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人生激情1524(ある殺人未遂事件)

2012-04-07 07:49:53 | Weblog
 3月下旬のこと、老夫婦の元へ無職の長男(44)が転がり込んだ。
それから数日後の4月6日、老夫婦は長男殺人未遂で逮捕された。
 札幌市北区屯田での事件だ。
 逮捕容疑は5日午前7時ごろ、自宅二階の居間で、同居する長男に対し、
その父親(72)が背後から鈍器で頭を数回殴り、母親(69)が紐で
首を絞め、殺そうとしたというのだ。

 44歳で定職のない息子が年金暮らしの親元の家に転がり込んだ。
居候を決め込んで飯を食い、酒を飲む、不愉快な生活態度に親子の口論が
絶えなかった。40年前、あれほど可愛かった息子が、なぜにこんなグウタラ
になったのか。親子だけの楽しかった思い出は一杯あったのに、どこへ消えて
しまったのか。親としては何とも情けない思いだったのだろう。
息子の方にも自分では何ともしようもない葛藤があったのだろうか。
父ちゃん母ちゃんゴメンヨ、と心で泣いていたのかもしれない。
世の中のせいではない。誰のせいでもあるまい。
それなら自分たちで決着を付けなければならないのだろう。
「殺すしかない」二人は暗い部屋でかすれた声で言い合ったのか。
手順や役割分担も打ち合わせたのか。
その後のことも考えてたのか。
 悲しすぎる。
老いた父と母にとっては切羽詰まった結論だったのか。
容疑者が同年輩なだけに切なさが胸を締め付ける。

 幸い長男は頭などの軽傷で済んだという。
手加減があったのではなかったか。親子の情ゆえの救いと思いたい。
殺人未遂容疑の夫婦は何らかの罰を受けるのだろうか。
だが、その後でこの親子はやり直せるのだろうか。
 季節外れの寒い日の、寒い事件であった。

 この日東京ではソメイヨシノの開花宣言があった。
花の下で親子連れがはしゃいでた。
ささやかな幸せがそこにある。
行く末までも、と願ってた。

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