスジェンダーに似てるんじゃない?と

マスコミはトランスジェンダーを「LGBT」と一括りにしてLGBと同列に扱いますが、T(トランスジェンダー)は根本的に異なります。LGBは社会のメインストリームであるヘテロ(=異性愛)とは異なる独自の存在である自分を主張。言ってみれば「独立志向」。「分離志向」とも言えます。いや社会のメインストリームから一線を画した「独立独歩路線」と言うほうがより正確ですね。それに比べてトランスジェンダー(TG)は独自の存在を主張しつつ、現実には、自分達を社会のメインストリームから“分離”も“独立”もできない自己矛盾を抱えています。

すなわち、「私は男でも女でもないTG」、つまり「第3のジェンダー」として既存のジェンダーから"独立した存在"を主張しているかと思いきや、そうではありません。男でも女でもない「第3のジェンダー(=第3の性)」を主張したら、彼らは男性用/女性用のトイレとは違うトランスジェンダー専用のトイレを要求しないと整合性が取れなくなる。でもね、彼らの真の望みは自分の生物学的性と真反対の性として一般社会に受け入れてもらうことなのよ。換言すれば、トランスジェンダーは既存する男女のジェンダーから分離独立する気は毛頭なく、その一方から他方に”移りたい”だけ。具体的に言えば、トランスジェンダーの一番の願い、特にMF(男→女)トランスジェンダーの願いは女性用トイレに自由に出入りしたい。これが彼らの悲願。とは言っても、そんなこと自分の一存でできるわけはなく、社会に自分の「性の変更」を認めてもらわないといけない。これが最大の課題で、これこそが彼らの弱み/弱点/アキレス腱で、例えてみれば、プロ野球の"移籍"みたいなもの。

LGBは既存のリーグを飛び出して「独立リーグ」を作る“覚悟”ですから、一般社会と折り合いがつかなければ、「俺はゲイだ。文句あるか?」みたいに開き直ることができる。つまり、世間が認めようが認めまいが自分の信念であるL/G/Bのアイデンティティを貫けますが、セリーグからパリーグに移ろうとしたら、意中のリーグの意中の球団の承諾を得ることが絶対条件。TGも同じで、男→女/女→男の"移籍"を一般社会に認めてもらうことが出発点であり、大前提。

トランスジェンダーは自分の生物学的性を自覚しているので、「私は女」と自分で思うだけでは不十分で、周りの人々に「あなたは女」と言われて/言わせて、初めて”女”になれる/”女”としての自信を得られる。すなわち、世間に「あなたは女」と認めてもらい、支持してもらわないとMFトランスジェンダーのアイデンティティを確立できない。従って、ゲイやレズのように「ホモ嫌い/レズ嫌いの世間なんて糞くらえ!」みたいに居直ることができない(はず)。だから、TG、特にMF(男性→女性)TGが「私は女よ。誰が何と言おうと、私は女!だから私は女性用トイレを使う。私には女性用トイレを使う権利がある」と世間の意向を完全無視した高圧的な主張を展開する(欧米ではそういう主張が堂々とまかり通っている)のには非常な違和感があり、「チガウダロー」と私は言いたい。

タコツボ的な狭い列島に閉じこもっている日本人には信じられないでしょうが、欧米ではこういう居丈高なトランスジェンダー(特にMFTG)の強制的暴力的圧力(脅迫?)の嵐が吹き荒れていて、女性用トイレで一見してMFTGと分かる人間が入ってくると、もともと女性に生まれた女達は浮足立ってしまい、そわそわピリピリ。戦々恐々となります。

さて、ここで問題です。生まれた時から女性の人間がここで「キャー、女子トイレに女装の男が……」と叫ぶとどうなると思う?日本でなら、女子トイレに入ってきた女装男が悪いのであって、女性は被害者ですが、欧米では、違う。騒いだ女性が「トランスジェンダーを侮辱した差別主義者」とのレッテルを貼られて世間から糾弾されることになります。これ、まさにジョージ・オーウェルが描いた悪夢の世界で、これが異常でなくて何?

英語では「シッポが犬を振る」という表現があります。普通なら、犬がシッポを振るものですが、本体が付属物に振り回される『本末転倒』の意味です。要するに、自分達の存在を認めてください/許容してくださいと社会にお願いする立場であるはずのトランスジェンダーが逆に居丈高に自分の存在を社会に押し付け、強圧的に認めさせる、そんな倒錯した逆転現象が欧米では起きているのです。その結果、ヨーロッパでは、昔は性転換手術/性適合手術が”性移籍”の条件だったものが、今は当人が「私は女」と宣言するだけで、社会的法的に100%女性と認める国がどんどん増えているのです。立派な男根を股間に備えた自称「女性」が堂々と女性用のトイレや更衣室に出入りするのって、絶対におかしい!

不法移民のドリーマーが「自分はアメリカで育ち、教育を受けたのだから、私は実質アメリカ人。メキシコには帰りたくないし、帰らない。」との気持は理解できるけれど、彼らを強制送還させるのか、在米を認めるのかを決めるのはアメリカであり、アメリカ人じゃないですか。「私のアイデンティティはアメリカ人。従って、私にはアメリカに居住する権利がある。」なんて上から目線で主張したら、逆に強制送還になる可能性が高くなる。でしょ?

TGだって同じこと。あんた達、男から女に移りたいんだよね。M→Fへの“移籍”を社会に認めてもらいたいんだよね。だったら、そのように“お願い”するのが筋なんじゃないの?

すなわち「私、男に生まれはしたけれど、自分は女だと思ってます。だから女性の皆さん、私を女と認めてください。あなた方の一員に加えてください。そして女性用トイレを使わせてください。」と低姿勢でお願いするのが筋。それが言うに事欠いて、「アタシは女。アタシがそう言うんだから社会は私を女と認めなければならない。女性用トイレを使うのは私の権利!」などとCockyな主張を展開するなんて言語道断。あんた何様?と言いたくなる。ーーMFTGはもともと男/雄ですから、Cockyになるのは当たり前。なんちゃって!(>_<)

“ジェンダーアイデンティティ”なんて誤魔化し以外の何物でもありません。それが証拠に、白人だけれど「自分は黒人」と、トランスジェンダーならぬ「トランスレイシャル」なる人種をまたいだアイデンティティを主張して話題になったレイチェル・ドネザルはどうなりました?黒人達から総スカンで拒絶されて終わったじゃないですか。MFTGも同じこと。

現在Political Correctnessで(=トランスジェンダーに反対したら「差別主義者」のレッテルを貼られてしまうのが怖いので)MFTGを認めざるを得ないと思って、嫌々ながらトランスジェンダーを受け入れている普通のアメリカ女性の皆さん、原則に立ち戻って再考すべきです。ハリウッドの有名プロデューサーのセクハラ暴露に始まり、政界でもマスコミでも、アメリカ社会のあらゆるところで男達のセクハラが過去に遡って糾弾されているじゃないですか。誰が見ても“女装の男”でしかないトランスジェンダー、特に性転換手術もしていないTGが女性トイレに堂々と出入りするなんてセクハラ以外の何物でもありません。「そんなの嫌!やめて!」と思っている女性は声を上げるべきです。


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