カタバミ(登山の気になるを知りたい!)

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雪について彼是(あれこれ)②

2018年01月24日 | 登山


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「アノラック」(英語)

ウィンドブレーカーの一種。
山岳登山などでよく利用される防寒性に優れたフードつきの上着。
元はアラスカ先住民のイヌイットが着るアザラシ皮の上着 だった。
グリーンランドのエスキモーの着た腰丈フード付きのゆったりした毛皮のジャケットとも言われる。
パーカ、パルカ(parka)とも呼ばれる。

最近の登山ウェアはオシャレなので、この型はあまり見なった気がする。
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雪の重さ



雪山の救助訓練で、雪崩に埋まった時の体験をする「埋没体験」がある。
せいぜい20㎝程度の新雪でもずっしりと重く身動きも取れないらしい。
雪崩の多い春先の雪だとその重さは想像を絶する。

比重とは、重量と体積の比率のことで、「4度の水の比重が1」と知られている。
ふわふわの雪の比重は、0.1から0.3程度。
締まった雪になると0.5から0.7で、氷に近いらしい。
埋没体験では、身長17cm、幅5cm、深さ2cm、の雪の重さは比重0.3で計算しても51kgで、だいだい人間一人分位の重さになる。
体験者は、「雪同士の摩擦がありもっと重い気がした」という。
1立方メートルでは、比重0.3でも300kgになる計算だとすれば、雪崩に埋もれた場合は身動き一つ出来ない重さになっている。

雪の重さは雪崩だけでなく、家屋の屋根、送電線、樹木にも容赦なく被害を及ぼす。
送電線の着氷については、着氷の重さで断線や時には鉄塔が倒れることもある。
電線の重さで風に振れ(ギャロッピングという)が大きくなったり、落氷時の反動で電線が振られる(ストリートジャンプ)で電線の接触事故が発生したりする。

車の屋根に積もる雪の重さは、新雪で150kg位、締まり雪は500kgにもなるから、力士3人分に相当すると聞くと降ろさざるを得ないだろう。

雪国住んでいる人たちは、雪かきや屋根の雪下ろしなど、冬の生活の一部になっている。
その地域に住んでいる人たちには長年の知恵があり、上手に付き合っている。
それでも、予想外の大雪なら時には事故が発生したりするのだ。

平地など都会に住んでいる人間の登山が趣味の域を出ることはない。
そう考えると雪山の遭難には沢山の関係者に迷惑がかかるとことと自覚する。
雪山の遭難で凍傷により手足を、時には命を失うリスクがあることを改めて肝に銘じたい。




出典・参考
「山の単語帳」田部井敦子(世界文化社)
「山の雑学」岳人編(東京新聞)


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