石岡将の複雑骨折

文化ものの感想やアトピー人生の日常等。
小説「落花生-アトピー成人の恋と人生 」
短編自主映画「返り血の帰り」

映画感想 3 「ドライヴ」

2012-04-22 13:59:07 | 日記


「ドライヴ」
監督: ニコラス・ウィンディング・レフン
キャスト:ライアン・ゴズリング、キャリー・マリガン、アルバート・ブルックス、ブライアン・クランストン、クリスティナ・ヘンドリックス、ロン・パールマン


面白いんだけど、面白くない。たぶん、意外と面白くなかったんだろう。ある意味予定の範囲内の映画だと思う。

恐らく残虐な暴力シーンを一つの見どころとしているのだろうけど、不必要な箇所もあったと思う。そういうシーンは、多くて二シーンくらい凄いものがあればちゃんと効果が出ると思うのだ。それに僕個人の趣味かどうかは知らんが、今回の映画に関してそういうシーンはどうしても「ヒストリーオブバイオレンス」を思い出してしまった。
暴力シーンは恐ろしさと気持ち悪さがないと見せてる感が出てしまうと思う。そういう意味ではどちらかといえば見せてる感に近かったのかもしれない。

あと、クライマックスに突っ込みたくなる箇所が二点ほどあった。(以下改行までネタバレ)ヤクザが何で丸腰なのか分からなかったし、それを知っているかのようにそのヤクザに近づいていく主人公も解せなかった。また、ある程度人が行き来してそうな所で、日中に向こうのヤクザが包丁で相手を刺したりするのも疑問。とりあえず、本来成り行きで銃が出てきそうな箇所で出てこないのは何故か分からなかった。

また、この映画は結構間をとってシーンを見せてる。間はいい時はいいけど、これは監督の酔いなんじゃないかと思うと急にイライラしてくる。スローなどを使ってシーンの余韻を作ってる場面があり、そこはちょっと面倒くさく感じてしまった。

それでも、先がどうなるか気になるし、魅力的なかっこいいシーンも幾つかある。それに俳優さんがとても良かったと思う。「ブロードキャスト・ニュース」を観て以来ファンになったアルバート・ブルックスが重要な役で出てるのが嬉しかったし、ロン・パールマンも声を含めてなんか怖いし、良かった。ライアン・ゴズリングも上手だと思うし、車の整備工場のボスやマリガンの旦那役の人も良かった。少し欲を言えば、キャリー・マリガンはちょっと可愛すぎたかな。全然上手だったけど。

ウォルター・ヒルの「ドライバー」が原案の大元にあるようだけど、やはり僕はこういった男一匹、寡黙で渋く、クールでよろしくみたいな作風がダメなんだろうな。そういうものを扱う映画なら、その先にある不可思議な魅力がないと何か好きになれない。



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