今日は、ピンチヒッターで、お店当番にいった。
一番に入ってみえたのが男性。
スーツを召された上品な紳士である。
多分何か近所に用がおありで時間つぶしね。
それでもときどき話し掛けられるのでお相手をしているうちに
猫の話題になった。
「このめがねふきの絵はマンハッタンですよ」とわたし。
「ほー、おもしろいですね」
「マンハッタンの猫ちゃんは、あんまりかわいくないところがかわいいですね」
「この絵にある言葉は何語でしょう?フランス語ですか」と紳士。
「フランス語ではありません。多分レストランって書いてあるんでしょうが
フランス語のつづりではありませんね」
「ほぉほぉ、フランス語読めるのですか」
「一応、簡単なのはわかります」
「わたしは、読めないんですよ。oiと書いてワと読めるくらいです」
「moiと書いてモワとよみますね。」とわたし。
[そういえば、この近所にトワ・エ・モワさんが住んでるらしいですね」と紳士。
「あらそうなんですか」
「トワ・エ・モワていって、すぐに話が通じるのは嬉しいですな。」
「通じますよ。澄んだきれいな声のカップルでした」
「この頃はあんまり見かけませんね」
「ずっと人気があるかたは少ないですね」
「一生に一度でも輝く事ができればいいんじゃないでしょうか」とわたし。
「そうですね。若くなくては無理ですけどね」
「あら、わたしはこれから輝くつもりなんですが・・・」
「おぉ、それは素晴らしい。今から輝くのですか」
「そのつもりで頑張ってるんですよ。どうぞわたしの書も見てらしてください。」
「おお、これはあなたがお書きになったのですか」
「そうなんですよ。書とか絵は年齢関係なく、輝けますからね」
「頑張ってください」
そうおっしゃって紳士はマンハッタンのめがね拭きをひとつ購入してくださっって帰って行かれた。
どうもね
胸のバッジからお見受けすると
どこかの党の議員さんみたいでしたね。
ポスターかなんかで見覚えのある方でした。