先週の金曜日、会社帰りにツレと歩いてると目の前で消防車が止まった。
消防車から降りてきたのはレスキュー隊。
後から後から救急車だのパトカーだのが続々と到着する。
そこは線路と平行にはしる道路、一本入れば線路があるところ。
サイレンの音をバイクで追いかける父を持つツレと、サイレンが聞こえれば真っ先に家を飛び出す父を持つあたしの2人にその場を通り過ぎるということはできず。
レスキュー隊の集まる路地に入り、おじさんおばさんの噂話に耳を傾ける。
『若い女の子が・・・・・』
という言葉を聞いた途端あたしは逃げるようにその場を後にした。
「きっと事故だよ、この踏み切りくぐっちゃう人よくいるじゃん。」
ツレとそんな話をしながら家路を急いだ。
家に帰って母に報告、「この前踏切事故あったばっかりなのにねぇ」なんて具合に頭の中では事故だと思うようにしていた。
土曜日、母のお友達の娘さんが電車に飛び込んだと連絡を受ける。
金曜日の帰り道、あたしが野次馬をしたその場所だった。
特に面識のある人ではない。
ただついこの前、母から娘さんのことを聞いていた。
あたしの1歳年下で、心の病気で症状が良くなったり悪くなったりだと聞いていた。
事故を見ていた人の話によると、線路を10回ぐらい行ったり来たりしていたらしい。
そこで声をかけていたらこんなことにならなかったかもしれない。
あたしが何かできたわけでもない。
ただちょっと気が重い。