ようやく

初詣！は三年ぶりか

いつからこの行事に自主参加することがなくなったのだろう

近年はある女の子から誘いがあるたびに参加していたが

声がかからない年もあり、連続で誘われる年もあり

要は彼氏がいないときだけ誘われていた

クリスマスイブからの初詣

この行事が終わると連絡はまったくなくなる

ここまで潔いと気持ちいい

一人でいなかった実績がほしかったのだろうか、女の子の事情はよくわからないが・・・

そして前回の初詣から3年が過ぎた

まぁ彼氏とうまくいっているなら良しとしよう

いつかは僕も断るよ・・・

便利屋を演じる僕に反撃するチャンスは巡ってこなかった

この子とおみくじを引くたびに僕は大吉を引き続けた

おみくじというイベントを消化しただけ

内容は正直覚えていない、内容なんてどうでもよかった

そして今、また大吉を引き戻した

神様はどうしても僕に幸せになってほしいのか

願いは叶うし（願いはないので叶う以前の問題）

病気は治るし（健康なので病気しない）

失くし物は出てくるし（神経質なので完全管理失くし物なし）

待ち人は現れるし（待ち人って借金とり？できれば現れないでほしいが）

いやいつも通りの無駄引きだったようだ

僕の役割

その日はいつにも増して暑かった

何年ぶりだろうか

覚えているのは大震災で故郷のために忙しく動き回っていた姿

もう3年・・・少なくとも僕にとっては充実していたからこそ早く感じた３年ではない

何かに追われ急いで逃げていたら３年経っていた・・・そんな感じかも知れない

その方は同じ自営業で常連様だった

僕は故郷での活動が一区切りついたので顔を見せてくれたのかと思ったが

どうやら事情は違っていたようだ

ある事件に巻き込まれ、廃業のあげく膨大な借金をかかえたという

ある事件には将来ある子供（犯人）が関わっていたことで全部の責任を追及することを躊躇い

自分で背負った

何も悪くないのに今は無職、アルバイトで生活をしている

新聞配達から皿洗いまで１日に２２時間働くこともあるという

おかげで月給が５０万になったことも

苦しいはずなのに笑って話してくれた

「背負ったものは大きいけれど、全くあきらめてないんですよ。」

「本気になれば５０万くらい稼げますから。」

僕は返す言葉がなかった

僕はまだまだ全力じゃないし、甘えている

こんな僕の軽い言葉は吐き出すべきではなかった

松屋に電話する前にもう少しやらなきゃいけないことが見つかった

僕にも商売させていただいているこの社会、地域でやれることが役割があるはずだ

常連様の成功を、そしてこの常連様に助けられた子供が更生して立派な人間になることを祈った

役立たずな自分を責める前に、少ないけど、今できること、伝えられることだけはやって行かなければ・・・

僕にも社会での役割があることを信じて・・・・

食べ歩き

小龍包みたいなやつにつづきから揚げ

今はこんなものまで食べ歩きできるのか！

僕はカルチャーショックを受けるとともに

叫ばずにはいられなかった


「ライスちょーだい」「できれば味噌汁も！」


僕は夢を見つけたようだ

下北沢を誰かと肩を寄せ合いながら

から揚げ定食を食べ歩く

しばらくすると我に返った僕は思った

この夢はずっと胸にしまっておこうと・・・

夏祭り

従業員が下北に行くというので

一緒に行って食べ歩きでもしたら楽しいだろうなと思いながら

それは無理なのでお土産を頼んだ

彼女が買ってきてくれたのは

小龍包みたいなやつ・・・

どうなんだ、おい！

期待を胸に僕は目をつぶった

今日は夏祭り、隣には肩を寄せ合う誰かがいるのを想像して

真夏の夜のように暗い休憩室で一口いただく

肉汁があふれ出した

うまい！

小龍包みたいなやつが胃の中に吸い込まれると同時に

僕の夏祭りは終わった

「帰るよ！」

僕はいるはずのない肩を寄せ合う誰かにつぶやいた

「もう少しだけ・・・」

聞こえるはずのない声がしたように思えた

僕はもう少しだけ目をつぶっていようと思った

酒を煽った

従業員にかまぼこをもらった。

俺は飲めない酒を買って少しだけ工夫して酒を煽った

酒におぼれたい時もあるが酒が飲めないのでできない・・・

でも今日だけは世の中に？

いや、自分に唾を吐きかけたい

なにやってるんだか・・・