台湾にたまたま招聘中の佐藤学先生から生々しい速報が届きました。日本のメディアではあまり報道されていないこともありますので、ネット経由で現地の情報をお知らせ致します。(続く)
「台湾からの速報です。昨日から台北に来ていますが、こちらでは馬英九が中国との貿易協定を強行採決する動きを示したことから、中国資本によって台湾が植民地されることを怒った何万人もの学生たちが、立法院(国会)に押しかけて占拠し、立法院の中に100人が常駐してその外を(続く)
1万人の学生が守る状態がすでに一週間続いています。一週間とはいえ、国会は学生の支配下にあります。学生たちの中心は台湾大学と精華大学の学生で、この二つの大学の学長と教授の多くは学生支持を言明し、二つの大学は学生が自由に行動を行えるよう、1週間の休講を昨日宣言しました。(続く)
さらに23大学の学長が学生支持を表明しています。機動隊が全国から動員されているのですが、その機動隊も非公式ながら学生支持を表明しています。すごいことが起こっています。 (続く)
ところが今日になっておそらくは国民党の謀略ですが、市民と学生の過激派が暴力的に行政院を占拠し、これを口実に武力による制圧が必至という危険な状態です。私は、二つの大学の招待講演と大学院の集中講義で昨日から台北に滞在しているのですが夜は立法院を訪れて学生に支援のエールを送っています。
学生たちは整然と行動していて、佐藤先生はその秩序立った行動に歴史の転換点に比すべき意義を感じておられるとのことでした。大学が学生の行動を公的に支援するということは日本では絶対に考えられない事態ですが、それについての報道は僕はまだ見ておりません。報道されているのでしょうか?
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小津安二郎は、最後の作品『秋刀魚の味』の中で、「でも、負けてよかったじゃないか」「そうかもしれないな。馬鹿なやつらが威張らなくなっただけでもね」という珠玉の台詞を書いている。今後の日本がどのようになるとしても、「馬鹿なやつらが威張る」国だけは、ごめんこうむりたい。
個人の尊厳を無視し、命を軽く扱うという日本の軍部の悪しき文化は、果たして克服されたのか。東京裁判というかたちで、「他者」によって糾弾されてしまったために、日本人が自身で戦中の愚か者たちの支配を反省するという機会が、必要以上に複雑なものになってしまっている。
この点に、戦争について日本人が振り返る際の、混乱の元があるように思う。特攻隊員たちに人間的に共感することと、当時の軍部の愚かさを批判することは、もちろん両立する。戦争に至る日本の全否定も、全肯定も間違っている。『永遠の0』という映画は、その意味でバランスがよかった。