例えばお正月や旅行に行ったときなんか、食べてばっかりになりがちです。
そういう状態が続いたとき、朝おながが空いてお腹がグーっとなって目覚める、なんて状態になることがあります。それまではそんなことなかったのに。
そして「いやーお腹すいたわー」って食べていると、どんどん沢山食べられるようになっていきます。
(そしてこの傾向に本能を委ねて食べているとどんどん大食漢になっていくんだと思われます)
このように「胃がデカくなった感・デカくなっている感」を経験されたことは、誰しもがあるのではないでしょうか。
逆もあります。食べずにいるとあまり食べなくても平気になる「胃が小さくなった感」。
世間一般の見解では、実際に胃が大きくなる小さくなるということはなく、食べ物が多く入った状態が続くと胃の周りの筋肉が伸びきったような状態にはなるだろうとのことです。
私もこれには納得します。そうだろうなと思います。
では本質的に何が起きているかというと、満腹感という脳からの信号です。沢山食べている状態が続くと満腹感の指令を出すのが遅くなり、結果沢山食べてしまう(食べられる)。逆に少ししか食べないでいるとすぐに満腹感の指令が出るようになる、脳の慣れ、という見解がほとんどです。
でも私は兼ねてより「それだけじゃない気がする」と思っていました。
満腹感の話だけであれば、満腹を感じるのが遅い=一回の食事量は増えるでしょう。
でも胃がデカくなっている状態の時は、(普段より多く食べていても)お腹が空くのが早いし、食べたいという欲も強くなります。前述の通り、成長期でもないし運動してカロリー消費が激しかったわけでもないのに「お腹が空いて目が覚める」なんて状態になってしまいます。満腹感を感じるのが遅いじゃなくて、空腹感を強く感じるようになります。つまり食べたくなってしまう、この説明がつきません。
と思って調べていたらこんな記事を見つけました。
ものすごく要約すると、食欲をコントロールするホルモンの「レプチン」が効きにくくなると、食欲を抑えられなくなるという研究結果です。
ではどうやったらレプチンが効きづらい状態になったかというと「マウスを高脂肪食で2か月間飼育」とあります。
これを見て私は激しく納得いたしました。やっぱりそうなんです、高カロリーの食事=カロリー過多によって食欲の増進が起きるのです。
大体の食べ過ぎというのは、キャベツの千切りだとか、大根の煮物やサラダなどの食べ過ぎではありません。そもそも、そんなものを食べすぎてもカロリーはたかがしれているし、容積も大きめだし咀嚼が必要なので、胃もいっぱいになり満腹感も得られやすい。
じゃあ何を食べ過ぎているのか。
エネルギー効率の良いもの=高カロリー・高脂肪のものです。甘いものや生クリーム・バター・油、そして肉です。これらは容積が少ないのにカロリーが高いですし、買ってくるだけで食べられるものが多く存在していて、簡単に食べ過ぎることが可能です。
実験でもマウスに安定的に大量のキャベツ食(通常のバランスの取れた食事)を摂らせることは難しかったのではないかと思います。食べるのに時間がかかるし、通常の餌を置いておいても必要以上に食べる行動をとるとは限りません。今まで食べていた量で満足して食べなくなってしまう可能性も高い。カロリー過多の状態を一回強制的に作るためには、高カロリー食=量は増えずカロリーが高い高脂肪食を与えることが必然であったのだろう、との予測も出来ます。
そして一旦高カロリー食でカロリー過多な状態を作ってしまうと、それをきっかけにどんどん食欲が抑えられなくなる。
研究では2ヶ月という時間で検証していますが、私は数日でもこの傾向に火がつき、どんどん食欲が増進する状態が起きていると思います。
確かに沢山食べたい、お腹いっぱいになりたい、脂っこいもので満足を得たい、簡単にお腹いっぱいになってしまいたい、という衝動は本能にも根ざしているし、とても強いものだと思います。
食べ過ぎは食べ過ぎを呼ぶ。
簡単に入手できて加工できてすぐ食べられるものは食べ過ぎを呼ぶ。
咀嚼すら要さず簡単に食べられるものは食べ過ぎを呼ぶ。
でも
手間をかけて料理を作り、バランスの良い食事を心がける。
ゆっくり噛んで大事に食べる。
足るをしる。
私は、容姿は人より劣っても、食べることに対し美しいおばさんでありたいと改めて感じるのでした。