メタルの衝撃

新旧含め、メタルに対する自分の思いを書き綴るブログ。

TYGERS OF PAN TANG③

2016-04-16 21:37:44 | nwobhm
このアルバムが製作・発売されたのは90年代に入ってからの事だが、中身は紛れもなく、NWOBHM最盛期の音源である。正確にはアルバムでは無く、アルバム未収録であったシングルの寄せ集めであり、アンソロジー盤の色合いが強い。
貴重な音源ではあるものの、それはマニアにとっての価値であり、シングル盤のアウトテイクも含まれている事とムーブメントの特定された時期の作品である事から、音源そのものに重要性がある。

以前、ジョン・サイクスのレビューでも書いたが、彼が在籍した時代の曲を中心に、ほぼ全ての時期のシングルが含まれており、曲自体の差もあれば、好みも分かれるものだけに"マニア向け"なのだが、更に4thアルバムは外部ライターにより作られたもので、バンドとしてのアティテュードすら無い。
サイクシーのファンならぱ、この後に続く奇妙な巡り合わせも周知の上だと思うが。

その繋がりを知りたいのなら、このシングル集は押さえておいた方がいいだろう。

TYGERS OF PAN TANG/SINGLES

入手:1992年、MCAビクター NWOBHM貴重盤コレクション

TANK③

2016-04-13 22:11:38 | nwobhm
このアルバムより元WHITESPIRITのギタリスト、ミック・タッカーが加入。ツイン・ギターとなった。パンク色の濃いサウンドには不向きの構成にも思われたが、パンクロックからパワーメタルへとサウンドが変化、正にツイン・ギターを活かすサウンドとなった。
その分、パンク色は減退したが、基本路線は外さず、TANKサウンドに変わりは無い。しかし、個人的には1stの路線が好みであり、そのスタイルの特質を発揮出来るのではないか、と思っている。

その変化が影響してか否か、このアルバムよりメンバーの変動が多くなり、ビジネス上のトラブルも増えて来る。
現在の価値観からすれば、ハードコアにはもの足りず、パンクロックにしてはメタル色が強いという半端感があるかもしれないが、それがこのバンドの特徴であり、アルジーの世界観なのだ。
ロックよりもメタルが好みの方に聴いて欲しいアルバム。

TANK/THIS MEANS WAR
1983年発
Metal Mind Production

SAXON③

2016-04-09 22:08:39 | nwobhm
前作、2ndと同年にリリースされた3rd。個人的にはこのアルバムと次作がサクソンの真骨頂だと思っている。その魅力はモーターヘッドの激しさと疾走感を持ちながらも英国特有の叙情的メロディを主軸とした取っ付き易さ。そして印象深さ。男気を全て持ち合わせたサウンドにある。
特にこの時期の充実ぶりはムーブメントの中でも飛び抜けていた。

ただ、惜しむらくは、そのスタイルが固定化してしまったが為に、そしてメンバーの入れ替えが少なかっただけにそれ以上の発展が望めなかった事。すなわち、モーターヘッドの普遍性は大成功には繋がらなかったのと同様、彼らもその信念を貫いて欲しかった。

その経緯は後の記事に書くとして、彼らの全盛期のアルバムを知りたいのなら、これは外せない1枚である。

SAXON/STRONG ARM OF THE LAW
1980年発
入手:1996年、東芝EMI

SAMSON③

2016-04-02 22:51:07 | nwobhm
アルバム全体の曲によるクオリティの差が殆ど無く、安定した内容となっている3rd。一般的に代表作とされる事が多い作品。
印象的なフレーズはやや少ないものの、無駄の無いタイトな作りそして違和感の無い作風はメイデンに継承されている要素も多々あり。
特にブルース加入後は手数の多いドラミングに加え、表現力のあるボーカルがこのバンド最大の魅力となった。そして、ブルースのソングライティング参加はこのバンドに印象的な曲を与えた。

メイデンとの比較で言えば、曲作りがオーソドックスであり、ソングライティング力に難があった。ほぼ、メンバーの演奏に寄るパフォーマンスが特質であったと言えよう。
逆に言えば、それだけメイデンは当時のバンド群の中で飛び抜けていた存在であり、こうしたバンドの存続を脅かすものでもあった。よって、決して平均以下の水準にあった訳では無い事を付け加えておく。

SAMSON/SHOCK TACTICS
1981年発
入手:2001年、Sanctuary Records

RAVEN③

2016-03-30 22:50:51 | nwobhm
2ndまでのキチガイぶりを反省して?(笑)少々、落ち着いたサウンドとなった3rd。と言っても曲のテンポがミドルになっただけで、そのクレイジーぶりは健在。
今の基準から言えば、到底現スラッシュメタルの激しさやスピードに勝るものではないが、このバンドの本質は以前に書いた通り。

むしろ、単に激しさやスピードを求めるならば、慧スラッシュメタルの各バンドの本質すら理解出来ていないと言えるだろう。それぞれのバンドの特質とは何か?それを改めて知らしめる事が出来る数少ないバンドの一つがこのRAVENであり、このアルバムなのである。

そしてもうひとつ、ボートラにウド・ダークシュナイダーと共演したナンバーが入っている。これもまた購入する魅力の一つになるのでは?

RAVEN/ALL FOR ONE
1983年発
最新入手:2002年、Sanctuary Records